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Kyoto Shimbun 2003.05.25 News
日韓参加に応じる用意 核問題 北朝鮮が談話
【北京24日共同】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省スポークスマンは24日、核問題に関する談話を出し「まず米朝の会談を行い、続けて米国が提起する多者会談も行うことができる」と述べ、北朝鮮の核問題で条件付きながら日本、韓国などを加えた多国間協議に応じる用意があることを明らかにした。
北朝鮮が日本、韓国の参加を想定した多国間協議を可能と述べたのは初めて。
北朝鮮は、4月の米朝中の3カ国協議の前にも、米朝協議の必要性を強調しつつ「対話の形式にはそれほどこだわらない」との立場を表明していた。今回の談話は、米朝協議優先の立場を維持しながらも「米国が提起する多者会談」も可能として、歩み寄りとも受け取れる構えを示した。
韓国の盧武鉉大統領、日本の小泉純一郎首相が、ブッシュ米大統領と相次いで行った会談で北朝鮮の核開発は容認しないとの強い決意を表明、日米韓が足並みをそろえたことを背景に、日本と韓国の参加の可能性をにじませながら、協議継続の接点を探る狙いがあるとみられる。
▽北朝鮮外務省の談話要旨
【ソウル24日共同】北朝鮮外務省スポークスマンが24日、発表した核問題協議に関する談話の要旨は次の通り。
一、米国はいまだに核問題解決のためのわれわれの提案に一言半句もなく、「5者協議」が開かれねばならないというような
協議形式問題だけに執着している。
一、われわれはすでに、米国が対朝鮮(北朝鮮)政策を転換する用意があるなら、協議形式に強くこだわらないとの立場を明らかにしている。
一、われわれはまず、米朝双方の協議を行い、続けて米国が提起する多国間協議も行えるとの立場だ。
一、米朝間にだけ提起されている問題があるだけに、米朝双方が向き合って座り、互いの政策に対する率直な論議をしなければならない。
一、米国が政策転換しない場合には、どのような形式の協議も意義がないのは明白だ。米国が問題解決に関心があるのなら、協議の形式問題を条件に掲げるべきではない。
一、まず(米朝)双方協議を行い、それから多国間協議もするとのわれわれの融通性ある立場にもかかわらず、米国が多国間協議だけに固執するなら、米国に対する疑心だけが増大する。
一、われわれは、われわれの不利になることは絶対にしない。
▽対話継続の姿勢は歓迎
政府は24日、北朝鮮が核開発問題について条件付きながら日本、韓国両国を交えた多国間協議受け入れを示唆したことについて「北朝鮮が対話継続を求めていることの表れではないか」(外務省筋)として、北朝鮮側の出方を基本的に歓迎するとともに、真意を慎重に見極める方針だ。
政府は、米朝中の3カ国で始まった協議に日韓両国を加えるよう一貫して求めている。先の米韓首脳会談や今回の小泉純一郎首相の訪米で北朝鮮の核保有を認めないことで一致したことが「北朝鮮に対話継続のため柔軟姿勢を取らせる要因になった」(同)とみている。
ただ、北朝鮮の談話はあくまでも米朝会談を求めるという条件を付けており「核問題は米国とのみ協議するという基本姿勢は変えていない」(日朝関係筋)と分析。北朝鮮は先の3カ国協議で、核問題の「寛大な解決方法」を示す中で日韓両国の経済協力を求めており、日米韓が核廃棄要求で足並みをそろえたことを受け、「米国が強硬姿勢ならば、平和的解決を求める日韓両国を巻き込む必要があると計算しているのではないか」(日朝関係筋)とも見ている。
▽「極めて良い兆候」と韓国
【ソウル24日共同】北朝鮮外務省が24日、スポークスマン談話を通じ、核問題で多国間協議に応じる姿勢を示したことについて、韓国政府関係者は「北の対話意欲を示すもので極めて良い兆候だ」と述べ、歓迎する意向を示している。
米国が談話にどう反応するかは不透明だが、韓国としては当面、6月の日韓首脳会談や日米韓政策調整会合などを通じて協議継続の必要性を訴えていくとみられる。
核問題をめぐり盧武鉉政権は「当事者として解決に主体的役割を果たす」と訴えて活発な外交を展開、3カ国協議についても当初は早期参加を求める立場だった。
しかし、協議開催前後から盧大統領は「(韓国の)参加が重要なのではない」と言明。日韓の参加問題が協議継続の妨げになるより、とりあえず対話自体が続くことが重要との意向を示してきた。
背景には、北朝鮮との対話・交流を通じて核放棄を促す一方で日米韓連携を重視する韓国の立場がある。米朝双方が強い姿勢を崩さぬまま強硬と瀬戸際政策の悪循環が繰り返された場合、韓国の立場は極めて苦しい。
特に先の米韓首脳会談の共同声明で、北朝鮮が事態を悪化させた場合は「追加的措置」も考慮すると明言、日米も23日の首脳会談で「より強硬な措置」を取り得るとした後だけに、対話をめぐる北朝鮮側の「軟化」を示す談話は韓国にとって歓迎すべきものだ。
▽米政府の公式の反応はまだ
【ワシントン24日共同】北朝鮮が核問題で多国間協議に応じる姿勢を示したことに対し、米政府の公式の反応はまだ出ていないが、米政府は日本や韓国を含めた多国間協議の場で核問題解決を目指すとの立場を一貫して取っており、北朝鮮側に核開発や再処理問題での従来の強硬姿勢に転換の兆しがみられるとして評価するとみられる。
ブッシュ大統領は、先の韓国の盧武鉉大統領や日本の小泉純一郎首相との会談を通じて多国間協議の重要性を強調する一方、北朝鮮の核開発阻止に向けた強い決意を表明、経済制裁を含めた厳しい姿勢で臨むとの立場を示してきた。
今回の北朝鮮外務省スポークスマンの談話は、これらの外交面での成果が実を結びつつあることを示すものと受け止められている。
http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003may/25/CN2003052401000551A1Z10.html