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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「円相場は当面堅調に推移?」を挙げる。
<米国の本質的問題は、対アジア、ラテン米通貨でのドル高>
【1】米国政府が強いドル政策の堅持を表明したと言う。「別に、驚くべきことではな い」と、白川さんは語る。そもそも、米国の対外赤字と実効為替相場の動きをみれば、米国の本質的な問題は、(1)アジアやラ米等の新興国通貨に対する米ドルのオーバーシューティング と、(2)それら諸国に対する慢性的な貿易赤字の拡大である。米国にとって、ユーロや円に対する米ドルの下落を演出することは、貿易赤字、デフレ圧力のいずれの解消にも大きく役立たないばかりか、資本流入を抑制することで金利上昇を招く リスクすらある。「先進国通貨に対して米ドル安を演出する考えはないという米国政府のスタンスは合理的である」と言う。
【2】プラザ合意の再来はない。しかし、逆プラザ合意もないと見る。米国政府の基本的なスタンスは、「相場形成を市場に任せる」というものである。こうしたスタンスは日本も共有せざるを得ないであろう。これまでも財務省が主張してきたように、「円相場のオーバーシュートを防止する為替介入はあっても、円相場の切り下げを目的とした介入はあり得ない」のである。
【3】従って、為替相場がどちらの方向に動くかは、「基本的に、日米欧のマクロ経済政策ミックスによって決まることになる」ものと考えられる。ここで、日米欧3極ともに、財政拡張政策による景気刺激には腰が入らない状況であるため、「為替相場は、(特に短期的には)3極における金融政策によって大きく影響を受けることになる可能性が高い」
<日本が金融リフレに消極的なら、短期的に円上昇圧力は消えず>
【4】ECB(欧州中央銀行)による追加金融緩和実施の可能性はかなり高い、と見ている。また、米FEDによる追加緩和の可能性も捨てきれない。米欧では金融リフレの追加が視野に入っている。一方、日本については、日銀・財務省ともに、量的緩和のさらなる拡大には消極的になりつつあるものと推察される。最大の問題は、「国債相場がすでにかなり高騰しており、金利反転が金融システムに与えるショックを懸念せざるを得ない状況に追い込まれている」ということである。競争的な金融リフレに参加した場合、国債相場は短期的にはさらなる上昇を示す可能性が高いが、その後、 米ドル、株価、世界長期金利が反転すれば、「国債相場の大幅な下落が生じる可能性がある」。無論、米ドルや株価の反転といった好材料はあるが、それだけでは十分にオフセットできない可能性がある、と言う。
【5】 日本の当局が相対的に金融リフレに消極的であるとすれば、「短期的には、円相場に対する上昇圧力は簡単には消えない」と言う。ただ、非不胎化介入によってベースマネーの伸びを維持できれば、円が大きくオーバーシュートすることも考えにくい。当面は、「オーバーシュートはないが、円相場の堅調な推移が継続する」と読む。