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米国ネオコン派についての安直浅薄軽薄皮相な論評は困ります。
http://www.pavc.ne.jp/~ryu/
投稿 平成15年05月31日00時07分
太田龍の時事寸評
平成十五年(二〇〇三年)五月三十日(金)
(第五百九十三回)
○東京新聞、平成十五年五月二十八日、熊田亨。
ヨーロッパ展望台。364回。
ネオ永久革命。
○熊田亨、と言う人は、パリに長く滞在する日本人ジャーナリスト。
○この記事では、米国のネオコン派を、れっきとした革命党である、
と言う。
○イスラエルを無条件で支持し、
中東をアメリカの力で平定するための永久革命を志向する、と言う。
○この熊田論文は、ネオコン派の一つの面を正確に描いて居ることは
肯定的に評価できるが、これでは不十分だろう。
○熊田論文も、米国ネオコン派最長老の一人、アービング・クリストル
(八十三才)が、若い頃、トロッキストだったことを強調し、この
アービング・クリストルを、「ネオコン潮流の開祖」、とする。
○これは全く違う。
○この人の視野もひどく狭い。
○シァディア・B・ドルーリー女史の二冊の著作、
(1)「アレクサンドル・コジェーブ − ポスト近代政治の源泉」
(一九九四年)
(2)「レオ・シュトラウスとアメリカの右翼」(一九九七年)
これくらいは、およそ、米国ネオコン派についてうんぬんする人は、
最低限、読んでもらいたい。
○現代米国ネオコン派の思想的源流は二人。即ち、
(1)レオ・シュトラウス(一八九九〜一九七三年)
(2)アレクサンドル・コジェーブ(一九〇二〜一九六八年)
○二人とも、日本では、二十年ほど前までは、全く、知られて居ない。
○二十年ないし十数年前から、この二人を、それぞれ別々に研究する
専門学者が出て来て、若干の学術書風の翻訳本もある。
○しかし、実はこの二人が、学生の頃から終生の親友であり、むしろ、
同志、と言っても良いくらいの関係にあり、そして、この二人が、
現代米国ネオコン派の思想的開祖であること、
そんなことは、まるで知られては居ない。
○レオ・シュトラウスが、ギリシャ哲学に通じて居ることくらいは、
知られて居るであろう。
○米国ネオコン派なるものの根は、古代ギリシャに遡る。
○つまりここでは、古代ギリシャから現代に至る、少なくとも二千数
百年の西洋思想史についての評価が正面から、問題とされるので
ある。
○十九世紀、二十世紀の西洋思想史に限定しても、少なくとも、
(1)ヘーゲル
(2)ニーチェ
(3)ハイデッガー
(4)カール・シュミット
(5)レオ・シュトラウス
(6)アラン・ブルーム
(7)F・フクヤマ
(8)フーコー
(9)サルトル
(10)バタイユ
(11)クノー
(12)ブルトン
(13)デリダ
以下略、
などの人々についてのキチンとした評価が前提とされなければ、
現代米国ネオコン派に対する、まともな検討は不可能であろう。
(了)