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(回答先: 欧州貴族とバイキングWASPによる世界征服と宇宙戦争 投稿者 パリサイサタン@松沢病院 日時 2003 年 5 月 30 日 18:23:06)
今から数年前のソ連崩壊後のロシア経済の状態に関する本な
んかを読んでいると、東欧から中央アジアにかけての広範な天
然ガスの埋蔵地域とそのパイプラインルート(既に存在するも
のと計画・交渉中のもの両方)が図示されている一覧マップを
見ることができます。
そのマップを眺めていると、人類の未来のエネルギーとして
有望視されている天然ガスの権益と英米のアフガン侵略とは到
底無関係とは思われなくなってくるのです。
ロシアや中央アジア諸国は、ソ連の崩壊とその後の経済的混
乱と不振のため自国の天然ガス資源を開発し生産・供給し商売
するための資本や技術・ノウハウに著しく困窮していました。
そこで彼らは自国の産業を西側諸国の大資本と提携させ、外国
資本と共同して出資・開発・経営して、権益を分け合う形で国
内の天然ガスなどの資源を自国経済のために活用せざるをえな
いわけです。
それにしても、数年前の時点では中央アジア諸国で採掘され
た天然ガスのパイプラインがロシアを通過する場合、ロシアは
自国の天然ガス産業の利益などの都合のため、通過料金か何か
を利用した制限を課してくるので、アフガニスタン・パキスタ
ンを通過し港へ送る新しいルートの建設に関して地域の諸政権
と欧米資本との交渉が始まっていたそうです。
そのように「経営的」に考えなくても、未来のエネルギーで
ある天然ガスがロシアを通過することによって、「物理的」に
ロシアの手の内に置かれるのは西側諸国・大資本にとって不都
合なことでしょう。あの英米のアフガン侵略の背景にはあの地
域を自分たちの支配下に置くことによって、未来の安定したエ
ネルギー覇権を「物理的」・「軍事的」に固める必要性もあっ
たのではないでしょうか。私は近年の英米の国際政治・軍事に
おける行動の中には純粋に経済的・経営的な基準によっては理
解しきれないものが多いと思っています。
もしも、エネルギー資源というものを貨幣との交換価値から
のみ見るならば、ピカチュー人形と同じ単なる「商品」でしか
ありません。しかし、それは商品である以前に特有のエネルギ
ー源としての使用価値をもっているのであって、それが「人間
にとっての必需品」であり「戦略物資」として用いられるかぎ
り、あなたの言うような「お金で解決でき」るものとは正反対
の存在なのです。
だから、「アフガンにおける天然ガスパイプライン権益」も
「イラクにおける石油権益」も経営的な基準だけから理解しよ
うとするべきではないと考えているのです。戦後のアフガンも
イラクも英米企業の活動にとっては安全なところではなくなる
ことは英米側には予想できていたはずです。
私は英米側は長期的な「(軍事)地政学」的な視点に立脚し
た世界エネルギー戦略を断固たる意思をもって発動し押し進め
ているのだと考えます。だから英米のエネルギー戦略が資本主
義的ルールの上での「商売」の拡張だと思うと理解できなくな
るはずなのです。それはもっとも原始的で暴力的な「帝国主義
」なのです。
英米系地政学では東欧から中央アジアにかけての広範な地域
は「世界の中心」(ハートランド)として、全世界の覇権を握
るためには支配下に置かなければならない地域として位置づけ
られています。
彼ら(英米系諸国家の各種軍隊・情報機関と結びついた旧貴
族を含む英米欧の独占資本家グループ)は貨幣システムの力や
その魔術だけで世界を支配しようとしているのではないと思い
ます。エネルギーと食料という人間生活に欠かせない「ハード
」と、情報という大多数の人間の思考や行動を決定的に左右す
る「ソフト」を手段を選ばずに独占することによって、未来の
人類・諸国家を支配しようという方針を彼らはもっているので
はないでしょうか。
彼らは今後自らの世界支配の手段として直接的暴力装置であ
る「軍事力」と暗殺などの「テロリズム」を前面に押し出して
くるだろう、と私は英米のアフガン侵略の頃には予測していま
したが、今までのところその予測は当たっています。
「独裁者退治」と「テロへの対応」の名目で英米が軍事行動
を起こしていくことの国際政治における意味は明白です。アメ
リカの恫喝で世界各国を「対テロ戦争」に巻き込み、その軍事
行動を承認させていけば、アメリカの世界支配力を強めること
になるということです。極端な話、アメリカにとって不都合な
存在、もしくは強引にアメリカの攻撃対象に指定された国家お
よび個人は、全て「自由の敵であるテロリスト」の烙印を押さ
れ、いつでもどこでも軍事攻撃・逮捕・監禁・暗殺・資産凍結
等の対象となるということです。
こうしたことから、だいぶ前から私には「イラク攻撃」が世
界各国をアメリカが引き込む形で行われることは予測していま
した。しかし、嬉しいことに独仏中露は簡単にアメリカの言い
なりにはなりませんでした。本当は諸大国の承認のもとに世界
連合軍の中心となって独裁国イラク征伐を行い、国家主権を超
越した超権力を確立して世界に堂々と君臨したかったのでしょ
うから、彼らの計画にとっては大きな痛手となったはずです。
言いなりにならなかった動機が何であろうと、そこで生じた国
際的亀裂が英米世界帝国成立への重大な障害となっていること
は高く評価するべきです。
私は彼らは自分たちの今後の世界支配・管理体制の中に、ロ
シアと中国共産党を滅ぼすのではなく、自分たちに従わせる形
で組み入れようとしているのだと思います。そのためには何ら
かのアメ(利益)とムチ(恫喝)を使うのでしょう。あれだけ
の大国を軍事攻撃で解体し屈服させることは現実的には多くの
困難を伴うでしょうし、効率的なやりかたでもないと彼らは考
えていると思います。
ただし中国に関しては、日中関係を悪化させて日本を前面に
押し立て、日米の軍事力で破壊するという方針もありそうです
。主な費用と被害は日本人がひき受けるという形で。
ないない。リスクがデカ過ぎる。そこまでやるメリットなし。そんな事したら、日米の経済が潰れてしまうからな。大国とは友好だ。中国は軍事力では潰せん。アメリカもそれぐらいは分かっている。仮にそれをした場合・・・、って昔の日中戦争でどれだけ金かかったかとか知ってれば、それを今更やる馬鹿はいないよ。ネオコンもそこまで馬鹿ではあるまいが。