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(回答先: 空虚な言葉ではなく、国家社会の在り方そのものの問題 【日本に宗教規範がないわけではなく啓示宗教とは質が違う宗教なのです】 投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 24 日 16:44:36)
あっしらさん、レスいただきありがとうございます。
たこさんや、如往さん は議論ができるので、少々感情的にもなりましたが、時間を費やしまともなレスを書かせていただいたつもりです。
教育勅語の反論の皆さんは、感情論情緒論で、問題の本質の議論になっていない。不毛の議論 論戦はかなわないが、一応論破しておこうと思っておりました。当方時間も限られ、議論できる論客不在で、思い悩んでおりました。が、あっしらさんのご登場で、とりあえずお手合わせお願いします。
あっしら：ユダヤ教・正統キリスト教・イスラムといった啓示宗教と比較して、「日本には宗教の規範がほとんどない」と判断されるのは錯誤です。 超越神啓示宗教ではないかたちの規範意識で歴史を築いたことこそ、日本の好ましい特質として見直すべきだと思っています。 宗教は、世界観や人々の関係性（社会の在り方）についての価値観などを包括的に提示したものです。日本では神道や仏教という自然との関わり方や自己の存在についての宗教的考えは根付きましたが、人々の関係性（社会の在り方）はミニマムの規制しか必要とせず、ほとんどが日本的共同体のなかで形成される自律的な規範意識（自覚的にというより自然で当然のこととして持たれた）で済んだのです。 前近代の日本人の多くは、絶対的な神の"脅迫"として人々を律しなくても、生まれ生活していくなかで醸成される価値観で自分の振る舞いを律することができたのです。
Ｄｄｏｇ：江戸時代には武士階級にはその行動規範として、朱子学の更に日本的規範にあわせた武士道が存在した。庶民階級において、啓示宗教が存在しないぶん、村落の共同体の村意識が、経典が存在しなくとも、日本人の行動規範の定義を保つことが可能となっていた。
ところが、明治維新で西洋の価値観が流入し、農村協同社会が崩壊しはじめたと同時に、自律的な規範意識の基準があいまいとなりはじめた。森有礼が日本語廃止論まで出、。現代日本においては、無秩序なアノミー状態と言っても過言でないでしょう。私のような昭和30年代生まれの戦後世代の人間でもまだ、世間様が許さないとか、お天道さまが見ているという、自律的な規範意識の記憶は有しております。酒鬼薔薇聖斗世代の日本人にはもはや自律的な規範意識になるべきものが存在しないのではないかと危惧します。
教育勅語はある意味では十戒と構造は同じです。親孝行しなさい、学問しなさい、法律を守りなさい・・・・です。前近代の日本人の多くは、絶対的な神の"脅迫"として人々を律しなくても、生まれ生活していくなかで醸成される価値観で自分の振る舞いを律することができたのですが、教育勅語はその規範が崩壊するのを、教育勅語という規範を与えることにより、命脈を保ったと言えましょう。
あっしらさんには関係ないが、Ｄｄｏｇへの投稿のなかに、教育勅語があっても日本は戦争に負けて、それゆえ教育勅語は日本人の為にはならなかったと、論理的思考に欠ける投稿がありました。教育勅語は戦艦大和か？戦艦大和は世界一の戦艦であったが、敗戦責任は戦艦大和一隻のせいではないのと同じように、教育勅語が敗戦原因ではない。
教育勅語があったからこそ、白人支配の世界に有色人種としてはじめて列強と伍することができた。ある意味で、アメリカが国家総動員で戦争をするまで日本の国力は上がったともいえる。現在こそ、ＧＮＰがいくらとか、経済で国力を計るのは現代的価値観であって、教育勅語の時代は、軍事力を以って国力を計る価値観であった。
（軍事力の価値観でいえば、国民よりも天皇や軍の参謀本部が第二次世界大戦を無謀な戦争であると危惧していた。）
あしら：教育勅語現代語訳の「子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また、法律や，秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。」は、国家があれこれ説明しなくても、日本の共同体のなかで生まれ育った人の多くは、それが自分のためにもいいことだと思いやってきたことです。
そして、「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕」は、その直接的な役割を武士という職業階層に委ね、その活動を支えるために年貢などを負担したのです。 逆に言えば、このような当たり前のことまで国家が言わなければならないことが「近代日本」の奇妙な変容を示唆してます。
Ｄｄｏｇ：あっしらさんは、コーランやタルムードにも詳しいはずですよね。内容はどうでしたか？物を盗むなとか、結婚するときはこうしろとか、彼らの価値観からすると、非常にわかり易い常識のマニュアル本である側面があることは知ってますよね。コーランは、アラブ人の自律的な規範意識に基づき、マニュアル化したともいえる内容があります。マニュアルかしたからこそ世界宗教へと脱皮できたのです。教育勅語は、日本の自律的な規範意識を文章化した経典的性格があると、主張しているのです。これは、小室先生の分析。
あっしら：「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕」は、その直接的な役割を武士という職業階層に委ね…･
Ｄｄｏｇ：「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕」は、その直接的な役割を武士という職業階層に委ね、とありますが、織田信長出現まで、兵農分離はされておりませんでした。そもそも武士の発生は、平安末期において、特に関東では、武士＝武装農民であった。江戸時代において、兵農分離は完成された。直接的な役割を武士という職業階層に任せた江戸時代において、何回そのような事態があったのでしょうか？あきらかにこの部分はあたりまえと断言すべきだはないと思う。
あっしら：「戦後に教育勅語が排除された結果、我が国の倫理道徳観は著しく低下し、極端な個人主義が横溢し、教育現場はもとより、地域社会、家庭においても深刻な問題が多発しています」というのは、教育勅語の有り無しの問題ではなく、そのような振る舞いのほうが自分のためにいいことだと思える国家社会の在り方になっていることから生じているのです。政治家・官僚・企業経営者などの生活振りと振る舞いを見較べたり、法や税制を考えたとき、教育勅語的な生き方が、誰にとって都合がいいものであり、自分にとっては有利なのか不利なのかを考えるのは当然です。
Ｄｄｏｇ：教育勅語に代わる道徳規範をどういう形にしろ、国民の道徳規範として、示すべきであると思う。しかし、提示できないでいる、雰囲気をかもし出しているのは、天皇、教育勅語を肯定的に投稿しただけで、過剰に反応する、天皇、教育勅語のこういった一般的な小市民達であると私は思うのであります。道徳的規範は実は幾つか提示されてはいるのです。手塚治の漫画や、サザエさん、最近でいうと宮崎駿といった価値観が、道徳的規範の代用として消費されてはいると思うのですが、絶対的権威に欠けてしまうから問題だと思うのです。それゆえ、国家が日本の自律的な規範意識に基づいた、道徳規範を提示すべきだと思う根拠はここにあります。
わたしは、教育勅語をそのまま文語調のまま復活せよと主張してはいない。教育勅語的な道徳規範を義務教育の期間中は教育に盛り込むことが、教育の礎となると信じています。
あっしら：Ｄｄｏｇさんもそのようですが、単身赴任をせざるを得ない条件の人を配置転換するのは、「夫婦は仲睦まじく解け合い」という教育勅語の価値観に反しています。
Ｄｄｏｇ：妻と子は同居しています。
あっしら：「敗戦責任」や「バブル責任」をとらないまま大きな顔をして支配層がはびこっている日本で、支配層が教育勅語の精神を云々するのは笑止千万です。 売国的政治家でも、ひとには愛国主義を唱えるのです。
Ｄｄｏｇ：売国奴的政治家には激怒しているのはわたしも同じです。
実はまだ、天皇の道義的責任について投稿しておりませんが、骨格は、こうです。多少たこ氏との議論において、小規模な自分の思考の変節を生じた部分もあります。天皇は、道義的責任をとった。というのが主張です。天皇は、国民に退位の決定は委ねた。国民は退位を望まなかった。ＧＨＱは天皇を利用しったことは間違いないが、天皇の人徳や合理的思考があってからこそである。
天皇の全国巡行は、日時も公表され、警察力が著しく弱く、暗殺しようと思う人間がいたら容易に暗殺されたであろう。ところが、皆無であったのはいかに？選挙で天皇を選ぶことは出来ないので、これをもって国民より信任されたと判断してもよかろう。
天皇は、敗戦国の立憲君主として、裁かれなくてはならない根拠は如何に？
天皇も政府の機関として、裁かれなくてはならないという理論なら、退位させたり絞首刑にするのもＧＨＱの自由なはずだ。天皇は、捕虜の長として振る舞った。
マッカーサーの回想録によれば、「私の知り尽くしている諸事実に照らせば、明らかに天皇に帰すべきない責任を負おうとしている」としている。
未だに天皇の責任を言い続けているのは、北朝鮮中国韓国と旧社会党共産党と、この掲示板参加者の何割かだ。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。