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総選挙を控えたプーチンの「財閥ならし」
JULY 06, 2003 21:43
by 金起顯 (kimkihy@donga.com)
ロシアのプーチン大統領が12月の総選挙と来年初めの大統領選挙を控え、本格的な「財界ならし」に取り掛かった。
ロシア検察は4日、ロシア最大手の石油会社ユコスのミハイル・ホドロフスキ会長(39)を取り調べた。ところが、僅か2時間で釈放したため、実際に疑いがあったというよりは、財界への強い警告を伝えたものとの分析が出ている。
ホドロフスキ会長は、個人資産総額80億ドルの資産家で、ロシア一の財力を持つ企業家として、日ごろ反プーチン性向を隠さなかった。ホドロフスキ会長は、プーチン大統領が総選挙を前に結成した「一つのロシア党」に背を向け、大企業寄り右派連合(SPS)とヤブロコ党などを支援してきたほか、プーチン大統領の潜在的競争相手であるミハイル・カシヤノフ首相とも懇意にしていることが知られている。
この日、ユコス社の大株主レオニド・ネズブリン(43)氏も検察の召喚を受け、取り調べの後に一旦、釈放された。
しかし、3日検察に召喚されていたメタテフ銀行のプラトン・レべデフ会長(46)は、逮捕された。ホドロフスキ会長の知人とされるこの2人は、フォーブス誌が選定した世界の長者500人に入る富豪だという。
ヤブロコ党のヤブリンスキ党首は、今回の事件を「政治的清掃作業」だとして非難した。プーチン大統領が財界の掌握に乗り出したのは、近年、政府の統制から外れるほど影響力が拡大しつつある大企業をけん制するための意図のようにみられる。
ホドロフスキ会長が率いるユスコ社は、東シベリアのパイプライン建設をめぐり、プーチン政権と争いを引き起こしてきた。プーチン政権は極東ラインを、ユスコ社は中国ラインを主張している。その上、ユスコ社は年末をメドに、大手精油会社のシブネフティを合併し、世界第4位の石油メジャーとして浮上する計画を持っていることから、プーチン政権としては「これ以上大きくなる前に手を打つ」のは、やむを得なかったとの分析だ。
プーチン大統領の執権以来、モストグループのウラジミル・グシンスキ会長と、ロゴバスグループのボリス・べレゾフスキ会長らが、逮捕または会社を奪われ、現在外国に亡命している。
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2003070795558