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2003年5月7日 水曜日
(前略)ブッシュは、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、パール前国防政策委員長などがこれまで12年間夢見てきた「アメリカ軍事帝国」の青写真を丸のみした。ブッシュも含めて彼らはキリスト教原理主義と白人至上主義の偏狭な国粋右翼であり、米国では「ネオ・コン」と蔑みのあだ名がある。ネオ・コンのコンは「保守」と「前科者」また「詐欺師」との掛け言葉でもある。
拙著「アメリカのゆくえ、日本のゆくえ」でブッシュ帝国主義の暴発を警告したが、ネオ・コンの源流は40年ほど前になる。それまでは東部の富裕な中道穏健派が共和党の主流で、内向きの保守政治を好んでいた。しかし、その後南部や西部の石油成り金や中小企業主の国粋保守派の白人たちに占領された
彼らは使用人以外の有色人種を嫌い、民主的市民連帯の内外策を敵視する。民主主義の騎士を気取るが、保守反動で言論の自由、妊娠中絶、人種平等そして国際協調を拒否し、自分たちの偏見を「神の教え」と正当化する。ワシントン・タイムズ紙やフォックス・ニューズテレビなどの御用メディアを使い反対者を潰すのには手段を選ばない。「テロ奇襲の後ろ盾がサダム・フセイン」とのブッシュの大ウソなどネオ・コンの手口である。この大ウソを信じたのが米国民の半分と小泉首相である。(後略)
霍見芳浩のニッポンを斬る 米政権「ネオコン」の手口と危険思想より:http://gendai.net/contents.asp?c=022&id=174
ブッシュ政権は、大統領選挙の時から不正な選挙活動と不正な開票手続きなどで誕生した政権だ。父親のブッシュは東部の裕福な中道穏健派が支持母体であったが、息子のブッシュは中部や南部の石油成金やカルトな宗教団体が支持母体となっている。だから同じ共和党でも、今度のブッシュ政権はかなりガラが悪い連中が集まっている。
同じ米国人でも、東部の人から見れば現政権に違和感を感じているのだろう。イラクの戦後政策もドタバタが続き、政権内の対立が顕になってきた。石油利権派と親イスラエル派の思惑がずれ始めている。タカ派と国際協調派の対立もぶり返し始めた。現在のブッシュ大統領は道化役者に過ぎず、ジェット機で空母に着艦するなどのパフォーマンスに勤めている。
ブッシュのイラク侵略の真意は先週のコラムで指摘した通りである。少し付け加えると、イラクの石油制圧と植民地化に隠された理由である。イラク石油のユーロ建て採択にイランが同調の動きを見せて、昨夏以来ブッシュのイラク侵略が不可避となった。
(前略)昨年末から「ユーロ高・米ドル安」へ世界経済と金融の土台が動き、第2次世界大戦終了以来の米ドル支配体制が崩れはじめている。ブッシュ帝国によるイラク占領後はイランもサウジアラビアも、そしてノルウェーとロシアの産油国も、それまでの米ドル建ての石油価格をユーロ建てにシフトする。これで米ドル安となり、米国はインフレ基調へ動くと同時に内外の資本はユーロ圏に逃げる。
中国や台湾も含めて日本以外の賢い国は米ドル建ての外貨準備からユーロ建てへ移り、米ドル安は加速される。大損するのはブッシュと米ドルにしがみ続ける小泉日本だけである。拙著「アメリカのゆくえ、日本のゆくえ」(NHK出版)で述べたが、今こそ日本人は司馬遼太郎の歴史観と国際感覚を身につけて、ブッシュ帝国との無理心中を避けなければならない。
ブッシュの国際法違反のイラク侵略は、ブッシュ政権発足以来、京都議定書廃棄に始まった国際条約や協定からの一方的脱退に見られる独断専行(ユニラテラリズム)の一つである。日本としては日米安保条約による核の傘の保障も、日本防衛の約束も当てにはできない。(後略)
霍見芳浩のニッポンを斬る 石油価格はドル建てからユーロへ:http://gendai.net/contents.asp?c=022&id=171
おそらく短期的にはアメリカのタカ派のやりたい放題が続くだろう。アメリカの軍事力に対抗できる勢力が無いからだ。しかし軍事力以外に目を向けてみると、経済面、外交面、文化面などアメリカの孤立が目立ち、やがて政治に行き詰まれば、積み木が崩れるようにアメリカが崩壊するのは目に見えている。ソ連の崩壊がそれを予言している。
小泉首相は、ブッシュ政権の卑しい精神に毒されている。彼らは古代メソポタミア文明の貴重な遺産に目もくれず、油田の確保に走った。彼らがいかに文明人ではないかを証明している。これではアメリカの学者や研究者達もあきれ返って、ブッシュ政権から離れてゆくだろう。アメリカはすでに尊敬されない「帝国」になり下がっている。アメリカの味方をする国が一つ一つ抜けてゆく。
アメリカのような巨大帝国は外敵に敗れるよりも、内部崩壊が原因で滅びているのを歴史が証明している。野蛮で軍事力だけの帝国はソビエトが72年で崩壊したように長くは持たない。中国にしても先は長くないだろう。日本の識者の中にはアメリカの軍事力に目が眩んで、アメリカに従っていればよしとする意見があるが間違いだ。その証拠に有事のドル買いは起きず、じりじりとドルは下げ続けている。
gendai.net のホームページ:http://gendai.net/search.asp?k=022