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【フランクフルト=菅野幹雄】欧州中央銀行(ECB)のドイ
センベルク総裁は利下げ決定後の記者会見で「今年と来年の経済
成長予測を大幅に下方修正した」と語り、ユーロ圏の景気低迷が
利下げの理由だと指摘した。当面の金融政策では政策余地がなお
存在することは認めながらも、追加利下げについては「私は何も
予測していない」と述べるにとどめた。
総裁は会見の冒頭説明で「最近数カ月の大幅で急速なユーロ高
は輸出競争力を弱めるだろう」と通貨高の悪影響に初めて言及。
利下げ検討の過程で「米欧の金利差」が念頭にあったとも認め
た。
一方で「ユーロ相場の水準は欧州経済の実力と、強く安定した
ユーロというECBの目的に沿っている」とも明言した。輸入物
価の下落でインフレ率が抑えられたとして通貨高のプラス面も強
調した。総裁は最近の世界デフレを巡る議論を「仮説的なデフレ
リスク」と指摘。ユーロ圏では現時点でデフレの兆候を示す予測
は全くないと強調した。
http://markets.nikkei.co.jp/news/hot/hotCh.cfm?id=d2m0503b05&date=20030605&ref=1