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http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#4787 より転載
http://www.canoe.ca/CNEWS/Canada/2003/07/20/141192-cp.html によれば、
農業エコノミストの見解では、当初は数日か、長くて数週間で終わると思われたカナダのBSE危機は、このままで行くと、さらに長引くことになり、カナダの多くの畜産農家は、破産に追い込まれるであろうとしている。
カナダの政治家の間には、アメリカや他の国が早期に禁輸措置を解くであろうとの楽観論を述べる向きもあるが、 Lethbridge大学教授のKurt Klein 氏によれば、問題解決には多くの難題があり、そんなことはありえないとする。
このような悲観論は、農家の間にも広がりつつある。
Manitoba畜産生産組合の専務であるKeith Robertsonによれば、「農家は、当初の2-3週間は、禁輸措置は必ず解かれるものだとの確信を持っていた。しかし、それから9週間もたった今では、万策尽き果てたという状態だ。」と、述べている。
5月下旬に禁輸措置がとられた後、カナダの政治家は、アメリカに対して、禁輸措置を解くよう、激しくロビー活動で働きかけた。
しかし、アメリカは、日本からの「カナダへの禁輸措置を解けば、日本はアメリカからの牛肉輸入の禁輸措置に踏み切る。」との圧力で、アメリカ側の態度は硬直してしまった。
Keith Robertson氏は「アメリカにとって、日本の牛肉市場は、財政的にも大切なものであり、カナダへの禁輸措置解禁で、これらの日本市場が危うくなるようなことは避けたいとの思惑がある。」という。
もう一つの禁輸解禁を妨げる要因として、多くの国は、最初のBSE発生後、7年間を経て、その後も発生しないのでないと、禁輸解禁には踏み切れないという考えを持っていることにある。
そのことは、カナダ自身が使っているガイドラインにも、ある。
カナダ食品検査機構のClaude Lavigne氏によれば、「現在完全にBSEフリーといえるのは、7カ国にすぎない。」という。
カナダは、オーストリア、ギリシャ同様、一つのBSE発生ケースのある国とされている。
カナダは世界の国々、特にアメリカ・日本両国に対して、カナダの牛肉の安全性を確保するために完璧な手段をとることを保障しようとしている。
1990年代に日本に客員教授でいたKlein氏によれば、「日本は、これまで、外国からの食料輸入に付いて、慎重な態度をとりつづけてきた。だから、このBSE問題のようなものが発生すれば、それをいい口実にして、禁輸措置をつづけがちである。それに加え、カナダ側にとっても、日本にBSEが発生してからの1-2年間というもの、日本からの牛肉輸入に乗り気でなかった。」という。
日本のBSE発生時、カナダは、日本からの生体牛の禁輸はしたが、20キログラム以下のカットビーフの禁輸措置はとらなかった。
カナダの農家は、カナダの農家が野垂れ死にする前に、これら国際間の紛争を解決するよう希望している。
BSE発生前、カナダは、毎週7万頭の牛をと畜していたが、BSE発生後には、その半分の4万頭にまでおちこんでしまっている。