現在地 HOME > 掲示板 > 議論11 > 369.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re: 輸出価格の5%の還付を受ける 投稿者 13代目 日時 2003 年 6 月 19 日 14:22:56)
13代目さん、こんにちわ。
ご紹介いただいたサイト:http://homepage1.nifty.com/aishoren/313jyuzei.htm で書かれている『関東学院大学法学部教授の湖東京至氏が最新の資料を使って、輸出大企業上位10社の消費税の輸出戻し税=還付消費税額を推算したところ、年間の還付額がトヨタ自動車が1551億円、本田技研工業が864億円というように巨額にのぼっていることが分かりました(10社合計で6234億円=表1)。この還付額は国内販売で納税した消費税額より、輸出販売で戻ってくる方が大きいことを示し、これらの企業は国庫に納める消費税がゼロ、その上さらに巨額な、事実上の「輸出補助金」を懐に入れていることになります。』を読んだときに、“輸出比率が70%や80%ならわかるが、国内販売分はそのまま消費税を納付するんだから、そんなバカなことになるはずない”と思ったのですが、「輸出価格の5%の還付を受ける」のならあり得る話です。
そして、『また、97年度から00年度までの消費税税収(国税消費税4%と地方消費税1%の合計)と還付税額を調べたところ、還付税額は年平均約2兆円にのぼっていること、消費税収入全体の16%超にあたることも判明しました。』というとんでもない構造にもなり得ます。
「輸出戻し税」が輸出価格の5%であれば、財政状況が著しく悪化している政府(国民)が輸出に対して“支援金”を支払っていることになります。
前回の例で言えば、
輸出業者:輸出価格:100万円:納入消費税:0円:戻し税:5万円
合計消費税額:−2万5千円
国庫に入る合計消費税額が−2万5千円であるということは、ただ輸出分の消費税が入ってこなかった(この場合はプラマイゼロ)というだけではなく、他から入ってきた消費税から輸出業者に“支援金”が支払われていることを意味する。
こんな「輸出戻し税」制度を立案した大蔵省(財務省)官僚はどういう価値観を持っている人たちで、それを認めた内閣や国会議員は何を考えているのかと厳しく問わざるを得ない。
そして、このようなふざけたデタラメの「輸出戻し税」制度に手を付けないまま、消費税率のアップや法人税減税を正当化しようとしている政府や財界は、国民経済を破壊するたんに強欲な売国奴だと言うことができる。
年間の還付額が1551億円であるトヨタ自動車は、本来、それがない上に、1551億円−輸出向け仕入れ時支払い消費税額の消費税を納入するのが筋なのである。
(トヨタは黒字だから1551億円から法人税は支払われているが、せいぜい600億円だろう)
A:【消費税=付加価値税の本来的な在り方】
材料納入業者→部品納入業者:納品価格:20万円・預かり消費税:1万円・納入消費税:1万円
部品納入業者→輸出業者:納品価格:50万円・預かり消費税:2万5千円・納入消費税1万5千円
輸出業者:輸出価格:100万円:納入消費税:2万5千円(輸出価格に上乗せするかどうかは自由)
合計消費税額:5万円
B:【消費税=付加価値税の“正しい”輸出戻し税】
材料納入業者→部品納入業者:納品価格:20万円・預かり消費税:1万円・納入消費税:1万円
部品納入業者→輸出業者:納品価格:50万円・預かり消費税:2万5千円・納入消費税1万5千円
輸出業者:輸出価格:100万円:納入消費税:0円:戻し税:2万5千円
合計消費税額:0円
C:【消費税=付加価値税の輸出戻し税廃止(輸出促進に配慮した“優遇税制”】
材料納入業者→部品納入業者:納品価格:20万円・預かり消費税:1万円・納入消費税:1万円
部品納入業者→輸出業者:納品価格:50万円・預かり消費税:2万5千円・納入消費税1万5千円
輸出業者:輸出価格:100万円:納入消費税:0円
合計消費税額:2万5千円
D:【消費税=付加価値税の“現状の”輸出戻し税】
材料納入業者→部品納入業者:納品価格:20万円・預かり消費税:1万円・納入消費税:1万円
部品納入業者→輸出業者:納品価格:50万円・預かり消費税:2万5千円・納入消費税1万5千円
輸出業者:輸出価格:100万円:納入消費税:0円:戻し税:5万円
合計消費税額:−2万5千円
これは、輸出では、本来の消費税負担すなわち国内供給活動と比較して、5万円の利益を得ていることになる。