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5月に入り、ユーロ・ドルがユーロ誕生後の最高値を更新するなか、ドル・円相場は当局の介入もあって115〜119のレンジ内で一進一退で推移している。しかしながら、クレディ・スイス・ファ−スト・ボストン証券会社、グロ−バル為替調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Credit Suisse First Boston:CSFB)は、「第1次湾岸戦争後のドル安局面と比較すると、必ずしも円の出遅れ感が強調されうるものではない」と語る。世界的なディスインフレが懸念されるなか、米国ではいちはやくリフレ政策に踏み出そうとしている。「マイルドなデフレを許容するかの日本の政策との違いによって、ドル・円相場は下落基調をたどろう」と言う。
<90年代前半の動向と比べ、さほど出遅れ感はない> 今回のドル安局面において、ユーロ・ドルはボトムだった2002年1月から、すでに3割近く上昇している。ITバブルを追い風に米国へ流入していた欧州マネーの大規模な巻き戻し、また、最近では通貨当局のユーロ高容認発言等がサポートしているようだ。一方、ドル・円はピークから1割強しか下落しておらず、当局の積極的な介入が功を奏していると言える。ただし、「90年代前半の動向と比較すると、それほど出遅れ感はなく、ドル・円の底堅さを強調するほどではない」と言う。
<「デフレ対策は通貨安で」=ブッシュ政権の本音?> 世界的なディスインフレが懸念されるなか、米国はいち早くリフレ政策に動き出した。実質FFレートは、すでに2001年秋以降マイナスの領域に入っており、「さらなる緩和は90年代を上回るマグニチュードとなる」と見る。共和党系シンクタンクであるアメリカン・エンタープライズ研究所のジョン・メイキン氏は日経金融新聞への寄稿で、「デフレ局面にある国が通貨安政策をとることは正しい」と述べている。この考えは、「おおむねブッシュ政権の通貨政策の本音に近いものかも知れない」と言う。
<日本は「追加リフレ政策」採用が得策、とメイキン氏> また、メイキン氏は日本は介入で円高を阻止するよりは、「追加リフレ政策」を採用することが得策である、と指摘している。しかしながら、日本当局の選択した道は財政再建と実態経済に対して実質的に引き締め気味の金融政策という「マイルドなデフレ政策」である。こうして、日米のマクロ政策のベクトルは反対方向であり、「先行きドル・円は、ユーロ・ドルに追随する公算であり、下落に弾みがつく場面もありうる」と見ている。