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地上2000m超々高層ビル計画の噂 伏木亨
http://news.msn.co.jp/217336.armx
横浜ランドマークタワー、六本木ヒルズに続いて、密かに超高層ビルの計画が進んでいる。そんな噂が流れたのは数年前からであった。地上54階238メ ートルの六本木ヒルズの10倍の高さ。2000メートルを超えるという。
これも噂では中堅ゼネコン数社が名を連ねているらしいが、構想の規模から見て不釣り合いだ。バックは外資系資本ではないかと噂が流れるが、ほとんど全てが謎であった。
場所も判然としない。都内には候補地は多数あるが特定はできない。
この不況はいわば精神的な病理だとする一部シンクタンク集団が仕組んだ心理作戦という話もある。これに比べりゃ2003年問題なんて小さい話だと煙に巻く高等な意図があるとうがった見方もある。
高さ自体は荒唐無稽ではない。かつて1000メートル級の超高層ビル建設の計画が実際にあった。800階建て4000メートルというプランもバブル期には話題に上った。現在でも500メートルを超すビルの構想はあるが今回の噂はそれらとも違う。
シカゴのシアーズタワーや上海のジン・マオビルなど400メートルを超すビルではしばしば最上階が雲に隠れるが、噂のビルの上階は常時雲の上らしい。
●噂は広がった。
噂は拡大し、完成予想図を掲げたミニコミ誌まで登場した。スリムな3本のビルが正三角形に連結している。中ほどに展望の利くプラットホームがあるところなど、未来都市空間である。続いて、先鋭的な若手の建築家フォーラムが、あくまで実験と断りながらもかなり現実的な予想図をHP上にUPした。工法の革新にまで言及している。このフォーラムはその後もいくつもの超高層ビルのモデルを提示し続けており、さながら若手のコンペ状態となった。今や建築専門誌の話題である。
おりしも、台湾が508m、101階建の世界最高層ビルをほぼ完成させたことがニュースとなり、謎の超高層ビルはさらに現実味を増す。
巷は例によって賛否両論である
「2000mってスゴイいじゃないの。ニッポンにもそんな技術があることを証明してよ」
「マレーシアや台北が世界一を競ってるんでしょ。もっと画期的な高さがほしいね」
「上の方に住んでみたい。富士山なんて見えるんでしょうねえ」
「またぞろ、バブルの亡霊だね」
「2003年問題て知ってる?空室だらけになるぞ」
「景気の悪い時代だから、こんな話があっても」
「いろんなお店が出店するんでしょうねえ。楽しみだわ」
政府筋は根も葉もないと完全否定したが、信じる人はいない。「少なくとも首都移転よりは現実味があるのでは」という質問に対する含み笑いに意味があると
反対に勘ぐられてしまった。
都庁幹部は「本当なら、高級カジノも加えてほしいですな」と取り合わない。
●首都周辺の人間が、バーチャルなビルを構築しだした
もう、現実味なんてどうでもいい。首都周辺の人間が、バーチャルなビルを構築しだした。思えばここ何年も地震だとか停電だとか、暗い話ばかりを聞かされてきた。そろそろ一発景気のいいのに参加したい。
はやりの『セレブ』なんてのも貧乏くさい。
東京の文化拠点と鳴り物入りでオープンした六本木のビルがどうやら過去のバブルの残像に過ぎないことに気がつきだした人々は、満たされぬ究極を求めた。
上の方の階には、各国の主要ホテルのスイートルームを再現するという話もある。
最上階には、いくつかの、ペントハウスが売り出されそうであること。その価格は、想像を絶するものになるであろうことも噂に上った。出入りは屋上のヘリポートが利用されるであろうという。これに連動する都内高層ビルのヘリポート網計画も出ているらしい。
「簡単には手の届きそうもない目標がほしい」
「いつか自分も、、そんな思いが昔はあったね。」
地下鉄では、ビジネスマンの話題にもなった。
噂の超高層ビル、3次元感覚のファッション時代、と特集を組む先鋭ファッション誌も数社ではない。
都心のコーヒーショップでも話題の中心であった。
「どーしよう、まだ六本木にも行ってないのよ」
「ケーキだったらQQは絶対お店出すよね。ライバルのGGもきっとよ。パティシエの奪い合いね」
「関西からも来るってさ」
「WWは六本木ヒルズに出してるから、今度は無理でしょ。KKなんか案外やるかもね」
「そうそう、雑誌に予想が出てた」
「上の方にホテルの高級スイートがいっぱいできるそうよ。階下のレストランも凄いみたい。何を着て行くか困ってしまいそう。」
「ね、タレントのRがペントハウス予約したって噂よ。」
「噂のSあたりを連れ込むんじゃあないの。いいよね」
「きっと結構式場もできるね。私たち間に合うかしら。」
「今度できたら近くに引っ越す。かわいい犬つれて散歩したいもんね。」
「ラウンジじゃあコーヒー1杯が3000円だそうだよ。噂だけど。場所だねえ」
「ブルゴーニュのワイン商が高級レストラン作るらしいよ。ソムリエ仲間では評判らしい。地下3階は全部ワインセラーだって」
「星のついたレストランを10年で30育成するのが目標って誰か言ってたよ。」
「特殊法人なんかが最後の贅沢だって出資するってのもありかな。」
「しばらくして105万円くらいで投げ売りされたら、買っちゃおうかしら。」
海外各紙は、噂にすぎないと断りながらも、懲りないニッポンのバブル指向と揶揄した。
夢でも見るしかないのさ、と上海のビジネス街は冷ややかに見た。
●関西では、2500mのビル計画
そんな中で、突然、関西から驚きのニュースが飛び込んだ。
スポーツ紙の裏面であったが、首都圏で噂が沸騰している渦中だ。
『全長2500メートルのビル。大阪・兵庫県境付近か。』
『G vs Tに続く東西対決の様相』
いかにもスポーツ新聞らしい。
「こりゃあ、おもしろいな。2500メートルときたぞ」
「今年は大阪も元気がいいからね」
「しかも食の関係が大半らしい」
「でも、ハイレベルのテナント揃えられるのかしら」
「神戸があるからね。強敵かも」
日本国中で高層ビルラッシュか、というざわめききは、続く第二報で息をのむことになった。
『全長2500m、高さは約10メートル』
つまり、噂のビルを横倒しにして地上にへばりつけたものらしい。
「黒門市場か法善寺横町みたいなもんでんな」
たしかに、第一報でも、小さな活字で『全長』となっている。
「首を横に曲げたら、世界一の高層ビル」
近郊の魚・青果市場を誘致し、同時に、市場には出ない瀬戸内の魚介類や青果を集め観光客相手ではない朝市が目玉。巨大な朝市で近郊の生産物を掘り起こす計画という。
下駄履きで来られる生活者の路地。
地元の食文化の底上げを支援するという。
地に足が着いた話だと、地元では喝采を浴びた。
(全部、フィクションです)