現在地 HOME > 掲示板
> 議論１１ > 1105.html
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
> 議論１１ > 1105.html
★阿修羅♪
|
|
(回答先: 私の名前が出されているので 投稿者 たこ 日時 2003 年 7 月 15 日 12:05:03)
裕仁の戦争責任を拒否する論は、一般には、裕仁捺印機論か戦争肯定論ですが（または両者の併用）、これらに単純に依拠されないDdog氏は、ちょっと苦労しておられますね。後述のように、サンフランシスコ条約を論拠にされるのは、ちょっと無理です。
何度も説明しましたが（たとえば、「再びリアルな歴史認識と裕仁の戦争責任」http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/615.html）、裕仁は開戦や継戦、そして降伏を主体的に決断した政治家です。裕仁が政治決定に関与していたという点では、Ddog氏とも大きな差がなさそうです。この例として女官制度改革を挙げながら、作戦に関する「御下問」を「その多くは戦況を尋ねる範囲を逸脱してはいない」とされるのは理解できませんね。「御下問」や「御内意」を通じた裕仁の政治関与については、説明したつもりです。
「聖断」については、私は開戦の例と同様の昭和期の政治過程のひとつとしますが（さらにリアルな認識http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/738.html）、これを特別視する論は、「大東亜戦争」を賛美する戦争肯定論とは整合性が悪いですね。Ddog氏の発言には、不可避論に近いご主張はありますが、戦争肯定論ではなさそうです。（「大東亜戦争」肯定論は、書記長氏の「「天皇の戦争責任」なる概念のあいまいさ」http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/960.htmlとそれへのコメントをご参照ください。）
言うまでもないことですが、条約は国家間の合意文書です。「責任を追及しない」という国家間の合意は可能ですが、これは、損害賠償や処罰などを求めないとする意味です。その意味では、法的責任不追求の合意です。サンフランシスコ条約によって、東京裁判の結果を承認すること等の内容を含み、戦時賠償などについても決着しています（もちろん条約締結国間に限る）。
しかし、これは、法的責任の存否とも関係ありません。条約そのものが法的責任の根拠たる法規範となることもありますが（たとえば不戦条約）、行為当時の法規範に照らして違法とするのが法的責任ですから、後の条約でこの存否を定め得るものではありません。法的責任の不追求を条約で定め得るだけです。
「政治的責任」については、Ddog氏はその意義を明示しておられないようです。私は、「行為の否定的評価で、その評価が法規範に基づかないもの」としております。私は、裕仁の政治的責任を追及しております。（条約の存否と関係なく、裕仁の法的責任の追求は、同人の死亡によってすでに不可能となっております。念のため。）これを「道義的結果責任」と言い換えられた真意はわかりませんが、「結果責任」とすることによって、戦争関与の行為を不問とし、敗戦の結果にのみ責任を限局する意図なら、文意に反する不当な言い換えです。
「昭和天皇は責任意識が強く」は別段の反論はいたしません。私は、「勝算もない無益な戦争による破壊的な損失をいとわず「決戦」を呼号させたのは、旧憲法に対する誠実さである」としております（前述の「さらにリアルな認識」http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/738.html）。裕仁は彼なりに誠実な政治家です。
ある人物の「人徳」を問題としているわけではありません。また、「反省」や「退位」などは、責任追及に応じる対応であって、責任そのものとは関係ありません。裕仁が退位しても、当該戦争が不当なものであり、裕仁がこれに関与しているなら、その政治的責任は免れません。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。