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(回答先: フロリダ州タンパ警察が、顔認識システムを廃止 C-net 投稿者 小耳 日時 2003 年 8 月 27 日 17:52:13)
監視カメラの増殖進化と「不自由」 犯罪多発で導入進む電子の目
http://www.asahi.com/housing/zasshi/TKY200308200179.html
犯罪は未然に防ぎたい。でも、だれかに見られ続けることには抵抗感も。
そんな議論もあるなか、特定の人物を瞬時に割り出す技術も現れた。(編集部・瀬川茂子)
◇
「今日はだれもいませんな。変な人がいればすぐにわかります」
渡辺貞夫さん(62)は自宅のパソコンをのぞき込んだ。写っているのは近所の公園だ。クリックすると、全景だけでなく、砂場や鉄棒付近などの拡大画像にも切り替えることができる。
日本初の「タウンセキュリティー」を導入した大阪府岬町の住宅分譲地。ここには公園と道路に計3台のカメラが設置されている。カメラが写す街の様子は各戸に備え付けのパソコンで見ることができる。渡辺さんによると、 「顔の細かい表情まではわからないが、知っている顔ならすぐわかります」
○「住民が相互に見守る」
昨年5月に分譲開始、今は約100戸が入居ずみだ。いずれは約600戸の街になる。警備員が24時間巡回し、各家庭は空き巣などを感知するセンサーを備えている。渡辺さんは定年後、空気がよくて安全に暮らせる街がいいと引っ越してきた。自治会の区長として1日2回、「自主巡回」をして、会う人ごとに声をかける。自宅では時々、カメラ画像で街の様子を見る。
3月にこの街に引っ越してきた小寺久志さん(28)は4人の子の父親だ。
「近所の人に子どもを守ろうという意識があるので安心。もう少し大きくなったら、子どもだけで公園で遊ばせて、親はカメラを時々のぞくこともできるかな」
プライバシーに配慮して、警備員はモニターを見ず、録画もしない。分譲地を販売する積水ハウスによると、カメラの効用は「住民自らが相互に見守ることでセキュリティー意識が向上する」。
鹿児島市の繁華街・天文館でも今秋、中央地区商店街振興組合連合会が防犯カメラを49台置く予定だ。ショーウインドーを割る、落書き、アーケード内を車で通るなどの迷惑行為が目立つようになり、自警団による夜警などを試みたが限界があった。
ところが市議会でプライバシー保護の点から議論になった。連合会の菊池俊一事務局長は話す。
「防犯と人権のかねあいがむずかしい。厳しい内規をつくり納得してもらった」
リアルタイムの監視はしない。録画は午後5時から朝9時まで。1週間で上書きして前の記録を消す。運営委員会を作り、さらにその委員会は第三者のチェックを受ける。原則として商店街が警察に被害届を出す場合のみ警察に画像を提供するなどだ。
犯罪件数の増加とともに防犯カメラの数は増えている。日本防犯設備協会の推定によると、防犯カメラと周辺機器の国内市場は98年の897億円から2002年の1506億円に増えた。
繁華街にまとまった数のカメラを設置する例も増えている。昨年は警視庁が新宿歌舞伎町に50台の防犯カメラを置いた。効果があったのか、設置後1年間の刑法犯は571件と前年より85件減った。今年度は池袋と渋谷にも設置する。
○数千人分を1秒で照合
現在の防犯カメラはハードディスクなどに直接画像を保存していくデジタル記録式が多い。アナログの防犯ビデオのようなテープの入れ替えは不要で、繰り返し使っても画像は劣化しない。印刷もコピーも伝送も簡単にできる。
防犯機器メーカーのクマヒラによると、目的に応じたさまざまなシステム設定も可能だ。ハードディスク容量に応じて画像を粗くし、記録可能なコマ数を増やす。センサーと組み合わせて人が動いたときだけ録画する。画像データを暗号化して改竄を防ぐ。カードキーで入室する部屋で、キー操作の記録と操作した人の顔を同時に残す……。
「商品にセンサーをつけて、誰かが触ったら、触る5秒前にさかのぼって画像を保存する設定も可能です」(クマヒラ)
焦点ぼけやぶれのある画像をはっきりさせる技術もある。京都工芸繊維大の藤田和弘助教授は、走っている車のナンバープレートの読み取りはできなくても、候補の数字を絞り込む手法を開発した。
ブラックリストの人物を空港の監視カメラが見つけ出す。登録した顔だけが出入りできるといったシステムも進歩している。
ニコンシステムは、カメラがとらえた動画から顔を認識し、あらかじめ登録した顔データベースと照合する認識システムを販売している。画像から顔の幅、唇の厚さ、眉の太さ、目尻の角度といった顔の特徴を抽出して数値化し、データベースの中で一致度が高いものを選び出す。
カメラに複数の人が映っても検出できる。
数千人分の顔データを登録して1秒以内に照合できるシステムが売れているという。コンピューターの性能を変えて登録顔の数は増やせる。
○「自主規制では不安も」
「将来は、年齢や男女識別ソフトと組み合わせて商業施設に来る人の年齢調査、表情識別ソフトと組み合わせて広告をみた人の反応把握など、マーケティング分野への応用が可能ではないかと思う」 とニコンシステム第一営業部の岡田啓治さんは言う。
防犯カメラ設置の動きが広がり、犯罪抑止や捜査に役立つことが強調されることに対し、よい面だけが強調されるのは疑問と声を上げる市民グループもある。監視社会を拒否する会(東京)の飯島和夫さんは話す。
「すべての通行人を無断で撮影して記録する街角のカメラには、設置主体や運営方法がはっきりしていないものも多い。民間が設置し警察がモニターしているものもある。画像記録がほかの目的で使われていないか、自主規制だけでは不安だ」
東京都杉並区は専門家会議を開き、監視カメラの設置基準の条例案を検討する予定だ。画像記録をいかに監視するのか。本格的なルール作りはこれからだ。
(AERA:2003年8月4日号)