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【ワシントン=菱沼隆雄】米国防総省のチェボロフスキ軍変革担当局長は16日、読売新聞と会見し、世界各地に展開している米軍の再編成について、「戦略的決定の第1弾が1年以内に行われるものと全面的に期待している」と述べ、イラク戦争の終結を受け、再編作業が本格化していることを明らかにした。
再編成の対象には日本、韓国などアジア、欧州、さらに中東も含まれるが、同局長は、まず駐ドイツ米軍をポーランドなど中東欧の北大西洋条約機構(NATO)新加盟国や近く加盟する国々に順次移転させる見通しを示した。また在日米軍に関しては、「日本との関係は死活的に重要であり、主要な要素についての変更は生じないだろう」と述べ、欧州の配置見直しを先行させる方針を示した。
海外駐留米軍の再編成は、一昨年の米同時テロや今年のイラク戦争などで、米国の安全保障上の必要が冷戦時代から激変したことによる。冷戦時代の展開は、「前方展開」と呼ばれ、大規模部隊がドイツ、韓国など東西冷戦の最前線に長期駐留した。
1991年のソ連消滅後も、欧州、アジアの情勢が流動的だったため、基本的に冷戦時代の展開が続いていたが、今後は〈1〉大量破壊兵器の拡散防止〈2〉テロ対策――を重視し、地域的には東欧や中央アジアなど冷戦時代は「敵国」だった地域に、機動性や専門性の高い部隊の配備を進めていく。
チェボロフスキ局長は、「ドイツに駐屯地はもはや必要ない」と断言。在独米軍をポーランドに移転する構想について、「全面的にそうなると予想している」と述べた。ポーランドに求めるのは「駐屯地でなく、戦略的なハブ(拠点)」となることだとして、「米軍だけでなく、地元部隊への訓練の機会などを設けることも含まれる」と説明した。欧州には約11万2000の米部隊が駐留しているが、うち約8万がドイツに駐留している。
同局長は、アジア地域の軍配置について、「在韓米軍については、交渉中」とし、詳細を明らかにしなかった。一方、ナッター大西洋艦隊司令官は同日、ワシントンでの講演で北朝鮮の脅威や中国の軍拡の動きを指摘。統合参謀本部に対し、近く、海軍の「人的資源」を大西洋艦隊から太平洋艦隊へシフトさせるよう要請する意向を表明した。
◆中・東欧諸国のNATO加盟=冷戦終結後、旧ソ連を盟主とするワルシャワ条約機 構が消滅し、西側の軍事同盟NATOに加盟を求める動きが広まった。1999年にはポーランド、チェコ、ハンガリーが加盟。来年5月には、ルーマニア、ブルガリア、さらに旧ソ連のバルト3国など7か国を加え、26か国体制となる。
(2003/5/18/03:01 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030518it01.htm