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IBMはSECによる会計調査を「顧客が受けている別の調査に関連したもの」としているが、一部ではEnronのような会計スキャンダルにつながるのではとの懸念が。(ロイター)
米IBMは6月2日、米証券取引委員会(SEC)が、同社の2000〜2001年の一部売上高の計上方法に関して正式な調査を開始したことを明らかにした。
同社はリリース文で、この調査は「当社のリテールストア・ソリューション部門の顧客がSECから受けている別の調査に関連したものだと考えている」と述べている。この部門では、電子キャッシュレジスターやその他POS(販売時点管理)製品を販売している。
この発表後、IBM株は電子取引ネットワークInstinetで約3%値を下げた。投資家の信頼を損なったEnronやWorldComのような会計スキャンダルが起きるのではないかとの懸念が持ち上がったためだ。
「Enronなど、投資家の信頼を揺るがした会計スキャンダルを思い起こさせる大ニュースだ」とRefcoのLind-Waldock & Co.部門の上級市場アナリスト、バートン・シュリヒター氏は語る。
リテールストア・ソリューション部門は、IBMのパーソナルシステム事業部の一部であり、この部門の売上の内訳は出していないと同社の広報担当ビル・ヒューズ氏は語る。
「SECは主に特定の顧客との取引について、2000〜2001年の収益認識に関する情報を求めている」とヒューズ氏。
IBMはPOSシステム市場で優勢を誇っており、複数の米国の大手小売業者を顧客に抱えている。
ヒューズ氏は、調査対象の顧客を明かすことを控えている。
米国では多数の大手小売業者が、規制当局による厳しい調査を受けている。
SECはIBMに対し、この件について何ら結論は出ていないと伝えているという。IBMはまた、SECの調査に協力していると言い添えた。
同社は「当社の事業方針と会計方針は、当社に適用されるすべての規制に準拠していると信じている」と述べている。
SECの広報官は、この件に関するコメントを控えている。
「(この件は)実は大した問題ではないと判明するかもしれないし、信頼性を掲げるIBMの主張に傷が付くことはないかもしれない。しかしSECの調査が行われており、それが陰を投げかけていることは事実だ」とIBM株を保有するVictory Capitalのアナリスト、マーティ・シャグリン氏は語る。
IBMはここ何年もの間、会計慣行に関して調査を受けており、投資家は同社の情報開示は不十分だと批判している。昨年、同社はこうした問題の一部に対処して、情報開示を拡大した(2002年4月の記事参照)。
それでも一部の投資家は、同社は前CEO(最高経営責任者)のルイス・ガースナー氏の下で、株式の買い戻しなどの手法による利益操作の慣行を続けていると指摘していた。こうした利益操作により、同社は四半期ごとに堅調に利益が成長している形で会計報告を作成することができた。
「Grant's Interest Rate Observer」の発行者で、IBM批判派のジェームズ・グラント氏は、最近はIBMの会計報告を詳しく調べていないと話しながらも、1990年代後半にIBMに注目し始めたとき、同社の会計手法は強引だと思ったとしている。
「われわれはIBMの会計手法を強引で宣伝的で疑わしいと思った。SECの調査を受けるのももっともだと思う」とグラント氏。
2002年4月、SECはIBMに対する予備調査を行ったことを明らかにしたが(2002年4月の記事参照)、調査のターゲットについては明らかにしなかった。
IBM株は2日午後、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引が中断された。同社株は通常の取引で前日比62セント安の87ドル42セントで引けたが、過去52週間の最高額90ドル32セントと比べてそう大きな差はない。
[サンフランシスコ 2日 ロイター]