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(回答先: Re: 感謝感謝感謝!ストヤノフの本購入しました。 投稿者 Hi! 日時 2003 年 6 月 14 日 19:17:59)
ブルガリアの知識人としては、ツベタン・トドロフという文芸批評家がいます。小生はさすがによんだことはありませんが、翻訳も幾つか出ています。
東欧は、1990年頃まで、日本から見て、一種のブラックボックス的なところもあって、東欧革命後、この空白を埋めるように、情報が入り出しているようです。もともと、東欧などという「くくり」は冷戦のなごりにしか過ぎないわけで、その前は、オーストリア・ハンガリー帝国やハプスブルグ家、プロシャ、ロシア、ホーヘンツォルレルン家、ホーヘンシュタウフェン家、さらには、オスマントルコが深く絡んだ地域で、ヒトラーすら、ドイツ生まれでなく、オーストリア生まれなのは周知の事実です。
この板でも登場した栗本慎一郎氏がかついでいたポランニー兄弟や、元新左翼で現推理作家の笠井潔氏がかついでいたルカーチなどはハンガリー出身で、栗本氏は「ブタペスト物語」という、ハンガリーの知識人の物語も出版しています。確か、経営学者として有名だったP・ドラッガーやウィットフォーゲル(東ドイツかも)、ウォーラーステインも東欧と深いつながりがあった筈です。米国のブレジンスキーはポーランドの出身で、その孫で元米国出版社のモスクワ特派員だった人が書いたロシアン・マフィアやオルガリヒについてのルポ(面白いですよ)が、ごく最近イーストプレスから翻訳出版されています。
栗本氏の「ブタペスト物語」によると、プタペストは20世紀前半には、パリ、ウィーンと並ぶ国際的な文化交流の一大拠点だったそうで、これからも色々、ユニークな碩学、俊才の翻訳が出るでしょう。現に、社会主義時代のブルガリアの歴史学者が70年代に書いたポゴミル派についての歴史書が、東欧物の定番ともいえる恒文社(昔はベースボールマガジン社の親会社でした。今もそうかな)から出ており、階級史観による分析ながら、なかなか面白かったです。
なお、「教養人」などという大変なお褒めの言葉をいただきましたが、海外在住の方ならお判りのように、特に欧州の知識人はすごい。まあ、地理的条件のせいでもありますが、たいてい5カ国語はできます。
日本の国力低迷の原因のひとつは、語学問題がある、と思っています。メキシコシティに仕事で滞在した時に、通訳兼ガイド兼ドライバーをしてくれた日系の若い女性は、20歳前後でしたが、なんと7カ国語ができました。まあ、彼女によると「ポルトガル語はスペイン語のなまりのような言葉(ポルトガルとブラジルの皆さん、ご免なさい)で7割が同じ、イタリア語も5割が同じ、フランス語はデザインの勉強でパリに1年間、留学した時に覚えた」とのことでした。全くわからないのは、主要言語のうちでは、ロシア語、中国語、アラビア語、ペルシャ語、半分くらいしか分からないのがドイツ語だそうで「世界のどこの空港でも、会話の7割ほどが分かるので、かえって疲れる」とか”贅沢”なことを言っていました。もっとも、メキシコ国際空港で流暢なスペインを喋るためか、係員に「お前は中国人かハポネスか。それにしても、スペイン語がうまいな」と野次られ、「あたしはメキシカンだ」と食ってかかっていました。ただし、日本語はオーラルだけで、漢字の読み書きはできません。日本語を読む必要がほとんどないからでしょう。小生は語学面では、全く、教養人はありません。゜