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人間の寿命は何歳まで延びるか――科学者の意見が対立
ワイアード・ニュース・レポート
2003年7月20日 11:06am PT サンフランシスコ発――想像してみてほしい。あと100年以上生きるとしたらどうだろう。一部の専門家が19日(米国時間)、人間はいつか科学の進歩により、自然な寿命の限界と現在考えられている年齢より、数十年は長生きできるようになると発言した。
未来に関する本を2冊執筆している、ニュージャージー州モントクレア州立大学のマイケル・ゼイ教授(経営学)は次のように述べている。「われわれは不死のすぐ近くまで来ていると思う。2075年までにはそれが現実になるだろう――もっと早く実現することも大いにあり得る」
ゼイ教授は、サンフランシスコで開催された『世界未来学会』の年次会議に顔を出した際に、この意見を述べた。この学会は、社会のさまざまな面からみて、未来がどのようになるかを考察している。
会議で講演を行なった、ニュージャージー州立医科大学(ニューアーク)のドナルド・ルリア教授は、細胞や遺伝子の操作、そしてナノテクノロジーの進歩によって、人間は将来、これまで寿命の限界とされてきた年齢より長く生きるだろうと述べている。
「10年前にSFだったことが、今はもうSFではない」
「昨今の劇的で急激な技術発展のおかげで、人間は120歳から180歳まで生きられるようになるだろう。一部の専門家は限界などなく、200歳、300歳、あるいは500歳まで生きられると主張している」とルリア教授は語った。
会議に参加していない老化専門の多数の科学者たちは、このような主張に懐疑的だ。人間の体は120年以上も持つように作られてはいないと彼らは述べる。生活スタイルが健康的になり、病気が減ったとしても、脳などの器官の機能停止が、結局人間に死の運命をもたらすとといのが、大方の科学者の意見だ。
100歳以上の高齢者を対象とした最大規模の調査、『ニューイングランド長寿研究』(New England Centenarian Study)を率いているトーマス・パールズ氏は、次のように述べている。「このような人々は、世界人口の大多数が、現在の寿命を超えて生きられるようになるかのように得意げに語っている。しかし、全く現実性がない。これは全くのSFだ」
「われわれは人間の身体能力が到達できる限界に、猛スピードで近づきつつある。平均的な人の寿命を100歳にする、あるいは180歳まで延ばすことは、スペースシャトルを冥王星に到達させようとするようなものだ」とパールズ氏は電話インタビューで語った。
『デューク大学医療センター』加齢・人間発達研究センター(Center for the Study of Aging and Human Development)のハーベイ・コーエン所長によると、人間の寿命が飛躍的に延びるかどうかは、遺伝子を操作して、老化にともなう身体障害の発生のあり方を変えられるかどうかにかかっているという。
「近い将来に実現しないことは明らかだ。可能性があることは間違いないが、現在のところ実現の方向性を示せるデータがない」とコーエン所長は電話インタビューで述べた。
超高齢者が送ると思われる生活についても、科学者たちの意見は異なっている。
『ジョージア大学老年学センター』のレナード・プーン所長は、「たとえば120歳を超えた場合、生活の質を高く保てるだけの健康状態を維持できるかどうかはわからない。現在では120歳を超えると、健康状態は非常に悪くなる」と述べている。
ジョージア州内で150人以上の100歳を超えた高齢者の研究を率いているプーン所長は、フランスのジャンヌ・ルイーズ・カルマンさんのケースを例に説明している。カルマンさんは1997年に122歳で亡くなった、人類最長寿記録の保持者だ。
「カルモンさんは122歳のとき、かなり衰弱していた。私は、カルモンさんが119歳のときフランスに会いに行ったが、目はほとんど見えず、耳も非常に遠くなっていた」とプーン所長は語った。
[日本語版:天野美保/湯田賢司]
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030725308.html