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庶民の喜びと悲しみが染み込んだ古びた裏通りの質屋が変化している。最新式の質屋は2年前からソウル・江南(カンナム)地域を中心に1つ2つ姿を見せ始め、今では狎鴎亭(アックジョン)洞周辺だけで30カ所以上の店が盛業中だ。
これらの店は高級ブランドの衣類やアクセサリーだけを取り扱っているため、「ブランド質屋」という新語まで生んだ。全国にチェーン店数十カ所を抱えるほど規模が大きくなると、絶大な資金力で武装した大企業までも「質屋で大成功」を夢見て、「ブランド質屋」の運営を手がけている。
日曜日の18日午後、江南区・狎鴎亭洞のA質屋。40坪あまりの小ぢんまりした売り場には、数十万ウォンから数千万ウォンまでの値札をつけた高級ハンドバッグや時計、靴が並んでいる。
売り場の中は20〜30代の若い女性で込み合っていた。さびついた鉄格子と呼び出しベルの代わりに、フカフカしたソファーといい香りを放つコーヒーが顧客を迎える。キラキラ光る大理石の床にはチェリー色の高級感溢れる陳列台が置かれており、有名デパートの名品館を彷彿させる。
先月27日にオープンしたこの売り場は、大型金融会社が約50億ウォンの資金を投入した「財閥質屋」。このような店は従来の営業方式から完全に脱皮している。質屋と銀行の機能が結合した米国の「ポーン・バンク(pawn bank)」をベンチマーキングしたものだ。
これはブランド品を担保に月2.5〜5%の金利でカネを貸し付け、一定期間が過ぎても返済しなかった場合は一般人を対象にそのブランド品を処分するという方式だ。
経営は大企業で10年間働いた大卒出身の「金融通」が担当している。顧客は1日平均20〜30人。広告を出したこともないが、オープンしてからわずか20日で5000万ウォンの実績を出した。
金某(35)店長は「資金とアイディアが豊富であるため、1〜2年以内のコスダック登録も問題ない」とし、「狎鴎亭店をかわぎりに、年末までに売り場を5店舗に増やす計画」と述べた。
質屋のチェーン化もブームとなっている。「キャッシュパーク」は2年で全国に24のチェーン店を出した。契約段階の店舗を合わせると、20カ所以上に及ぶ。
今月18日、大邱(テグ)に5号店を出した「キャッシュキャッシュ」も年末まで釜山(プサン)と新村(シンチョン)に売り場を出す計画だ。
一般金融会社までがこのブームに乗る程、ブランド質屋市場が大型化および企業化している理由は、ブランド品が換金性が高い上に、確かな顧客層を確保しているからだ。
8カ月間、質屋業界を調査したA質屋の関係者は「ブランド品のリサイクル市場は、現在1兆ウォンの水準だが、数年内に10兆ウォンの規模にまで成長するだろう」と展望した。韓国の「ブランドブーム」も一役買っているとの分析もある。
ブランド質屋の主な顧客は、流行によって持ち物を変える一部の富裕層や、カード代金の返済に追われる若い女性たちだ。
江南のK質屋のオーナーであるファン某(46)さんは「特に、カードの決済の日が近づくと、ブランドのバッグや時計を持って来る20代の女性が多い」と話す。
ブランド品をカードで購入し、カード代金を返済するためにそのブランド品を質屋に預けるという、俗称「ブランド・カン(ブランドを購入してそれを現金化すること)」をする若い女性が多いということだ。
A質屋の前で会った会社員の李某(25)さんは今年に入ってからすでに3回、質屋を利用した。ブランド品を買った際のカード代金を返済するためだった。李さんは「ブランド品を質屋に預けて現金を手に入れてカードの返済に充て、決済日が過ぎたらキャッシングサービスを利用して再び品物を買い戻している」と語った。
ブランド質屋の未来を楽観している「キャッシュキャッシュ」のサ・スンリ(41)社長は「カードの手数料より利子は高いが、延滞してもブラックリストに載ることもなく、カネさえできればいつでも預けた品物を取り戻せるため、客足は今後も伸びるはず」と分析した。
韓国貸付事業者連合会の金ミョンイル(38)事務総長は「昨年10月に制定された『貸付業法』が年平均金利を66%に制限したため事実上、信用貸付は不可能になった。動産資産を中心にした担保貸付はリスクが低いため、『ブランド質屋』の成長は今後も続くはず」と述べた。
こうした新しい質屋の登場で、昔ながらの質屋は経営危機に陥っている。狎鴎亭洞で21年間質屋を経営している「ホンイクサ」の主人、ナム・ジミョン(66)さん。年々客足が減り、先月の来客は20人にも満たなかった。ナムさんは「もう少し我慢してみて駄目なら、店じまいするかもしれない」とため息をついた。
李敬恩(イ・ギョンウン)記者
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