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(回答先: ここでいうコードは 投稿者 ぷるすうるとら 日時 2003 年 6 月 11 日 16:54:38)
社会寄生という現象
毎年、梅雨時になれば奴らはやってくる。隊列を組み整然と行進して,目的のコロニーを襲撃するのだ。目標とするコロニーから、子供たちを生きたまま略奪し,自分たちのコロニーに持ち帰る。この突然の襲撃者を撃退すべく、抵抗を試みる個体もあるが、最終的には殺戮されてしまう。襲撃の終わった後には、首を切り落とされ、胴体を真っ二つに裂かれた死体の山がのこるのみである。
見た目の社会システムが基本的に同じなので、成長した子供たちは生まれ育ったコロニー社会と、略奪されて運び込まれたコロニーを区別することが出来ない。子供たちが一人前に労働できるようになると、きっちり運び込まれた(略奪者のための)コロニーのために働くのである。別社会のコロニーのために働いていることなど、露知らずに。これは、いわゆる奴隷階級と同じである。しかし、永遠に奴隷階級が生き続けることは出来ない。奴隷個体は寿命が尽きると死絶えて、その数は、日数の経過とともに減少していくのである。
奴隷狩りをするコロニーの個体は、自身で食物を摂取することすら出来ない。奴隷個体に口移しで食物をもらうのだ。ましてや、自ら労働し、食物を探索したり、自分たちの子供を育てることが出来ないのである。ただ可能なことは、奴隷コロニーを襲撃し、抵抗者を殺戮し、子供たちを略奪することだけである。
奴隷個体が減少してくると、自分たちのコロニーの生活を維持することが不可能になるので、斥候部隊を繰り出して,襲撃するのにふさわしいコロニーを探し出し、後日隊列を組み略奪・殺戮を繰り返すのだ。
この略奪者たちをコントロールするのが、一個体の女王である。この女王はどのようにして、奴隷社会を構築したのだろうかあ?オス個体と交尾し、繁殖可能となった新女王は、奴隷として使役できるコロニーに侵入し、コロニー内の兵隊階級の個体の攻撃・抵抗をかわし、コロニーの奥深くまで潜入し、そのコロニーの女王を殺戮するのだ。
侵入されたコロニーの労働階級の個体は女王が入れ替わったことがわからない。だから、自分たちの女王を殺した女王のために以前と変わらず、働き続けるのだ。時間の経過とともに、奴隷個体の数が減って行き、寄生者個体の数が増加して、寄生者は自前でコロニーを維持することが出来ないので、新たな奴隷狩にでかけるのである。
以上の生態は、身近なところで毎年繰り返されている自然の姿である。
略奪者(サムライアリ)は奴隷(クロヤマアリ)を利用する。社会(コロニー)を丸ごとのっとって、社会に寄生する。これは、社会寄生といわれている。これは、社会性昆虫のほんの一例にすぎない。この事実を目にすれば、求心力の実在、コントローラーの存在を意識せずにはいられません。
自然の事実がこのようだからといって、人間はそのように振舞う必要もないし、すべきでないと思う。それは、第二の社会ダーウィニズムである。あくまで、自然界の一現象として楽しんだり、面白がったりして、あくまでもアナロジーとして、人間社会を考察するのは大いに結構なことだ。
こんなところで、いかがでしょう。