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(回答先: 「破落戸国家」どうよむか分からない当て漢字使うとは、珍走団なみの感性だな 投稿者 黄色 日時 2003 年 5 月 26 日 01:38:40)
知らない漢字が出てきたら調べてみましょう。
それから、こういうレスは雑談板に投稿したほうが良いと思いますよ、管理人さんも、戦争板は戦争関連情報のみにしたいと言っておられますしね。
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vol.52 知らなくては絶対読めない宛字
「破落戸」って読めますか。
これでなんと「ごろつき」「ならずもの」と読みます。知らなくては絶対読めませんね。
この書き方は戦前には結構使われていたようです。樋口一葉の「大つごもり」には
「花見のむしろに狂風一陣、破落戸(ごろつき)仲間に遣る物を遣らねばこの納まりむづかしく」
という例が出てきます。
これは中国語の口語の用法をそのまま日本語の言葉に宛てたものです。この言い回しは『水滸伝』にも載っているそうです。中国語辞典で「破落戸」を引くと(1)落ちぶれた旧家。また、その子弟。(2)ごろつき。ならずもの。と出ています。
こういう不思議な宛字は他にもあります。「乾児」は「こぶん」です。「子分」と書いたほうが簡単なのに、とも思いますが。これは、芥川龍之介『伝吉の敵打ち』からの引用です。
「伝吉はたちまち枡屋を逐われ、唐丸の松と称された博徒松五郎の乾児(こぶん)になった」
たしかに、「乾児」の方が雰囲気が出ています。
「こぶん」には「乾児」と「子分」が合成された「乾分」という書き方もあります。これは昭和44年の作品、新田次郎『孤高の人』からの引用です。
「おい加藤、あの小僧はてめえの乾分(こぶん)じゃあねえか、てめえは乾分を見捨てるつもりか」
このころまで、こういう宛字が堂々と使われていたことがわかります。
「翻筋斗」は「もんどり」と読みます。「もんどり打ってひっくり返る」というときの「もんどり」です。こういうのを漢字で書くのか、と思いますが平気で使っています。これは、三遊亭円朝の『真景累ヶ淵』からの引用です。
「ものをもいわず突然(いきなり)與助の腰を突きましたから堪りません、與助は翻筋斗(もんどり)を打って、利根の枝川へどぶんと水音高く逆とんぼうを打って投げ込まれましたから」
「いきなり」を「突然」と書くのもおしゃれです。
こんな不思議な書き方はけっこういろいろあります。昔の名作からこんな書き方を探してみるのも面白いかもしれません。
http://www.shinchosha.co.jp/shoushin/kanji_ichiran/kanji0202.html