現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ28 > 696.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: ライク戦争対米追従に異議の手紙を小泉に出していたレバノン全権大使、小泉によって解雇処分にされていた!!これじゃ霞ヶ関はもう自由な議論ができなくなった! 投稿者 テトラ数字 日時 2003 年 9 月 09 日 03:20:13)
http://www.meij.or.jp/information/Stories/stories.htm#lebanon
http://www.meij.or.jp/countries/lebanon/amaki92.htm
レバノンより
〜 そして戦争が始まった〜
駐レバノン特命全権大使 天木 直人
2003年3月20日は忘れられない日となろう。中東外交史上においてもそして私の34年余の外交官人生においても。
米国のイラク攻撃が始まって2日目のバグダード大攻撃は余りにも衝撃的であった。「衝撃と恐怖」作戦であると言う。その爆撃音と破壊力を見せつけて心理的に戦力を萎えさせる作戦だと言う。これほど人間性を否定した行為があろうか。そしてまもなくバグダード攻略の名の下に想像もつかない惨事が繰り広げられようとしている。
テレビ画面を通じて飛び込んでくる破壊的行為に目を背けることなく直視し続けながら私は戦争とは外交の対極にあるコンセプトであると今更ながら思い知った。何があってもこのような事態を避ける、それが外交なのだ。
私が中東の小国レバノンに赴任して2年間レバノン人は驚くほど親日的であった。勤勉、礼儀深さ、伝統を重んじる日本、広島の被爆体験から平和の尊さを最も知っている日本、その日本こそアラブの心をよく理解してくれるに違いない、中東紛争に手を染めていない日本こそ中東和平にイニシアチブを取ってもらいたい。私はこのようなレバノン人の好意に支えられて日本大使の職務をこれまで勤めることが出来たのである。
ところが今回の米国の対イラク戦争の決定に対しこれを支持すると小泉首相の言葉が当地で繰り返し報道されるや政府の要人と民間人とを問わず逢う人と全てが「日本の態度には驚き、失望した。日本こそは米国と違ってアラブの気持ちがわかる友人であると信じていたのに。何かの間違いではないか。日本がそんな態度をとるはずが無いと信じたい」と私に語るのである。見知らぬレバノン人から抗議の電話がかかってきた。こんなことは過去2年間一度足りとも無かった。
それでもレバノン人は私に親切である。怒った顔で抗議するのではなく如何にも寂しい表情で残念だ、残念だと言うのである。私の心は引き裂かれる痛みと悲しみを感じる。
ミサイルによって崩壊された瓦礫の破片を積み上げるように私はレバノンにおいてもう一度始めから中東外交の破片の一つ一つを積み上げていきたい、その思いでレバノン便りを書き続けて行こうと思う。
2003年3月23日記