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【バグダッド小倉孝保】イスラム教シーア派の反フセイン組織「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)」指導者でイラクのシーア派住民に大きな影響力を持つムハマド・バクル・ハキム師(64)が10日、23年ぶりに亡命先のテヘランからイラク南部バスラへ戻った。ハキム師は帰国後の演説で「新政府はイスラムと正義を尊重すべき」との考えを明らかにしており今後、同師の発言は米国主導の暫定政権作りに大きな影響を及ぼしそうだ。
バスラからの報道では、ハキム師は10日朝(日本時間同日午後)、車で国境を越え、集まった支持者約2000人が師の写真などを掲げて祝福。住民の一部は同師の約100台の車に花束を投げて歓迎した。
ハキム師はイラク・シーア派の名家出身。イラン・イラク戦争が始まり、フセイン政権がシーア派指導者や住民への弾圧を強めた80年、イラクを脱出。以来、イランのシーア派政権の保護を受けて反フセイン運動を続けてきた。
SCIRIはシーア派の反フセイン派最大の組織で現在、暫定政権協議を行う反フセイン派主要5党の一つ。米国主導の暫定政権作りに反対し、ナシリヤでの第1回反フセイン派会合をボイコットしたが、先月28日の会議には参加し政権協議に復帰している。
ハキム師は帰国直後の演説で「新政権がどんなものになろうとも、イスラムと正義を尊重すべき」とイスラムを政権の基本にすべきとの考えを示した。同師は9日のテヘランでの演説で「イラクの将来はイスラムにかかっている。イラクにイスラム法を制定したい」と述べている。
SCIRIは暫定政権協議で、「憲法は国民が選ぶべき」とイスラム法制定にこだわらない姿勢を示している。しかしハキム師の発言は、SCIRIが最終的にはイスラム国家樹立を視野に入れていることを示すとみられ注目される。
一方、米国はイラクの次期政権にイランの影響が拡大することを強く懸念している。特に、ハキム師が長くテヘランに滞在したことから、イランがSCIRIを利用してイラク次期政権への影響を及ぼすのではないかとみている。
ハキム師は今後、バスラからシーア派の聖地ナジャフに入る予定。一部には、ハキム師がSCIRI指導者の立場を下りるとの情報もあるが、同師の今後の政治的メッセージがシーア派住民の世論作りに大きな影響を及ぼすのは間違いない。
[毎日新聞5月10日] ( 2003-05-10-19:09 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030511k0000m030030000c.html