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7月8日(ブルームバーグ):株式市場の回復はまだ始まったばかりだが、投資家はもうすでに次の災難を心配している。
株式や株式投資信託の動きはそんなものだ。1990年代後半の投機的な「バブル」から株価低迷までは、ほぼ3年だった。底値をつけて1年もたたない今、さまざまな不吉な会話が聞こえてくる。
「イエス・ユー・キャン・タイム・ザ・マーケット」の著者ベン・スタイン氏は米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で、「バブルUが形成されつつある」と語る。「まだリスクを避けるときだ」と指摘するのは、資産運用会社グランサム・メヨ・バン・オタルーのグランサム会長。同会長は投資家向け書簡のなかで「バブルのピーク前にわたしは、弱気相場は長期にわたり、最終的な底値までに少なくとも1回、恐らく2回の景気回復局面を経験すると指摘したが、今でも考えは同じだ」と述べた。
投資家がすべきことは、こうした警告を無意味な悲観論として無視することだろうか。それともこれに留意し、株式市場と距離を置くべきだろうか。残念ながら、両方ともさほど説得力はない。
注意
資金運用は、分散化といった適切な防衛手段を取りつつ、何らかの投資を続けることが求められる。われわれを取り巻く危険にしかるべき注意を払い、尊重することが必要だ。
大半の歴史的な算定法でみると、現在の株価は割安ではない。S&P500種株価指数の構成企業の株価収益率(PER)は直近12カ月の収益を基準にした場合で32.5倍に達する。配当利回りは1.6%にすぎない。
確かに、債券利回りに投資することを考えれば、少しはましといえる。2年物米国債利回りはたった1.3%前後、10年債は3.7%だ。債券の支払い金利は固定されているが、配当は増えることもある。しかし金利が上昇すれば、この考え方には疑念が出てくる。
過去には、弱気相場が「二番底」を打った例も多い。1968−70年の株価低迷で、ダウ工業株30種平均は1970年5月に631ドルの安値をつけた。その後、 1973年1月には1052ドルまで回復したが、1974年12月には再び578ドルに落ち込んだ。このパターンが今回繰り返されれば、ダウは2007年5月ごろに6674 ドルに下落する計算になる。
歴史がそのまま繰り返されることはなくても、30年前の恐ろしい例は無視できないメッセージを伝えている。似たようなことが、確かに起こり得るということだ。
安全
こう考えると、われわれの希望のすべてを過度のリスクにさらすことに、慎重にならざるを得ない。かといって、ほかにどんな選択肢があろうか。超低金利のなかで、債券や短期金融市場にわれわれの確定拠出年金401kをすべて委ねるのか。
あらゆる賢者が株式投資の安全性に同意するまで待っているわけにはいかない。S&P500種の上昇率は過去50年間の年平均が11.4%、2003年半ばまでの 10年間では10%だが、株式購入が「安全」だった期間はそのどちらもなかった。PERが12倍以下の株式への投資を主張する投資家は、1989年以降、1セントも投資できなかったことになる。
株式投資は、リスクがあるだけに厚い見返りも望める。こうしたリスクと見返りを均衡させるという課題に取り組む場合、両者を明確に認識することが良いスタート地点となる。(チェット・カリアー)
(カリアー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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Last Updated: July 9, 2003 02:30 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=adRJXu1JKDzU&refer=top_kaigai