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プライムシステムvs東証、存亡賭けた一日の始まり 【青森・岩手県境「不法投棄事件」の真相 何故、香川県・豊島不法投棄事件の轍を踏んだか(上)】
http://www.asyura.com/0306/bd27/msg/488.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2003 年 6 月 27 日 01:09:58:KqrEdYmDwf7cM


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  「東京アウトローズ」NO36
http://www.tokyo-outlaws.org

              発行日2003年6月27日
info@tokyo-outlaws.org

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◆目次
特別寄稿 証券ジャーナリスト野田穣二
【プライムシステムvs東証、存亡賭けた一日の始まり】

特別寄稿 ジャーナリスト飯村直也
【青森・岩手県境「不法投棄事件」の真相
何故、香川県・豊島不法投棄事件の轍を踏んだか(上)】

◆ミニ情報
◆編集後記
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【プライムシステムvs東証、存亡賭けた一日の始まり】
証券ジャーナリスト野田穣二

6月27日――東京、大阪の両証券取引所関係者が固唾を飲ん
で見守る運命の日だ。同時に、大阪証券取引所ヘラクレス市場の
プライムシステムにとっても、存亡を賭けた一日でもある。
というのは、5月末に予定していた03年3月期中間決算発表
がこの日にずれ込んだからだ。大証によると、「中間決算月から
3ヶ月以内に半期報告書を提出しない場合は上場廃止」になると
いう。前期(01年10月〜02年9月)に30億円を超える損
失を出した同社が「上場廃止」となれば、会社自体の存続が危う
くなり、子会社の東証コンピュータシステムの行方も危惧される
ため、証券業界は異様に緊迫したムードとなっている。
では、なぜ決算発表が大幅に遅延したのか。それは、『りそな
ショック』で話題となった『繰延税金資産』を太陽監査法人から
否認されたのが原因だ。
有価証券報告書によると、同社の前期の繰延税金資産は、単体
で12億5千万円、連結で20億円となっている。回収に掛かる
年数を計算すると単体では約7年だ。
前期で資本合計が単体10億円、連結で6億円しかないことから、
5月13日、1株120円で1千580万株、約19億円の第三
者割当増資を発表した。途中、9億9千万円に減額するハプニン
グもあったが、5月29日に払い込みが行われた。
しかし監査法人は、「繰延税金資産をほぼ全額否認した」(市
場関係者)ようで、増資をしても繰延税金資産を取り崩せば、「
債務超過状態」は変わらない。
同社はすぐさま、太陽監査法人と契約を打ち切り、6月9日、仮
会計監査人を選任した。とはいうものの、監査人を変更しても業
績が良くなるわけではない。そこで同社はとんでもない暴挙に出
た。
なんと、子会社の東証コンピュータシステム(TCS)に「1
株6万円の配当還元」を求めたのだ。
同社は02年1月15日、東証から2万5800株(全株式6
4.5%)を約32億2千万円で譲り受けたことで、TCSの大
株主(他に東証35%、証券2社0.5%保有)となっていた。
そこで「打ち出の小槌」よろしく、TCSの剰余金に狙いを定
め、1株6万円、合計すると15億4800万円の配当を要求す
る計画を立てたのだった。
大株主から提案されたこの議案は、6月27日10時から開催
されるTCSの株主総会で決議される。64.5%を保有する株
主からの提案が通過しないはずもなく、東証や証券保管振替機構、
日本証券業協会、証券会社などからの売上と剰余金が根こそぎ持
って行かれることとなった。
かくして、3月末の中間決算期には間に合わないが、9月本決
算では15億4800万円の特別利益が計上され、繰延税金資産
の否認を回避、市場が閉まった15時に無事決算発表を行って、
「上場廃止」を逃れるというわけだ。
しかし、証券関係者が同社の行方を危惧したのは、証券業界の
基盤であるTCSの親会社が「上場廃止」になり、企業存続が難
しくなるからだけではない。それ以上に複雑な事情が同社の背後
にあるからだ。
ここに一枚のチャート図がある。『東証の存亡』と記された出
所不明のもので、プライムシステムとTCS、東証の関係を表し
たものである。ただ、随所に間違いも見られ、本誌で取材し事実
として考えられるものだけを伝える。
チャート図にはS社のK氏と丸石自転車の関係が記されている。
丸石自転車の関係者によると、「つい最近、2億9千万円の手形
をパクられる事件があり、株主が群馬県警に届け出ることがあっ
た」という。そして、「K氏がこれに関係している」(事情通)
とまでいわれた。
その上、丸石自転車の役員である澁澤憲・医療法人松嶺会理事
長が関係する澁澤国際総研は、プライムシステムが5月13日に
発表した増資引受先の一つにもなっている。
とともに、ほぼ同時期の5月15日に、丸石自転車は3億5千
万円の第三者割当増資を発表した。偶然の一致にしては不可解だ。
ちなみに、この増資のアレンジャー・DRJキャピタルは、「マ
ルチまがい商法」として、5月20日付けの朝日新聞に掲載され
た「生涯現役」という団体との関係が囁かれてもいる。
このように丸石自転車は、『手形パクリ事件』や怪しい人間が
蠢く姿を散見することができるなど、「関係したくない会社の代
表格」(市場関係者)だが、プライムシステムの周囲には同じ人
間たちがいるとされる。
東京証券取引所の関係者がいう。
「我々が最も恐れているのは、『プライムシステムに何かあると、
証券業界のインフラを持つTCSの株がその筋に渡るのではない
か』という事態を心配しています。その可能性は充分とも見てい
るのです」
続けていう。
「ということは、どんなことがあってもプライムシステムは潰せ
ない。『上場廃止』にできないわけです」
 結局、プライムシステムが倒れると異様な事態が想定され、か
といってプライムが存続しているとすると、証券業界から流れる
資金は周辺の怪しい人間たちを潤すということなのだ。
まさに、「TCSを人質にとったようなもの」というわけだ。
 その意味では、このような会社を上場させた大証と、ここに証
券業界として守らなければならない大切なTCSを売却した東証
の罪は重い。
そのようなわけで、TCSの剰余金の「要求」を見過ごし、プ
ライムシステムの延命に手を貸すことになるわけだが、一難去っ
てまた一難。
プライムシステムが発行した27億5千万円の社債の償還がど
うもされていないようなのだ。同社広報は「一部はジャンプさせ
て貰った」と説明し、「詳しくは27日の決算発表まで待って欲
しい」と懇願した。
27億5千万円の全てではないにしろ、「かなりの金額がジャ
ンプしているはず」(中堅証券)なら、増資と配当の約25億円
があっても「足りない」かも知れない。再び資金調達に迫られた
同社は何を画策するのだろうか。証券業界は生き血をまた提供す
るのか。
その中で「東証が秘かに動き出した」という情報が大手証券幹
部から流れた。それによると「プライムが持つTCS株を、ある
メーカーに引きとって貰うよう東証が打診している」というもの
だ。
それだけでなく、「金額で折り合いがつかなかった場合を見越
し、東証などが委託する売買・清算・相場報道などのシステム運
用を、TCSから東証システムサービス(TSS)に移管してい
こうと考えている」という。
プライムシステムが持つTCSを抜け殻にし、東証100%子
会社のTSSに業務を集中する作戦だ。
プライムシステムが勝つか、東証が勝利するか興味津々ではあ
るが、元を糺せば、「こんな会社に売らなければ良かった」(証
券関係者)という声もある。
東証も大証も、何かあったとき最終的に困るのはTCSの顧客
の証券会社であり、その先にいる一般投資家だということを肝に
銘じるべきだろう。いよいよ決戦の火蓋は切られた。
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【青森・岩手県境「不法投棄事件」の真相
何故、香川県・豊島不法投棄事件の轍を踏んだか(上)】

 国内最大規模の不法投棄――青森・岩手県境に不法投棄された
産業廃棄物約82万立方メートルの処理が、原状回復に向けて漸く
動き出した。今後、首都圏の排出事業者・企業は過去の不適正処
理に対する責任を問われることになりそうだ。
だが香川県豊島の不法投棄事件や処理を重ねてみると、産業界
のパワーバランスが垣間見えてくる。
 両県は今月18日、無許可の産廃処理業者に処分を委託していた
首都圏の排出事業者4社に、産廃の撤去を求める措置命令書を送
付した。今のところやり玉に挙げられた4社は「日立物流」(東
京都江東区)と玩具メーカー「タカラ」(同葛飾区)、卸売業「
アディロン」(同渋谷区)、セールスプロモーション業「ヒロモ
リ」(同千代田区)で、合計約5トン。全体量からすればほんの
一部でしかない。無許可の産廃業者に委託した企業は1万社以上
(医療機関などの団体も含む)とされ、今後も確認できた企業に
は措置命令書が届くだろう。

 事件の核は、産廃処理業者の三栄化学工業(青森県八戸市、20
01年6月解散)と縣南衛生(埼玉県戸田市、2000年10月破産)が
共謀して、1990年頃から青森・岩手県境の27ヘクタールに産廃を
不法投棄し続けたことにある。
さらに県の対応も遅れ、有害物質が溶出し汚染は拡大している。
 2000年5月には、両社の関係者5名が廃棄物処理法違反で逮捕さ
れ、同年6月にそれぞれ代表者が起訴されたが三栄化学工業の代表
者は突然自殺(免訴)。縣南衛生は「有価物であるゴミ固形燃料
(RDF)の保管」を主張したが、自殺した三栄化学工業会長の
証言や、有価物ならば不要なマニフェスト(産業廃棄物処理の管
理伝票)を作成した事実などから、「ゴミ固形物」と認定された。
盛岡地裁は2001年5月に、三栄化学工業・罰金2000万円、縣南衛生
・罰金同2000万円、縣南衛生役員・懲役2年6カ月執行猶予4年と罰
金1000万円の判決を言い渡した(現在、最高裁で係争中)。
 両県は2000年6月以降度々、縣南衛生と三栄化学工業に原状回復
命令を出してきたが、両社が経営破綻していて実行の見込みはなか
った。そこで産廃の排出元の企業へ遡って責任を問うことにしたの
だ。
 首都圏の4社は、産廃収集運搬業者の滝澤産業(埼玉県幸手市、
2003年2月廃業)に委託していた。それらの産廃は縣南衛生に運ばれ
て中間処理(破砕・減容・焼却)された後、三栄化学工業の現場(
自殺した会長所有)へ投棄したのだ。
 今回、4社が責任を問われたのは、委託先の滝澤産業が無許可だ
った点だ。滝澤産業は、引き受け先(縣南衛生)となる埼玉県知事
の許可は得ていたが、収集先の4社事業所がある千葉県と東京都で両
知事から許可を得ていなかった。4社はいずれも撤去の措置命令に従
うと見られる。
 そして重要なのは、これが今月11日に改正廃棄物処理法と特定
産廃特措法が成立したことを受けての措置だった点である。改正廃棄
物処理法(12月施行)は、不法投棄未遂罪の新設が目玉で、初期段階
の現行犯逮捕や自治体や国の立ち入り検査・調査が可能になるなど、
不法投棄防止対策を強化した。もう一つの産廃特措法(今月18日施行)
は10年間の時限立法で、今回の措置命令を後押ししている。都道府県
が投棄産廃を撤去する際、国庫補助率を現行の3分の1から2分の1へ引
き上げ、地方債の起債も認めることになった。さらに「国と産業界が
拠出して創設した基金(産業廃棄物適正処理推進基金)」の支援が受
けられない98年6月以前の不法投棄現場が対象などとなっている。しか
し、生産した製品が廃棄物になった最終段階までメーカーが処理責任
を負う「拡大生産者責任」はまたも見送られた。(以下、次号)

<飯村直也プロフィール>
1961年東京都生まれ。某私立大学理工学部卒業・某脚本講座の基
礎科及び研修科修了。経済誌、週刊誌、環境業界紙を経て二度目のフ
リー活動に舞い戻る。分相応・身の丈にあった、余り見向きされない
チープなネタの穿りを得意とする。

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【ミニ情報】
●「武富士VS週刊プレイボーイ&寺澤有氏」の名誉毀損訴訟第
1回口頭弁論が6月27日13時10分より東京地裁624号法
廷で開かれる。寺澤氏側は「表現の自由を抑圧する本件高額訴訟
に関し反訴する意向」としている。

●「ダスキン」疑惑で揺れる土屋埼玉県知事だが、旧国鉄「大宮
操車場」跡地の埼玉県への転売に絡んで怪文書が出回っている。

●三洋電機クレジット(8565)とその大口融資先「翼システ
ム」の関連を取り上げた経済誌「東洋経済」に対して翼システム
が6月20日に猛烈抗議。関係者によると、「抗議文を各記者ク
ラブに投げ込む念の入れようでした」という。

●志村化工「株価操縦」事件の公判で、西被告と竹内被告をつな
いだのは旧エフアールの鈴木義彦氏だったことが西被告の証言で
明らかになった。

●民主党の国会議員(兵庫県選出)がゴルフ会員権を担保に街金
から3000万円を借金するも返済せず、完全に開き直っている
という。

●6月25日に開催されたJR東日本の株主総会で、昨年11月
にJR東労組組合員7人が逮捕された「退職強要事件」に関して
質問が飛び出した。しかし、会社側は「裁判の経過を見守る」と
回答するのみだった。JR関係者からは、「事件は会社施設内で
起きており、会社側は再発防止や遺憾の意を表明するのが筋だ」
との声が湧き起こっている。
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【編集後記】

諸般の事情で「予告」とはまったく違った内容になりました。
しかし、今回の特別寄稿2本はいずれも力作で、読み応えのある
ものと確信しています。野田さん、そして飯村さんには本当に無
理を言って申し訳ありませんでした。この場を借りて御二人には
御礼申し上げます。
さて、こうした異常な事態になったのは、すでに読者の方々も
ご承知のように、我が「東京アウトローズ」がサラ金・武富士と
の泥沼的な闘いに突入したからです。編集長・山岡の動静につい
ては今、詳細は申し上げられませんが、武富士との闘いにほぼ連
日忙殺されているというのが現状です。いずれ山岡本人が「どの
ような闘いを展開したか」を皆様に明らかにすると思いますので、
しばらくお待ち下さい。

(鈴木順)
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【発行】「東京アウトローズ」
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【編集発行人】山岡俊介
【編集スタッフ】鈴木順
【お問い合わせ】info@tokyo-outlaws.org
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