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(回答先: ひらめさん、はじめまして。 投稿者 愚民党 日時 2003 年 7 月 10 日 18:28:49)
愚民党さん、お返事いただき光栄です。あたなはこうおっしゃってますね。
「現在、宮内庁が志向しているのは母系帰還だと思います。
古代においては推古天皇・持統天皇が母系天皇として有名です。
日本書紀を読みますと女性天皇の苦悩が感じ取れます。
日本の政治・社会がここまで崩壊しておりますと
やはり母系天皇の誕生は21世紀にあると確信しております。
危機解体のせとぎわには女性天皇が誕生すると思います。」
宮内庁が本質的に母系帰還を志向しているとは思えないです。歴史上、推古・持統ふくめ10代8人の女性天皇がいました。しかしすべて独身か未亡人に限られて折、血統が次代に継がれることはありませんでした。女性への敬意から女性天皇が生み出されたわけではありません。緊急避難的に仕方なく、だったのです。今回宮内庁が女性天皇を許容する意向が万一あるとしても、あくまでそれは父系性から母系性への本質的転換ではありえません。双方系志向でもありません。あくまで付け焼刃、泣く泣く、というものです。
天皇制は父権原理を絶対的としているものであり、父権原理を否定することはとりもなおさず、天皇制の自己否定・自己倒壊です。「万世一系」という原理の自己否定(奈良時代以降は皇族が皇族外と結婚するようになったため、万世一系を保つためにはどうしても父権原理=男系である必要があった)であり、ある意味のでかつての天皇制の歴史とその正当性をすべてひっくり返すことにほかなりません。それは間違っていたという評価に傾く可能性が強いのです。女帝の議論は天皇制最大の危機を生み出すのです。宮内庁や政治支配層(男性による支配構造)がその方向に決断することはほとんど考えられません。