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米国のファイブリバー・エレクトロニック・イノベーションズ(LLC)と二つの労働組合は5月2日、米国商務省と米国国際貿易委員会(ITC)に対し、マレーシアと中国産のカラーテレビの反ダンピング提訴を行った。中国製品は54インチ以上のものが対象とされ、主要メーカーのほとんどがブラックリストに載ったことになる。
中国産カラーテレビが反ダンピング提訴されるのは、これが初めてではない。数年前に欧州連合(EU)に提訴され、欧州市場から中国製品がほとんど消えたことがあった。
専門家によると、1979年に欧州共同体(EC)が初めて対中反ダンピング調査を実施して以来、20数種ある輸出製品のほぼ全品目にわたって調査が行われた。提訴の件数は、1980年代には年平均7件だったが、90年代には32件に増え、2001年には55件の新記録を樹立。世界貿易機関(WTO)の統計によると、2002年下半期以降、中国大陸の輸出製品に対する調査は計27件に及び、中国は世界で最も多く反ダンピング調査を受けた国となった。1992年〜2001年には調査対象の金額は53億ドルに上り、提訴の55%はEU諸国から、28%は米国からそれぞれ起こされた。
中国企業がたびたび反ダンピングに遭う原因には、外的なものと内的なものがある。
中国政法大学国際法学院の趙威教授によると、外的原因には主に次の3点がある。
1 貿易をとりまく状況をみると、国際的な貿易保護主義が台頭している。ここ10年以来、欧州や米国といった西側先進国では、貿易赤字が増加し続けたため、反ダンピングに関する法律が相次いで制定され、内容が強化された。調査範囲は拡大し、反ダンピング税率は上がった。こうして各国が国内産業の保護に努めてきた。
2 WTOルールが反ダンピング件数を増やしているという側面がある。WTO加盟国が自国の国内市場保護のために取りうるいくつかの措置のうち、最も取りやすいのが反ダンピング措置。手順が簡単で容易に実行でき、輸入製品を効果的に閉め出せるほか、報復措置を招きにくいという利点がある。このため加盟国は自国の産業と市場を守る最適の方法として、反ダンピング措置をたびたび発動するのである。
3 他国の反ダンピング法の多くが、中国に対して差別的内容となっている。いくつかの国では反ダンピング調査において中国を「非市場経済国」と見なし、中国製品のコストについていわゆる「代替国」「類比国」制度を採用。代替国の選定では任意性が発揮されやすく、中国より経済発展レベルがはるかに高い国がしばしば選ばれる。このため実際には中国輸出製品の国内通常価格と輸出価格との比較は不可能なのだが、無理に比較が行われる。最終的に中国は高額の反ダンピング税を課され、価格や輸出数量を制限されることになる。
内的要因としては、近年の輸出のめざましい発展、貿易黒字の拡大が、反ダンピング提訴増加の主な原因となっている。
また国内企業が無秩序な競争を繰り広げていることが、外国に格好の口実を与え、たびたび提訴される大きな原因となっている。
趙教授によると、安価な労働力と原材料価格の存在により、中国の労働集約型製品が国際市場で優位に立つのはごく自然なことといえる。問題は一部企業が規範や自制を欠いた行動を取り、ある製品がある国の市場への輸出に成功したと知ると、便乗して群れをなして押し寄せることにある。その結果、ある国や地域の市場に中国製品が過剰に出回ることになるのだ。統計によると、輸出製品(香港経由の製品も含む)の75%が北米と欧州に送られている。中国企業の「便乗」現象は協調性を欠いた行為で、企業同士の激しい価格競争を招くばかりでなく、外国に反ダンピングの口実を与えている。
また中国が外国のダンピング行為の告発に消極的で、あまり応訴しないことも、反ダンピングを増加させる一因になっている。隙を見せれば相手はつけこむ。こうして反ダンピング措置が連鎖反応的に増加していくのである。
「人民網日本語版」2003年6月2日
http://j.people.ne.jp/2003/06/02/jp20030602_29380.html