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[望ましい道徳的規範を書き下ろしていただけませんか?
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投稿者 たこ 日時 2003 年 6 月 28 日 14:39:18:KZLCEeqX13raw

(回答先: Re: 日本における望ましい道徳的規範を書き下ろしていただけませんか? 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 6 月 28 日 13:50:23)

「天皇制と教育勅語は、もう歴史段階としては終わっています」は客観的な表現なのですが、実際には、これを排除すべく行われた一連の抵抗運動や国家機関の行為があるわけです。たとえば、「教育勅語等排除に関する決議(1948年衆議院決議)」は、次のような文言です。

「 民主平和国家として世界史的建設途上にあるわが国の現実は、その精神内容において未だ決定的な民主化を確認するを得ないのは遺憾である。これが徹底に最も緊要なことは教育基本法に則り、教育の革新と振興とをはかることにある。しかるに既に過去の文書となつている教育勅語並びに陸海軍軍人に賜わりたる勅諭その他の教育に関する諸詔勅が、今日もなお国民道徳の指導原理としての性格を持続しているかの如く誤解されるのは、従来の行政上の措置が不十分であつたがためである。
 思うに、これらの詔勅の根本的理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。よつて憲法第九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する。政府は直ちにこれらの謄本を回収し、排除の措置を完了すべきである。
 右決議する。」

所詮は、国会決議ですから、これも抽象的な当たり障りのない文言に過ぎません。しかし、「基本的人権」、「国際信義」という単語だけを見ても、「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」を突出させつつ、「國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ」としながら「人権」に言及しない教育勅語とは、根本的に異なる価値観に基づいていることは明らかでしょう。ついでに、教育基本法の前文を並べておきます。

「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。」


Ddog氏などの論者は(「など」はDdog氏には失礼ながら、同氏の所論とオーバーラップする小室などを念頭に置いています。これとの違いがあるなら、ご主張いただきたい。)、特に「個人の尊厳」などが気に入らないのでしょう。「東京裁判史観」や「GHQ」などのキーワードで、これを攻撃しつつ、奇妙な論理で教育勅語の復活などを訴えておられます。

彼らが論拠とする「アノミー」は、古来から繰り返された「憂国の士」の感情的理念を、社会学の言葉で置き換えたものに過ぎません。念のために申し上げますが、犯罪抑止を共同体への帰属意識に期待するなどは、「近代」とは無縁の発想と考えております。近代国家では、個人と国家の間に、「共同体」などという中間項を置きません(排除します)。たとえば、共同体による村八分は、近代国家では脅迫や名誉毀損として犯罪視されます。

Ddog氏などとの根本的な違いは、「近代」の価値観そのものでしょう。

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