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2003.06.15
Web posted at: 13:15 JST
- AP
ペンシルベニア州フィラデルフィア(AP) 人がうそをつく時に生じる脳内の変化に注目し、新たな「うそ発見器」を開発する研究が進んでいる。脳内の血流を計測する方法や、MRI(磁気共鳴画像化装置)で脳の活動の様子をとらえる方法などが検討され、将来は相当な精度でうそを見分けることも可能になるという。
米ペンシルベニア大学の生物物理学者ブリトン・チャンス氏らのチームでは、頭部に装着するヘッドバンド型のうそ発見器を開発している。近赤外線を利用して、判断能力をつかさどる脳の「前頭前野」を観察する仕組みだ。ここは、いわば「うそが生まれる」場所。チームの研究によると、被験者がうそをつこうとしただけで、血流が一瞬増加することが分かった。将来的には、この変化を離れた場所からセンサーでとらえ、本人が気付かないうちにうそかどうかを調べる装置も開発できそうだという。
ペンシルベニア州ではもう1人、心理学者のダニエル・ラングリーベン氏がMRIを使った判定法に取り組んでいる。うそをつくと脳内の特定の部分で活動が活発になることが、実験で立証されたという。またアイオワ州では、見覚えのある対象に反応する特別な脳波を利用して、犯罪捜査などに役立てる研究も進んでいる。
従来のうそ発見器(ポリグラフ)は、心拍数や発汗など体に現れる反応から、うそがばれることを恐れているかどうかを判定する。間接的な方法なだけに、信頼性に欠けるとの指摘があった。裁判などで証拠として使うことは認められていない。これに対し、脳を直接調べる方法なら、ごまかしもきかなくなりそうだ。
ただ、高性能のうそ発見器を作る技術が発達することについては、倫理上の問題を指摘する声もある。物理学者のロバート・パーク氏は「うそを正確に見分ける発見器は、性能の悪い発見器よりもたちが悪い。究極のプライバシー侵害になる」と懸念を示す。
一方研究者らは、うそ発見器の応用範囲は広いと主張する。医師が患者の訴えを聞く時や、会社が従業員の言い分をチェックする時も、うそか本当かが確実に見分けられれば助かるだろう。米ハーバード大で脳とうその関係を研究する心理学者、スティーブン・コスリン氏はこう語る。「正確なうそ発見器ができれば、改善されることも多いはず。『うそをついていない』と主張したい時、それを証明する手段があったら素晴らしいではないか」