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(回答先: 21世紀初頭の日本のとるべき道 −1 投稿者 Ddog 日時 2003 年 7 月 18 日 02:20:29)
サイト:http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu50.htm
2003年7月19日 土曜日
◆1. 米国に従うしかないという心の貧しさ
最近の日本の進歩的文化人の発言を散見しますに、読むに耐えないものが多発し始めています。現ブッシュ政権のあまりの横暴さに、日本文化人の判断力が大きく狂っているとしか言い様がありません。 その発言とは「米国にひたすら従うのが日本の正しい道である。米国を批判することは許されない。」という論調です。
今の日本は確かに北朝鮮の脅威に曝されています。軍事的に無防備で、憲法で戦争を放棄した国として、米国に守ってもらうしかない。だから米国を怒らせる発言や反米的行動を絶対避けるべきだという考えが国民の無言の支持を得ています。
イラク戦争勃発直後、米国の武力行使を支持すると表明した小泉首相は、結構、 国民から支持されているようです。日本国民の多数は米国に従うしかないと考えて いるようです。 しかし、このように米国のペースにすっかり嵌められたのは、戦後日本の対米外 交エリートの対米戦略に根本的問題があったせいです。日本エリートの人為的失敗 に起因します。
この責任追及は、別途、議論する必要のある深刻で重たい課題です。 それはさて置いても、現在の日本に蔓延している対米隷属容認主義には、救いがたい心の貧困さを覚えます。その貧困な発想の二大根拠は以下です。
(1) 日米安全保障条約が存在する限り、米国は日本を軍事的に守ってくれるはずである。
(2) 日本の軍事力の弱さを考慮すれば、軍事大国の米国に従うのが一番安全である。
そして米国隷属主義こそが日本の国益にかなっている。
◆ 2.米国は決して日本の友人ではない
進歩派を気取る日本の文化人や経済人の対米観は大体、想像がつきます。 「戦後、日本は米国の協力と支援により世界第2位の経済大国に成長した。米国は日本に友好的な国家であり、米国人は友人である。多くの米国人は日本人を友人として扱ってくれている。」
この発想ほど、ノー天気でお人好しの発想はありません。これは偉大なる幻想、救いがたい片思いです。 現実に、多くの米国人の間では日本のことは話題にも上らない。マスコミの関心も低い。彼らから見れば日本は既に攻略して落とした国です。日本がどうなろうが知ったことではない。これが彼らの本音です。
米国の陽の面だけ見て対米観を確立させた進歩的文化人の浅はかさを眺めると虫唾が走る思いです。「わかってないなあ」と思うばかりです。 9.11テロ事件以降、米国が本性を剥き出しにしてくれたおかげで、日本の文化人がテロ以降の米国の話題に触れただけで、その発言者の対米観の程度がすぐにわかります。
日米安保があれば、米国人が日本人のために戦ってくれるはずであるという底抜けの楽観的発想はどこからでてくるのでしょうか。 これは精神年齢の未熟な子供の、独りよがりの発想ではないでしょうか。
エリート米国人は、自国民の安全を確保するために、日本人をどれほど犠牲にしてもかまわないという冷徹な発想をします。また、それこそが、米国の国益であると考えます。日本人の安全を守るために米国人が犠牲になったら、時の米国大統領は即刻、クビでしょう。
世界の常識は、自分の国は自分で守ることです。米国は日本の軍事大国化を阻止したいばかりに、日本を軍事的に全く無防備な国にしてしまった。 ただそれだけのことです。米国人が日本のこと考えて何かしてくれたことは一度もない。
◆ 3.あまりに従順な日本人は抹殺の対象となる。
戦後の日本は「自分の国は自分で守る」と米国に言い続けなくてはならなかった。 国際外交では、相手から一目を置かれることがいかに重要かということです。 過去、こういう発言をする官僚は、米国からクレームがついて出世できなかったの でしょう。
今の日本人はサムライ精神を取り戻すことがもっとも重要な課題です。 もし日本人エリートがサムライとなれば、はじめ、米国人は日本人のサムライ化に警戒心を強めるでしょう。しかしながら、ノーの言える反抗的日本人こそに、一目を置くのです。それより、あまりに従順な日本人は、反抗的日本人よりも、実はもっと警戒されるのです。
米国人から見れば、日本人はスキあれば、米国の傘から抜け出して自立しようとするはずだと思っています。なぜなら、米国人は自分が日本人の立場に置かれたらきっとそうするはずだからです。 刑務所に入れられた人間は誰でも脱走を企てるでしょう。たとえ、朝昼晩、食事が提供されても自由の方がはるかに良いと思うのが人間の本能だからです。
自分の国を守る自由を奪われた日本人が、なんとかして米国の支配から脱しよう と思うのは、実に健全で正常な精神のはずです。だからあまりに従順な日本人は、 なんらかの企みを持っているのではないかと、逆に邪推されるのです。 そこで、あまりに従順な日本人とは、なんと気味が悪いやつらだ。抹殺してしまえ、となるのです。
北朝鮮に攻撃されるのが怖くて、怖くてどうしようもなく、米国から明らかに不条理な状況に置かれても、ひたすら我慢するとは、なんたる臆病なやつらだと軽蔑されます。こんなやつらはどうなってもよいという考えに正当性を与えてしまいます。 米国人から、これほど馬鹿にされた日本人を彼らがまともに守ってくれるはずがないでしょう。
米国からいくら嫌われようと、言うべきことは言うのが正しい態度です。 彼らの機嫌をとる言動ほど、愚かしい行為はありません。軽蔑の対象となるだけです。 米国人は、自分に有利なことしか言わないし、自分に有利なことしかしない。お互いが自分の有利性を高めるべく自己主張することで初めて外交が生まれるのです。
外交では利害が対立するのが当たり前です。利害の対立を回避すると、そのツケが どこかに回される。 米国人には、何を考えているかわからない相手のことを慮って行動するほどの、気配りも、繊細さのカケラもありません。
一方、お人好しの日本人は相手のことに気を使いすぎるのです。日本型組織では、長い間、「気配り」人事管理を美徳として尊重してきました。この特性が国際外交では、決定的な誤解を生んでいる。しかも、日本人の国際的信用を著しく下げている。
ベンチャー革命 対米感の甘い文化人 山本尚利:http://www.melma.com/mag/27/m00067527/a00000043.html
山本尚利氏は東大工学部を出て石川島のエンジニアを経て、アメリカのシンクタンクに14年間在籍したキャリアの持ち主です。だから日本のエリート達も良く知っているし、アメリカの頭脳集団の内幕もよく知っている。山本氏から見れば小泉首相の外交姿勢に大いに疑問を持っている。あまりにも親米隷属的なのだ。それに対して国民も過半数が支持している。
経済政策もアメリカの国際金融筋の言いなりになっているし、外交防衛もアーミテージ国務副長官の言いなりだ。あまりにも日本政府がアメリカの言いなりになっているので、アメリカ自信が気味悪がるほどだ。このままアメリカのお付き合いをしてゆけば、アメリカと運命を共にする事にもなりかねない。
小泉首相は「日本を北朝鮮の攻撃から守ってくれるのはアメリカしかない」と公言している。これに対しても国民の反応は何もない。それが当たり前のことだと思っているのだろうか。憲法9条に対しても改正せよと言う国民の意見は驚くほど少ない。それ以前に国民の無気力さと政治に対する無関心さがひどくなってきている。選挙の度に投票率は低下して、組織政党が勝ちやすくなってきている。
日本政府にとっては選挙民は「眠っていてくれたほうがいい」とまで言う首相もいたし、パフォーマンスだけの首相に拍手喝さいしている。マスコミは国民世論の代弁者としての役割を放棄して、政府の広報機関としての役割しか果たしていない。最もマスコミも無気力な国民に愛想が尽きたのだろうか。
アメリカもイラク問題が拗れれば厭戦気分が高まってくるだろう。大帝国が僻地の戦争に負けて滅び去った例は沢山ある。アメリカも例外ではないだろう。厭戦気分が高まり、北朝鮮問題に対してもアメリカは手を引くということも考えておく必要がある。そうなった場合日本はどう北朝鮮に対するのか。
アメリカが中東にどっぷりと浸かってしまい、動きがとれなくなることもありうる。ソ連におけるアフガニスタンのような状況が考えられる。すでにラムズフェルド国防長官と、中央軍司令官との意見の違いも浮かび上がってきた。
毎日のように報道される戦死者の報道に、アメリカ国民が切れるのは時間の問題だ。アメリカが急転回した場合日本はどのように対応するのか。日本政府も国民も思考停止状態になり、催眠術に掛かったかのようにアメリカに付き従っている。日本国民が目を覚ますのはいつのことだろうか。
現代は武器を持たないプロパガンダ戦争だ!(小林よしのり氏漫画):http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu50.htm