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「全民軍事服務制」は兵力減少による強力対策案
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が昨年、「全民軍事服務制」を導入したのは、兵力資源が減少している上、軍を忌避する現象が蔓延していることに対する強力な対策案として解釈される。
これまで標榜してきた「軍事優先政治」の名分を生かし、入隊と関連した階層間の違和感を解消すると共に、乱れた社会雰囲気を取り締まるための意図と解釈される。
90年代中盤以降、北朝鮮は食 糧難に悩まされ、人口全体の10%程度が飢餓で死亡し、多数の人が各種の疾患や栄養失調にかかったことから、兵力資源が急減した。
軍隊でさえ栄養失調が蔓延すると、別途に「保養部隊」を運営するほどだった。
程度のひどい場合は自宅に帰し、健康を取り戻した後、部隊に復帰させたり、いっそ除隊させることもあった。北朝鮮が90年代後半に入り、20年余も維持してきた産児制限政策を多産政策に転換したのも、このような背景のためだった。
また、食糧難により、社会の綱紀が全般的に大幅乱れた。従来、北朝鮮では社会的に立身するためには、一次的に党員にならなければならず、党員になるためには、軍隊に入隊するのが何 よりも近道だった。しかし、経済難の悪化で、そのような作動原理が色褪せてしまった。
ある脱北者は「経済難でお金の威力が大きくなり、あえて厳しい軍隊生活を経て党員にならなくても、い「暮しができるようになった」とし、「両親が子供を軍隊に送る時は、党員も何も要らないから、生きて帰って来いと話している」と伝えた。
このような社会雰囲気の中、一部の権力とカネのある家では子供を軍隊に入隊させず、階層間の違和感を煽る要因となっていた。また、結果的には体制の負担となった。
脱北者たちは「北朝鮮で権力とカネのある家では、あらゆる手段を使って子供を軍隊に行かせまいとしている」とし、「このような雰囲気の中、もはや軍忌避は一般住民の間でも自然な現象として定着しつつある」と指摘した。
全民軍事服務制が実施されたことから、もはや北朝鮮では身体上の重大な欠陥がない限り、徴集年齢の男性なら誰もが軍隊に行かなければならなくなった。
もちろん、全民軍事服務制が施行される以前も、北朝鮮の兵役制度は義務服務制だった。
98年9月に改正された北朝鮮憲法は「祖国保衛は公民の最大の義務であり、栄誉だ。公民は祖国を防衛しなければならず、法の定めによって、軍隊で服務しなければならない」(第86条)と規定している。
ただ、兵力管理のレベルから、▲身体検査で不合格した人 ▲大学進学者 ▲成分不良者▲政策的恩恵者、などは入隊から除外されてきた。
北朝鮮はことある度に媒体を通じて青年らの「軍入隊嘆願」、「志願入隊」などを宣伝しているが、それは社会的雰囲気を造成するための働きかけであるだけで、実際に兵役制度が志願制だということを意味するのではないと専門家らは指摘する。
身体検査と関連し、今回入手された人民軍の「講演資料」にその基準を具体的に明示はしていないものの、これまで適用してきた身長148センチ、体重43キロ、視力0.4の基準が適用される見通しだ。
精神病者、伝染病感染者、身体障害者なども当然除外される。某北朝鮮軍事専門家は「結論的に言えば、重症心身障害者を除いては、全員軍隊に行かせるという意味」と評価した。
中学校(韓国の中高校統合過程)卒業後軍隊に入隊せず、大学に進学した人も、在学期間や卒業後は軍隊に行かなければならない。養成所(準教育機関)に入所したり、社会に進出した人も、勤務期間、またはその後に必ず兵役を終えなければならない。
軍隊服務中に栄養失調や疾患などで途中で除隊した人や、事故で処罰除隊(不名誉除隊)となった人も、疾患の治療が終わったり、欠陥を治した後、必ず部隊に復帰し、残りの服務期間を埋めなければならない。従来はこれらの除隊の場合、部隊復帰しないのが普通だった。
「講演資料」は全民軍事服務制の実施と共に、除隊軍人を優待し、服務していない人に対してはいろんな制限条件をつけ、不利益を与えるよう、規定していると明らかにした。もちろん、優待や制限措置の具体的な内容は明らかにされていない。
しかし、「これからは大学に行くためにも、博士になるためにも、軍事服務を終えなければならない」、「軍事服務を終えていなくては、発展はおろか、人間としての役割を果せなくなる」などのくだりから、推し量ることができる。
金光仁(キム・グァンイン)記者
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/05/13/20030513000018.html