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<道路公団>財務諸表の外務監査結果 公認会計士協が抗議へ
日本公認会計士協会の奥山章雄会長(中央青山監査法人代表社員)は2日、新日本監査法人が日本道路公団(藤井治芳総裁)から請け負った02年度民間企業並み財務諸表の外部監査(検証業務)結果について、「あたかも、この財務諸表が信頼できるかのような誤解を招きかねない説明をしている。噴飯ものだ」と述べ、公団と国土交通省に強く抗議する考えを明らかにした。
公団は8月29日、検証結果を公表。新日本監査法人とは「財務諸表の適正性を保証するものではない」と文書で確認していたが、藤井総裁は「財務諸表の信頼性が確保されたのではないか」との談話を発表。扇千景国土交通相も2日、「少しの誤差はあったが、容認できる程度のものだということだった。民営化に向けて第一歩を進めることができる」と、正式な財務諸表として容認する考えを示した。
これについて奥山会長は「新日本の作業は、公団の財政状況が適正であることを担保する『監査証明』ではなく、計上されている金額などが正確かどうかの検算に過ぎない。業界では『検証業務』として通常行われているものだ」と指摘。扇国交相が「監査」との表現で説明したことに抗議したほか、公団がホームページの「監査」の文字を削除していないため、公団に抗議した。奥山会長は「社会に誤解を与えている。業界として明確に意見表明すべきだと判断した」と説明している。
協会の異例の抗議の背景には、監査法人側に「一連の財務諸表問題の混乱を収拾するという政治目的に利用された」(関係者)との思いがあるようだ。【若島正浩】(毎日新聞)