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聞いた話とちがうけどな。これは無効化のための処方箋といったところか。
「個人情報保護法案」のねらいと、われわれの側の対策
(アサヒ芸能6/12日号)
キツネ目事件調書
5月23日、個人情報保健法が成立した。
情報化社会の進展の中で「個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定め」「個人の権利利益を保護する」と、題目は立派だが、その実体は実にいかがわしい。この法律が生まれた背景には住基ネットがあった。
行政サービスの簡便化が狙いだったのは周知だが、その簡便化一は個人情報の漏洩をも簡便にしてしまったのである。住所、氏名、年齢、家族構成、勤務先、収入、借金、銀行口座。。。引き出された個人情報は「名簿屋」を経て、さまざまな業者に流れていく。ダイレクトメール程度で済んでいればまだマシだが悪用される危険は相当高い。
それを未然に防ぐには、罰則を設けて取り締まるべし、としたのがそもそもの狙いだった。流出元は当然、あらゆる情報が蓄積される 場所、つまりは行政サイドー官である。
要するに、当初の規制対象は行政機関だったのだが、いつしか民間を縛るものとして趣旨がすり替えられたのだ。例えば、個人情報を扱う者の義務として、その利用目的を明らかにし、本人の求めに応じて聞き出したデータを開示しなければならない、とある。
しかし、考えてもみろ。不正や違法行為をやった疑いがある人物を取材する際、「あなたが不正をしているという疑いがあるから調べている」と言われて、協力するアホがどこにいるか。しかも、本人が「それは法律違反だから使うな」と言えば利用停止にできるというのだからムチャクチャな話やで。
だが、同法の目的はむしろここにあったと言える。法案段階で国会に提出されたのは01年3月が最初。森喜朗前首相には買春で調べられた過去があるという記事を、雑誌「噂の真相」に書かれて大騒ぎになった時期だ。
要は、この手のスキャンダルが二度と流れないようにするために俎上に上げられたのである。「仮に成立すれば表現・報道の自由を奪うことになりかねない」とマスコミ、言論界から猛反発を受け、一時は廃案になった。
しかし、その後、手直しを経て成立。このやり方の中身がまた巧妙だった。
「報道目的に限っては適用外とする」とはしているものの、報道かどうかを判断するのは「主務大臣」となっている。役人を追及することに対し、役人がそれを規制するーーこれでは泥棒の取締りを泥棒に任せるのとまるで変わりがない。公正な運用などできるはずがなかろう。
さらに、新聞・テレピといった大マスコミは、明確に法律の対象外と規定している。影響力が大きいにもかかわらずなぜ?・・・と不思議に思うだろうが、新聞やテレビの取材は記者クラブを経由したものが大半だ。
今の大マスコミ には独白に取材する能力などろくにないと言ってもよく、すでに「官」のコントロール下にある。いまさら逆らうはずがない、というわけだ。
やっかい視されるのは雑誌だけだが、これも早晩、行政側の思惑どおりの展開になる可能性は高い。中にはたてつく雑誌もあるかもしれんが、取次(雑誌、書籍の流通 や)に圧力をかけられれぱ、一巻の終わり。
取次が扱わなければ書店でも売られない。となれば出版社側も自主規制をせざるをえなくなる。もはや報道の自由もへったくれもない。
しかも同法に触れる可能性がある場合、名誉棄損で訴えられれば、負けはほぼ確実。最近は賠償金額の相場も相当に高くなった。これがボディブローのようにじわじわと効いてくる。あえて報道への規制緩和を明文化した理由は、この仕組みにあるのだ。
ところで、この国を支配しているのは政治権力ではなく、メディアというのが俺の持論である。かつての細川政権、現在の小泉政権など、熱狂によって成立した体制は間違いなく報道に起因する。国民の政治行動はメディアに誘導される部分が非常に大きい。これを掌握することに「官」は成功したのだ。
これは読者にとっても他人事ではない。まず第一にマスコミの情報から刺激的なものが消える。何しろすべての記 事や映像は当事者の許可を得たものだけなのだから、スキャンダルや暴露記事は一切論むことはできなくなる。
最悪の場合、雑誌は政府の広報誌に成り下がり、人は平等、政治家は皆国民のために働いているなど、ウソ臭い記事が氾濫する。そんなもの、だれがすき好んで手に取るか。
しかも、世の中から猥雑なものや刺激的なものがなくなれば、社会はきわめて無味乾燥になる。それはある種、北朝鮮的と言っていい。
民主主義社会とはどんな体制でもひっくり返す可能性を持っている。だが、管理化が進めば、そのような可能性はおのずと消滅していく。それが何よりこの手の法の危険な部分なのだ。
ただ為政者にとっては、これほどやりやすい社会はない。北朝鮮のような独裁体制はケシカランと言いつつ、結局、北朝鮮は理想の姿なのである。いったんそんな管理社会が完成してしまえば、覆すのは容易ではない。情報を握り、権力の座についた者が延々と君臨し続けるのだ。
金王朝ほどではないにせよ、例えば、アメリカCIAの冗長官フーバー。彼の40年にも及ぶ栄華は歴代大統領のスキャンダル情報を握っていたためと言われている。日本でも、こうした形で権力基盤が築かれていく可能性があるのだ。
とはいえ、法律が成立した以上、もはやいかんともしがたい。
仮に政権交代が実現し、成立に反対した野党が政権を取ったとしても、事態が変わる可能性は考えられない。いまさらこの国の政治家の質の悪さを批判してもまったくのムダ。腐っているのは有史以来の伝統や。
ではどうすべきか。俺は、これぞバブル崩壊以降最大のチャンス、と考える。同法施行(2年以内)後、多くの書き手は腰砕けになり、書店にはなまぬ るい雑誌や本 しか出回らなくなる。となれば、読者ニーズは個人情報保護法に堂々、ぬ けぬけと違反する雑誌・本を求めるのは必至やがな。
腹をくくって上梓すれば、爆発的に売れる。単行本なら10万部も売れれば十分や。
同法の罰則は6ヵ月の懲役もしくは30万円の罰金程度。費用対効果 を考えれば、俺は喜んで罰金払うで(笑)。違反第一号でないと意味がないがな。
要は、悪法は金に替えろ、である。それは禁酒法時代にアル・カポネが闇で酒を売って稼ぎまくったことと同じ。道窮まればアウトローにこそ見習うべし。法律が厳格化するほど、ビジネスチャンスは膨らむのだ。
個人情報保健法、成立
民間業者や行政機関に対し、個人情報の適正な取り扱いを求める個人情報保護法案が5月23日の参院本会議で賛成多数で可決、成立した。報道の定義を規定したことへの問題、公務員に対する罰則はどこまでか、など、あいまいな部分は残されたまま。