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(回答先: 日本のマスコミが始めて、「ビルダーバーグ・クラブ」についての記事を公表した(産経15・6・22) [週刊日本新聞] 投稿者 乃依 日時 2003 年 6 月 22 日 23:35:42)
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秘密クラブ「ビルダーバーグ」5月にパリで会合
2003.06.22 東京朝刊 4頁 国際2面 写有 (全2253字)
■王侯貴族、政財官トップ集結 米欧“陰のサミット”
米欧の王侯貴族から政財官のトップ級が集まって年に一度、米国や欧州で会合を開
き、世界の主要問題を討議する秘密クラブ「ビルダーバーグ」の存在が最近、話題を
集めた。今年は五月十五−十八日に、パリ郊外ベルサイユで開催され、イラクの戦後
や中東問題、欧州の将来像を探る協議会、経済問題、テロなど幅広く討議したほか、
イラク戦で悪化した米仏関係についても修復を試みたとの情報もある。(山口昌子)
≪1954年創設≫
会合が開かれたベルサイユの最高級ホテル「トリアノン・パーク」には仏機動隊
(CRS)などが厳重に警護する中、高級車が続々と到着した。イラク戦で米仏関係
悪化のおりからドビルパン仏外相とウォルフォウィッツ米国防副長官がこの場で会談
し、六月初旬の主要国首脳会議(エビアン・サミット)前に米仏関係の修復をひそか
に試みたとか、イラク戦で悪化した仏・スペイン関係を心配して仏王家、ブルボン王
朝出身のスペイン国王、フアン・カルロス一世が乗り出し、パウエル米国務長官が会
合結果を報告するよう命じたなどの未確認情報が流れた。
フアン・カルロス一世をはじめオランダ国王のベアトリックス女王、キッシンジャ
ー米元国務長官、デービッド・ロックフェラー氏らは、フリージャーナリストらによ
る目撃証言があるが、最終日に公表された出席者リスト約百人の中にはフアン・カル
ロス一世やベアトリックス女王はもとよりドビルパン外相の名もなかった。
一方で、ウォルフォウィッツ副長官の名前は確かにあり、リストの公表が一部であ
ることや「秘密クラブ」的な一面があることをうかがわせた。
クラブは冷戦中の一九五四年五月、米国と欧州の北大西洋条約機構(NATO)加
盟国の「橋渡し」を目指して、オランダのベルナルド王子によって創設されたもので、
「民主主義擁護の世界的ロビー」(仏記者)とでもいったらよいだろうか。第一回会
合がオランダ・オーステルベークの「ビルダーバーグ・ホテル」で開催されたところ
から命名され、初代会長には後にNATO事務総長になる英国のキャリントン卿が就
任した。
≪内容は公表せず≫
討論の自由を堅持し、予期しない影響力を排除するために討議内容は公表しないこ
とを鉄則としているが、米欧の有力者が大挙して出席するため七〇年代ごろからクラ
ブの存在がしだいに知られるようになった。
その結果、七〇年代に批判的記事を書いた英フィナンシャル・タイムズ紙の記者が
辞職に追い込まれたとか、会場の従業員には「見聞したことはいっさい話さないよう
に。違反したら解雇」との厳命が下されているといった“伝説”も広がったうえ、ク
リントン米前大統領(九一年)やブレア英首相(九三年)が就任前に招待されたこと
もあり、世界政治に影響力のある秘密結社的性格を指摘する声もある。
クラブ側は出席者が個人的資格で参加する「私的クラブ」であり、性格的には「国
際フォーラム」と定義するなど、クラブが秘密クラブでも圧力団体でもないことを強
調する一方、この数年は出席者のリストや議題など一部を公表し、米欧の大物ジャー
ナリストも招待しているが、討議内容を記事にしないことは厳守されている。
フリージャーナリストらがサイトなどで発表したところによると、昨年は五月三十
日から六月二日まで米バージニア州の高級ホテルで開催され、主要議題はイラク戦争
や反グローバル化運動への防衛対策だった。
二〇〇一年は五月末にスウェーデンで開催され、テーマはNATOの将来や食料の
安全、欧州連合(EU)の拡大、中露関係、仏大統領選など。二〇〇〇年は六月初旬
にブリュッセル郊外で開催され、米大統領選など。一九九九年は六月初旬にポルトガ
ルの中西部の保養地シントラで開催されたほか、同年十一月初旬に米ワシントンでも
開催され、米大統領選が主要議題となっている。
ビクトリア英女王時代(十九世紀)の宰相で文学者でもあったベンジャミン・ディ
スラエリ伯は、「世界は、舞台裏まで潜り込む目を持たない者が想像できない他の人
物たちによって統治されている」と述べたが、「ビルダーバーグ」にこの言葉がはた
して該当するかどうか−。
◇
≪2003年の主要出席者≫
【米側】
キッシンジャー元国務長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、ボルトン国務次官
(軍備管理、国際安全保障担当)、ハース国務省政策企画局長、パール国防政策委員
会委員、ルギー・ハーバード大学ビジネス政治センター所長、ソーントン・ゴールド
マンサックス・グループ最高経営責任者(CEO)、ウォルフェンソン世界銀行総裁、
ニューヨーク・タイムズ紙のフリードマン外交コラムニストら。
【欧州側】
ジスカールデスタン仏元大統領、ラスムセン・デンマーク首相、リッポネン・フィ
ンランド前首相、ドゥランバロゾ・ポルトガル首相、コペ仏政府報道官、国際テロ対
策専門のブリュギエール仏検事、キング・イングランド銀行副総裁、トリシェ仏銀行
総裁、欧州委員会のラミー通商担当委員、クラースNATO元事務総長、カミュ欧州
航空防衛宇宙社(EADS)CEO、仏大手保険AXAのドカストリ会長、ドモンブ
リアル仏国際関係研究所所長、ルルーシュ仏議員(保守政党・国民運動団体)、フィ
ガロ紙社説担当のアドラー記者ら。
【写真説明】
キッシンジャー米元国務長官
ウォルフォウィッツ米国防副長官
ジスカールデスタン仏元大統領
クラースNATO元事務総長
産業経済新聞社