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入国者を隔離/中朝国境“閉鎖”/国内移動も禁止
北朝鮮が新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS、サーズ)流入を極度に恐れ、厳戒態勢を敷いている。テレビでは連日SARS防止情報を流し、中国などSARS発生国からの入国者は十日間の隔離措置。自国民は国内移動を禁止、中国との国境貿易は事実上、停止した。あまりの厳戒ぶりに「北朝鮮には患者がいるのでは…」との観測も。北朝鮮でSARS禍は金正日政権の存亡にかかわる−との指摘がもっぱらだ。
「敬愛する将軍(金正日総書記)は四月だけでも数十回の指示を与えてSARSを防止するための闘争を強力に広げさせた」(五月七日、朝鮮中央放送)。北朝鮮でSARS対策はまさに国を挙げての「闘争」との位置づけで、SARS防止のため中央と地方に「非常防疫委員会」が設けられている。この数週間、テレビでの予防方法などの報道ぶりは「異常なほどの危機感といえる。それだけにSARSが流入した場合の経済、政治的影響の大きさもうかがえる」(北朝鮮の報道をウオッチしているラヂオプレスの鈴木典之理事)。
四月中旬から中朝国境は北朝鮮側から閉鎖したも同然。国境を越えてくる朝鮮族の行商人などに「十日間の隔離措置」を開始。中朝貿易はまひ状態という。日常物資調達のほとんどを国境貿易に頼っている北朝鮮にとり死活がかかる国境を閉じてまでSARSを恐れているということだろう。
食糧事情、衛生状態ともに最悪の北朝鮮にSARSが流入すれば、免疫力の弱い住民に瞬く間に拡大するのは必至だ。住民のパニックも予想される。人、金、モノ全般の韓国との南北交流も停止となり日朝貿易も止まるだろう。政治的孤立に加え経済的孤立は金正日政権の存亡に決定的な打撃を与えるのは間違いない。
SARS恐怖は金正日総書記自身が感染を恐れているともされるが、四月以降は「国内旅行禁止令が出され平壌と外部との隔離態勢は特に厳重さを増している」(韓国情報筋)。韓国紙「朝鮮日報」によると、六月末日まで住民移動が統制され、主要都市間の通行証の発行は中断、列車は空席だらけという。
北朝鮮は五月に入って韓国の野党、自民連の金鍾泌総裁の訪朝を「SARS流入警戒」を理由に断った。また、韓国からの外貨収入源の金剛山観光も四月末から中断。中国・北京と平壌を往復する北朝鮮・高麗航空も五月六日から運航停止。日本の新潟港−元山、清津との不定期貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」は六月に運航再開とされるがこれは日本にSARS患者が出ておらず、何より物資不足から「背に腹は代えられず」との観測もある。いずれにしても、「自らの首を絞めるような予防線の張り方には不自然さがある。すでに北朝鮮にSARS患者が出ており、それの拡散防止、発覚防止のためではないか。可能性は十分にある」(北朝鮮専門家)との指摘も出はじめたのは事実だ。
北朝鮮ではSARSを「死の病」と呼んでいる。最近では今月十八日、崔応俊・保健省国家衛生検閲委員長が「SARS患者は一人も出ていない」と表明したが、同委員長は同時に「SARS予防事業」は「われわれ式社会主義を守るための事業でもある」とも強調しており、思わせぶりなのである。(北朝鮮問題取材班)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/25iti001.htm