現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産27 > 1080.html ★阿修羅♪ |
|
サイト:http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu49.htm
2003年7月10日 木曜日
ユーロ・円相場1年間のチャート:サイトでどうぞ
「最近の株高」について。
最近、株価が上がり、長期金利も上昇している。一方、実体経済は悪化したままだ。このことを、どう理解するべきか? 本質を考えよう。
株価が上がっている理由は、欧州からの資金流入だ。このことは、新聞にも解説記事が出ている。とはいえ、私なりに、詳しく説明しておこう。
米国の金利引き下げにともなって、欧州通貨であるユーロが上昇している。つまり、ドル安・ユーロ高だ。一方、日銀は、ドルに対してだけ安定させようとしているから、円もドルに連動して、円安になる。その結果、円安・ユーロ高となる。ここでは、「円安介入をしている」という点が重要だ。この介入は、相当の規模になっている。
この介入のおかげで、輸出産業は欧州への輸出が好転した。売上げも伸び、利益も増えた。それを見て、株式市場でも、輸出産業を中心に株価が上がった。とはいえ、株式市場には、輸入産業もあるから、差し引きすれば、円安の効果はあまり大きくない。
肝心なのは、欧州からの資金流入だ。円安にともなって、欧州から資金が流入して、日本の株を買う。なぜか? 株高を期待している、という意味もあるが、大事なのは、為替差益だ。円が安いときに日本の株を買い、あとで円が高くなってから日本の株を売る。株を100円で買って100円で売ったとしても、円とユーロのレートが異なるから、手取りのユーロの額を見ると、利益が出る。つまり、為替差益が出る。これが狙いだ。
さて。欧州は、こうして、濡れ手で粟で、為替差益を得る。一方、これを日本の側から見ると、どうなるか?
今は「円安にせよ」という円安論者の主張に従って、日銀がせっせと円安介入している。円が資金流出している。そのせいで、たしかに円安になっているが、一方、欧州の業者は、馬鹿な日銀をせせら笑って、反対介入しているわけだ。その分、日銀の円安介入効果は弱まるが、それでもけっこう効果が残るから、円安になっている。
そして、将来、この無謀な介入が消えたとき、円安は修正される。そのとき、欧州の業者は、濡れ手で粟で、莫大な為替差益を得る。株価がまだ上がっているうちに売るから、株の投資利益も得るが、もともと、それにはあまり期待していない。とにかく、為替差益を得る。そして、欧州の業者が為替差益を得た分、日銀が為替差損をこうむる。
その損失は、誰が負担するか? もちろん、日本国民だ。形としては、物価上昇という形で負担する。
企業はどうか? 円安のおかげで、多くの輸出ができて、ホクホクだ。しかも、ろくに賃上げをしないから、経営も黒字になる。企業の稼働率も、輸出のおかげで向上するから、失業者も減る。つまり、「企業業績の向上と、失業の減少」が起こる。これはまさしく、円安論者の主張の通りだ。
しかし、このとき、物価上昇によって、国民には多大な損失が発生するのだ。国民は、輸出できる分、一生懸命働くが、物価上昇のせいで、実質所得が向上しない。つまり、「失業の解消」というのは、「タダ働き」をすることなのだ。(奴隷になるようなものだ。)
では、国民がタダ働きでこうむった損失は、どこへ行くか? それは、欧州の業者だ。彼らは、日銀に対して反対介入をしたおかげで、莫大な為替差益を得る。彼らは「不労所得」を得たことになる。
そして、日本の国民が「タダ働き」でこうむった損失と、欧州の業者が「不労所得」で得た利益とは、うまくトントンになるのだ。金は天からは降ってこない。誰かが金を失えば、誰かが金を得る。日本が金をどんどん捨てれば、欧州が金をどんどん拾う。それが、今の「株高」という状況だ。
この状況を見て、「ほう、それじゃ株を買おう」と思って、提灯買いをする連中が出てくるだろう。彼らが株を買って、株価が上がる。景気も少し上向く。物価も上昇する。そこで日銀は、「物価安定のため」と称して、円安介入をやめる。そのとき、欧州の業者は、手じまいする。株を高値で売り、円高状況で円をユーロに替える。投資利益と、為替利益を得る。このとき、日本人は、株価と円レートの変動に、大あわてする。株は暴落し、円安終止にともなって輸出企業の業績も悪化する。あとに残るのは、物価上昇だけだ。このとき、国民の所得は増えないから、物価上昇の分だけ、損をしていることになる。デフレから、スタグフレーションに変わったわけだ。状況は非常に悪化する。そして、日本が大損した分、欧州の業者は得をしたわけだ。
結局、日本は欧州の奴隷となって、金を貢いだわけだ。円安というのは、もともと、そういう制度だからだ。経済においては、通貨は、一定の状況で均衡する。なのに、無理に通貨安にするというのは、その国の富を奪い、その国を植民地化する、というのと同然である。だから、欧州が日本を植民地にしたら、日本の通貨レートを下げて、日本人をこき使うだろう。それと同じことを、今は、日銀がやっている。だから、日本は、自らはタダ働きして、欧州に不労所得を与えることになるわけだ。
ニュースと感想 7月4日 南堂久史:http://www4.justnet.ne.jp/~greentree/koizumi/main.htm
1年間のユーロ・円チャートを見ていただければ分かるとおり、ユーロは円に対して20%以上もの値上がりをしている。私が何度も外貨をドルだけでなくユーロにシフトさせるべきだと主張してきましたが、この1年で20%ものリターンが得られたことになる。なぜドルは下落しユーロが値上がりしているかは、最近のブッシュ外交に疑問を持った国際金融資本家が、アメリカから資本を引き揚げてヨーロッパに移しているからだ。
起死回生のためにブッシュはイラク攻撃で勝利宣言をしたが、イラクはアフガニスタン化しつつある。最近はカルザイ化という言葉が流行っている。カルザイは大統領でありながら首都のカブールですら米兵の護衛なしには出歩くことが出来ない。つまり米軍は撤退したくとも出来ない状況に陥ったのだ。
イラクにも米軍が14万人進駐しているが、米兵はイラク人ゲリラの襲撃に脅えている。ラムズフェルドは米第三歩兵師団を撤退させようとしているが、その穴埋めを日本の自衛隊など多国籍軍に置き換えるつもりのようだ。アフガニスタンではドイツ軍が襲撃されて4名が戦死した。タリバン政権からカルザイ政権に変わって何が良くなったのか。イラクもフセインに代わってどうなるのか。
アメリカ軍による中東油田地帯の制圧は果して上手くゆくのか。石油もあれば水も豊富な地域を十数万の軍隊で制圧できるなら、とっくに近隣の勢力が支配しているはずだ。ヨーロッパは地域的に隣であるだけに中東を支配し続ける事の難しさを知っている。だからヨ−ロッパの資本家達は資本を米国から引き揚げ始めている。サウジのオイルマネーも米国からヨーロッパへ移している。
福井・日銀はその穴埋めを必死になって行っているが、これは明らかに売国行為だ。ドルを買い支えて円安にしたところで、その利益はヨーロッパの国際金融資本家たちへの利益供与に他ならない。いずれ円高になれば為替差益が転がり込むからだ。日銀は紙切れに過ぎないドルを買うより、株式や土地を買い支えることにより、今回のようなバブルの再発に備えるべきだ。
経済実態が悪いままなのに株だけが上がる現象をバブルと言います。外資が株式を買い捲れば株は上がる。しかし外資が売ればバブルの崩壊だ。外資は為替差益で利益は確保されている。福井日銀総裁はバブル経済の仕掛け人であり、また崩壊させた中心人物だ。そのおかげで外資に巨額の為替利益を献上したのだ。
おそらく近い将来ドルの暴落があるだろう。1ドル=50円位になるかもしれない。そうなった時のためにも外貨をドルだけで持つのは危険だ。アメリカの投機家たちがドル売りを仕掛けてきたら日銀はユーロヘッジを掛ければ良い。そうなればドルの独歩安となりアメリカはカーター時代のような狂乱インフレに見舞われるだろう。そうなれば世界中の国がドル離れを始める。
民族派の国際政治経済戦略家としては、これからはEUとの連携を深めてゆくべきだろう。しかし政府と日銀はそのようなことが出来るか。小泉政権はアフガニスタンのカルザイ政権と大して変わらない。アメリカの支援なしには小泉首相は失脚する。アメリカは北朝鮮カードで日本国民を脅している。だからこそ憲法を改正し自主防衛体制を訴えてきたのだが、まだ憲法改正の動きは見られない。