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(回答先: 先帝の幻の 謝罪詔書 を原文記載 投稿者 Ddog 日時 2003 年 7 月 10 日 23:46:24)
裕仁が書いた文面とは思えませんが(戦前・戦後を通じて、裕仁が詔書や勅語を起草していた形跡はない)、謝罪と退位拒否を内容とする詔書案の体裁です。
内容は、謝罪と退位拒否です。謝罪部分は、戦争の被害を挙げ、これを「朕ノ不徳ナル、深ク天下ニ愧ヅ」としています。「億兆塗炭ノ困苦ハ誠ニ國家未曾有ノ災殃トイウベク」とありますから、言及している戦争の被害はもっぱら国内です。そして、「敢テ挺身時艱ニ當リ」として、退位を否定しています。
文体は一見して異様です。「事(ヲ 列強ト構ヘ)」や「屍(ヲ戦場ニ暴シ)」など、名詞の過半が1文字という特異なものです(詔書の通例、たとえば、いわゆる「終戦詔書」では、「時局」、「康寧」、「宣戦」など、名詞のほとんどが2文字)。また、「誓ツテ」も異例で、往時の正書法は「誓テ」です。ほかに、「朕ノ不徳ナル、..」という連体形中止法も異例で、往時の正書法では「朕ノ不徳ニシテ、..」または「朕ノ不徳、...」ですね。「臣民」などの往時の用語を避けた苦労はわかりますが(その結果、「萬姓」と「國民」が混用されている)、起草者はこの種の文に慣れない者のようです。
報道では宮内府長官田島道治の自筆とされていますが、新憲法下ではもちろんのこと(宮内府は新憲法施行時に宮内省が改組されたもの)、旧憲法下でも、国務事項の詔書は宮内大臣の職掌ではなく、国務大臣(内閣総理大臣を含む)の職掌です。なお、旧憲法下では、宮内大臣は国務大臣ではなく、宮内省は内閣に属しません。(宮内府長官が本当に勤務時間内に書いたとすれば、職務専念義務違反です。)
「殃ヲ攘ヒ」など、特徴的な語句がありますから、この典拠を確認すれば、実際の起草者がわかるかも知れません。しかし、ほとんど落書きですね。