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(回答先: Re: ホモサピエンスの雄雌平等化は進化系統上の必然 投稿者 ゾ・バン 日時 2003 年 7 月 15 日 17:17:13)
はじめまして、ゾ・バンさん。
「ホモサピエンスの雄雌平等化は進化系統上の必然」だろうかということですが、この問いに対する答えは私には簡単には出せません。ここではホモ・サピエンスにいたる進化の過程で一夫一婦制は一夫多妻制に比して生物種として優位であったということについて、簡単に私見を述べます。
一見、後者の方が雄の優秀な遺伝子を残し得るために種として優位であるかに見えます。しかしながらこれは安定した環境が継続した場合においてのみであり、環境が激変した場合には後者は脆弱な種となり、絶滅の危険性が大きくなります。
何故なら一夫一婦制であれば雄の遺伝子は大規模に攪拌されて子孫に伝わりより多様な形質の子孫を残すことになりますが、一夫多妻制であればより少ない雄の遺伝子しか子孫に残しえず、子孫の多様性において一夫一婦制に劣ります。そのような理由で、一夫多妻制をとるゴリラ、チンパンジーに比して一夫一婦制をとるホモ・サピエンスの方が生物種としてより優位ということになるのではないでしょうか。
今回のケント大の研究で、この一夫一婦制の起源を300〜400万年前のアファール猿人(=アウストラロピテクス・アファレンシス)にまで遡った点で注目すべきものです。
現代社会のホモ・サピエンスの婚姻形態は概ね一夫一婦制ですが、一部それとは異なる婚姻形態(一夫多妻制など)も存在します。
しかし、現在も残る一夫多妻制などは文化的理由で歴史上二次的に生じた形態ではないかと考えています。
最後にこのケント大の研究について「変だな」と思うのは、アファール猿人の男女の体格差はチンパンジーの場合より大きいと書かれている点です。チンパンジーは一夫多妻制だと思いますので、そうであればアファール猿人一夫多妻制の筈ですが。
(ボノボは一夫一婦制だったような気もします。)