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不景気だというのに、東京では最近、アッと驚く巨大広告やビジュアルな看板が出現している。直径二十三メートルもある“ギネス級”の巨大な半球体の看板が出現したり、東京タワー全体を緑色に光らせたり。大人の街・銀座にも、新宿、渋谷のような大型広告スクリーンが増えている。前代未聞かもしれない、広告の巨大化現象。なんでだろう?
「えっ、何、あれ?」
JR山手線の目黒−恵比寿駅間。窓越しに突如、大きな半球体が現れる。
日の丸自動車学校(目黒区三田)の建物を使った看板だ。
これは七日公開のハリウッド映画「ザ・コア」の広告。この半球体には、これまで同校のシンボル、日の丸を表す赤色が塗られていた。その上に四十センチ×四十センチの色シールを、張り重ね地球の絵にした。約二十人で十二日間かかった。表面積は千平方メートル。世界最大の広告かもしれず、ギネスブックに申請中とか。
映画は、停止した地球の核(コア)を、再び回転させようと、地中深く潜っていくというストーリー。半球体は地球をイメージさせる。配給会社ギャガ・コミュニケーションズの宣伝担当、朴木(ほおのき)浩美さんは「若者を引きつけるにはノリが大事。インパクトがあって、話題になるような」と明かす。
学校側も「ちょうど塗り替えの時期だったので、試験的に申し出を受けた。問い合わせ電話が多い」とまんざらでもないようす。
一方、東京タワーの緑色照明と、JR渋谷駅前の大型広告塔の占拠を仕掛けたのもハリウッド映画。シリーズ第二弾「マトリックス リローデッド」だ。公開は「ザ・コア」と同じ七日。娯楽大作が看板でも激突する。
東京タワーの緑色照明は、映画のイメージカラーだから。先月末、都内で開かれた試写会で、主役らのかけ声でライトアップされ、会場をわかせた。当日だけだったが、東京タワーが公共キャンペーン以外で、宣伝に使われたのは初めて。
配給元のワーナー・ブラザース映画の関根真吾宣伝部長は「前作は、映画の常識を変えたと評価された。今回はそれに見合うインパクトのある宣伝をやりたかった」。
映画広告は、なぜこれほど大型化するのか。
「映画業界は順調なので、宣伝費をかけやすい」と関根さん。映画は、手軽な娯楽で不景気に強い産業なのだ。日本 映画製作者連盟によると、昨年の興行収入は約二千億円。十年前より約30%も伸びている。
「シネコン(複合映画館)の出現で、勝ち組と負け組がはっきりし、勝てるものは予算が使える」と説明するのは朴 木さん。
では、宣伝費はいくらかけるのか−。業界筋は「マトリックスは二十億円、ザ・コアは十億円ってところじゃないの」と推測する。
東京では、映画だけではなく、広告全体の大型化、ビジュアル化が進んでいる。
その波は、重厚な街・銀座にも押し寄せた。銀座四丁目交差点の三越にも、高さ約五メートル、横約八・八メートルの広告スクリーンが昨年暮れから登場している。
設置したスタジオアルタの金子隆志営業部長は「ニューヨークのタイムズスクエアと並ぶ繁華街だから、ビジョンには最適だと考えた。でも、自然や花などの環境映像を入れたりして、街のイメージを損なわないように配慮している。
日本の街頭ビジョンは、世界一の性能。もっと広がっていくと思う」と話す。
文と写真・吉岡逸夫
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20030605/mng_____thatu___000.shtml