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[宇宙開発計画]「未来へ向け技術力の基盤を築け」
宇宙開発はもはや、夢を語っていればいい時代ではない。文部科学省の宇宙開発委員会が、そうした厳しい認識に立った宇宙開発長期計画をまとめた。
一九九四年にも同様の計画が策定された。宇宙観光旅行がすぐにも実現するかのような夢にあふれていた。
今回は、財政難で細った宇宙開発予算と、「宇宙開発は構造不況業種」とする産業界の不満が影を落としている。
欧米などに比べ、日本では、宇宙開発が材料開発などの新産業になかなかつながらない。ロケット開発でまず世界に並ぶことに力点が置かれてきたためだ。
計画は、産業界の声に応えて「経済社会への貢献」を柱の一つに掲げた。
既に、国産ロケットH2Aの民間移管や、日本など十五か国が参加する国際宇宙ステーションで日本実験棟の運用を民間に任せることが決まっている。
技術の民間移転や、「産学官」による共同研究、事業推進などのための仕組みの構築もうたっている。
この枠組みの下で、地球環境問題に対応するため、人工衛星による地球観測を強化する。ロボット技術を使った宇宙活動や、宇宙ステーションに物資輸送するためのH2A増強型の開発にも挑む。
予算縮小で効率を上げることが求められる中、産学官協力の方針を打ち出したことは当然といえる。事業の無駄な重複などは避けねばならない。
だが、この計画だけで、縦割り行政の壁をうち破れるだろうか。
計画は、宇宙開発事業団など三機関が十月に統合する宇宙航空研究開発機構が実施する。格安の衛星開発を目指す経済産業省や、気象衛星を担当する国土交通省などとも連携が欠かせない。
司令塔が必要だろう。内閣府の総合科学技術会議が、そうした調整に当たることも一つの考えである。
日本は、九八年から二〇〇〇年にかけて相次いでH2ロケットなどの打ち上げに失敗した。その後、新鋭H2Aの打ち上げに五回連続で成功したが、宇宙技術への信頼度はまだ十分でない。
国際的にも宇宙開発を巡る情勢は厳しい。欧米の宇宙産業も赤字にあえいでいる。人工衛星の打ち上げが減り、ロケットが商業的に成り立たないからだ。
宇宙開発は、成果が得られるまで時間がかかり、リスクも大きい。日本も、国の関与がなくなれば失速してしまう。
ロケットなどの宇宙技術は、総合力がものをいう。いったん技術が途切れれば世界に後れをとる。情勢は厳しいが、今は雌伏の時といえる。将来に向け、技術の基盤を築くことが大切だ。
(2003/8/24/23:15 読売新聞 無断転載禁止)
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財政難といえ宇宙開発用の純国産ロケットで、国産旅客機のYS−11就航以来、後継機の国産開発が頓挫してしまった二の舞は避けたいところでしょう。
話しは変りますが、北米−カナダ圏の大停電(Blackout)の原因は解明されたのでしょうか、気にかかります。