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飛行中の携帯電話使用を可能にするシステムが特許取得
Elisa Batista
2003年7月14日 2:00am PT 機内は満席で賑やかだ。子どもたちは『ゲームボーイ』に挑みかかる。ビジネス客はノートパソコンのキーボードを叩きつづける。さらに、乗客たちは大声で話している――乗客どうしではなく、携帯電話を使って。
こんな旅客便に乗りたいと思うだろうか。
機内通信システムを扱うエアセル社(コロラド州ルイスビル)は、そうした需要があると考えているようだ。同社は、フライト中に乗客が携帯電話を使ってどこへでも通話できるようにする装置を開発している。8日(米国時間)に特許を取得したばかりで、来年前半には航空路線で実地テストを開始したいという。
「航空機と地上との通話を扱う通信事業者が多数、このシステムに関心を持ちはじめている」と、エアセル社のビル・ペルトラ副社長(販売・マーケティング担当)は語る。「航空業界では、機内で乗客が自分のワイヤレス機器を使えるようにしたいという気運が高まっている」
これまで政府当局は、いくつかの理由から、飛行中の機内における携帯電話の使用を禁止してきた。米連邦航空局(FAA)は、航空機の航行装置に干渉する可能性があるとして、携帯電話の使用を制限している。米連邦通信委員会(FCC)は、高空で携帯電話を使うと信号が地上にあるいくつものアンテナ塔に同時発信され、通信網全体に遅滞を生じさせるとして、高度約1万メートルの機内における利用を禁止している。
エアセル社によると、同社の機器はこれら2つの問題に対処できるという。この装置は、複数のアンテナを内蔵した箱からなり、携帯電話から出る信号の強さをアンテナが制御するため、航空機に搭載されている計器類に干渉しない。また、携帯電話の信号は、エアセル社が地上に設置したアンテナ塔135基にを送られるため、他社の通信網を妨害することもない。
「わが社のシステムは、機内の携帯電話からの信号を受け、『了解、そちらの位置はここから9メートルしか離れていないので、最低出力レベルにしよう』というように対応する。ところが現在は、携帯電話が自分で窓から見下ろして30キロ以上も離れたアンテナ塔を探し出し、最高出力で信号を発してしまう」とペルトラ副社長。
通話料は1分当たり1ドル50セントを超えることはなく、一部の航空機にすでに設置されている座席背面の電話によくあるような別途接続料はかからないと、ペルトラ副社長は説明する。
FCCの担当官によると、エアセル社は規制の適用除外を申請できるが、申請しても3ヵ月以内に許可されるかどうかはわからないという。FAAにもコメントを求めたが、返答は得られていない。
とはいえ、乗客が長距離フライトの苛立ちをもう1つ増やしたいと望むかどうかは、また別の話だ。機内における携帯電話の使用は、エチケット・コラムニストにこの先何年も仕事の種を提供するだろう。
「多くの乗客は、FAAやFCCの規制がなくなれば、機内で携帯電話を使いたいと思うだろう」と、米アメリカン航空の広報担当者は話す。「乗客の一部――大勢――が、同僚や家族や友人たちと可能な限り連絡を取りたがっている」
アメリカン航空は、FAAとFCCが規制を緩和すれば、機内での通話を認めるつもりだという。
異なる受け止め方をしている人もいる。
「乗客として、空の旅の素晴らしい点の1つは――ビジネス客が同意するか否かはともかく――誰からも呼び出されない2時間を確保できることだ」と、米フロンティア航空の広報担当者は話す。「誰からの電話も受けられないからこそ、何か他のこと、たとえば本を読んだりできるかもしれない」
「逃げ場がまた1つ減る」とこの広報担当者は語った。
[日本語版:中沢 滋/高森郁哉]
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030716302.html