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【主張】北方領土 入植コサック排除を迫れ
「コサック」と聞いて騎兵服姿の勇壮快活な「コサック・ダンス」を思い浮かべる向きも多かろう。だが、愛国主義的な騎馬軍団として日露戦争に参加したことでも知られる彼らの帝政ロシア時代からの主たる使命は、極東・シベリアや中央アジア、カフカスといった辺境地域の征服、奪取した領土と国境の防衛にあった。
そのコサックの末裔(まつえい)たちが今、北方四島の択捉を除く国後、歯舞、色丹の島々に入植し、「領土返還反対」を声高に叫び始める事態となっている。
「ロシア膨張主義」のいわばシンボル的存在だったコサックの北方領土入植はクレムリンの国家プロジェクト「コサック復興特別計画」の一環とされる。プーチン政権は表向き否定しているが、ロシア領土としての恒久化、主権の誇示を狙っている可能性が強い。コサック自身、「北方領土は自分たちの先祖が獲得したロシアの不可分の領土」と信じ切っているといわれる。
それなのに、外務省はロシア側に正式な抗議すら行った形跡がなく、「ロシアの国家意思を示す行為とはみなしていない」(欧州局幹部)と悠長に構えている。ロシアの伝統的な老獪(ろうかい)外交の手口に照らせば、領有をなし崩し的に既定事実化されてしまう前に、領土からの一刻も早いコサック排除を公然とクレムリンに迫るべきである。
入植計画が初めて明かされたのは昨年十一月で、主にサハリン州に住むコサック家族が段階的に国後などに移住し、漁業や国境警備、海産物や生物資源の保護などに従事する予定という。コサックは第二次大戦後、スターリンによって強制解散の憂き目にあったが、ソ連崩壊後、復活を果たした。
現在、何人のコサックが入植し終えたのか不明だが、日本のビザなし交流訪問団が先月二十四日、国後島のユジノクリリスク港の桟橋に到着したさい、集結していた約三十人のコサックが「第二次大戦で決まった国境を変えてはいけない」「友好には賛成だが、領土返還はニェット」などのスローガンを掲げて気勢を上げたという。
極東・シベリア地域で今、日露間のホットな話題といえば中国と競り合う石油パイプライン建設問題だが、「コサック入植問題」がパイプラインの熱気にかすんでしまってはならない。