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カナダが少量の大麻所持については、罰金は取るが犯罪とはしない政策を打ち出したのに対し、隣国の米国が「米国への大麻流入を助長する」と抗議の声を強めている。米国は対抗措置を強化して「非犯罪化」を阻止する姿勢だが、カナダのメディアはそんな米国への反発を隠さない。イラク戦争などをめぐり両国関係がギクシャクしているだけに、大麻問題は新たな火種になる恐れもある。(カナダ・バンクーバーで、森田 清司)
バンクーバー中心部に近いコーヒーショップ。歩道のテーブルで男性があたりはばかることなく大麻をふかしていた。近くには「(大麻の)種子あります」という看板を掲げる大麻ショップが。すべてが堂々としており、拍子抜けするほどだ。
店内の一角にガラスで仕切られた「大麻喫煙コーナー」を設けているカフェで、マネジャーのロン・マクニールさん(30)が「もちろん今は大麻は犯罪。でも警察もよほど多量に所持していない限り逮捕しないよ」と言う。バンクーバーではすでに大麻は野放しのように見える。だがクレティエン政権はさらに、15グラム以下の大麻所持については刑事訴追をせず、交通違反なみに違反切符を切るだけにするという法案を5月末に議会に提出した。
この趣旨について与党・自由党メンバーで元閣僚のヘディ・フライ氏は「大麻で中毒になる人はごく少数。政府は取り締まりよりも、健康情報を国民に提供し判断してもらうことに力を注ぐべきだ」と話す。
だが米国は即座に「『非犯罪化』したら、国境の関税検査を強化せざるを得ない」と表明。その理由について米麻薬取締局の広報担当者は「メキシコやコロンビア以外にカナダからも大量の大麻が米国に流入しているのは明らか。『非犯罪化』は組織犯罪の助長にもつながる」と説明する。
伝統的に対米関係を最重視してきたカナダだが、保守回帰が目立つ米国とは対照的に、同性愛者の結婚を法的に認める方向に動くなどリベラルな政策が目立つ。イラク戦争に際しては、国連の合意なき開戦を支持しない姿勢を見せ、米国をいらだたせた。
大麻問題についても、カナダのメディアはおおむね「非犯罪化政策」を支持し、米国の「横やり」に反発する論調が目立つ。
(2003/7/1/23:37 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030701id24.htm