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『亜空間通信』592号(2003/05/08)
【世界中が迷い動揺の謎の焦点サダムの行方とイラクの現状と近未来推測概略序説】
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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
ああ、今年も杉花粉飛散のわが4ヶ月間の悲惨季節が、やっと終わり、風は爽やか、空は五月晴れだと言うのに、またまた再び、何とも忙しい状況になってしまったものである。
イラクは滅茶苦茶な状況である。電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、悪いことはすべて、貪欲なアメリカ帝国主義の馬鹿者どもと、その追随者たちのせいである。
それにしても、あまりにも情報が多すぎて、いちいち対応していられない。しかし、現状に遅れると、「6日の菖蒲、10日の菊」の間抜け情報発信となる。
だから、本日(2003/05/08)は、あえて、世界中が探し求め、迷い、主要諸国の外交政策が動揺の極に達している複雑極まる現状の焦点、サダムの身柄と行方の謎と、さらには、イラクの現状と近未来の推測を、いちいち資料を示さずに、「快刀乱麻を断つ」心境で、「わが電網宝庫と阿修羅戦争掲示板を参照されたし」と言い切り、その概略の序論として総まとめする。
この際、一番重要なのは基本的な状況認識であって、特には、以下の情報の読み直しである。
今回は、まず、日本語訳の部分だけを再録する。英文を参照したければ、記載のURLをクリックされたい。私は、この情報の確度が非常に高いと判断している。今、この情報の通りに、イラクの「地下」に、約15万人の戦士が潜み、その他の地上の部隊と呼応して、今の今、ゲリラ戦を開始しているのと判断している。その状況は、以下にも随時現れる。
http://www.jihadunspun.net/home.php
このURLの中のunspunという単語は、手元の安物英和辞典にはない。spinの過去形、過去分詞、spunには、(英俗)として、「疲れ切った。tired out)とある。unで否定するのだから、「疲れを知らぬ」ジハッド、イスラム聖戦士の電網宝庫の意味であろう。
なお、以下の字句の内、「ウレマー(イスラム法学者)」、「タウヒード(神の唯一性)」の2つの括弧内の説明は、私が加えたものである。
----- 引用ここから ------------------------------
バグダットの聖戦士指導者シェイク・アブ・イヤドからのメッセージ
http://www.asyura.com/0304/war32/msg/466.html
投稿者 ドメル将軍 日時 2003 年 4 月 20 日 00:07:35:cje0BUN7ztE2U
(ごく一部の抄訳)
イラク軍がバグダッドを含む全都市から撤退した理由を説明することから始めよう。
この撤退に伴って起きたことは全て、聖戦士指導部とイラク軍指導部との協議に従って起きた事だ。
アッラーの敵は、バグダッドに1万トンもの爆弾を投下した。小型核兵器に匹敵する威力を持つ新型爆弾を投下した。
我々は、米英は地上戦を望まず、空爆による破壊と殺戮に徹するつもりだと判断した。
彼ら(不信心者)は、イラク軍とイラク市民に反乱を起こさせるには、強力な爆弾が有効だと判断した。
米軍が爆撃をする間にも、米国によって訓練されたシーア派とクルド人はイラク北部でイラク正規軍と戦っていた。
かくして我々は、アフガニスタン型の戦術を採ること決めた。
地上戦を避ける臆病な敵と正規戦を戦うことは出来ない。
空軍力に優る敵と戦う唯一の方法はゲリラ戦である。
しかし、イラクにはトラボラがない、アフガニスタンのような山がない。
アフガニスタンの聖戦士(タリバン)は代わるがわる全ての都市から撤退し、全都市を敵に明渡した。
そうすれば爆撃が止み、無実のムスリム民間人を救うことがが出来ると考えたからだ。
しかし、臆病者は決して爆破を止めず、地上に降りて戦うこともなかった。
それでも、ムスリムは敵に最大限の損害を与えた。アメリカはアフガニスタンで勝利したと言うことは出来ない。
我々はタリバンと同じ戦術を採ることにした。
正規軍ではアメリカと戦えないと理解したイラクの指導部も、我々のシューラ(会議での決定)を受け入れた。
我々が市民と共に居たら、不信心者は我々を滅ぼし、そして我々の市民をも滅ぼす。
だから撤退する。しかし、これは政治的には敗北を意味するだろう。
トラボラに優るものを見つけた我々が撤退した唯一の理由はこれである。
1989年にイラク軍が建造したバンカー(えん蔽壕)とトンネル、これは良い知らせだ。
イラク指導部の数人しかこの場所を知らない。
全てのイラク正規軍がバンカーに行くだろう。体制に忠実な15万人の戦士、150機のミグ27ジェット戦闘機(ミグの所在をカバーしたメディアは一つもない)、2500台のイラクの戦車。
合意は次のようなものだ:
イラクの全戦力(砲兵隊、陸軍、情報機関、情報提供者、共和党防衛隊、フェダイーン・サダム、他の全軍隊)は武器を放棄して撤退し、
都市を不信心者に明渡してバンカーに向かう。
有難い事に、我々は嘗てはフェダイーン・サダムと呼ばれた若い聖戦士を預かった。
(注記:フェダイーンとは、大義に命を捧げるよう訓練された者のこと)
兄弟たちとウレマー(イスラム法学者)の助けを借りて、彼らはフェダイーン・イスラムとなった。
彼等はバース党政権を非難し、タウヒード(神の唯一性)を受け入れ、アッラーの道のために死ぬことを誓った。
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------
英語の原文を子細に検討すると、「聖戦士指導部」は、バース党の政権を「異教徒」または「不信心者」扱いしている。彼らは、厳密な政教一致主義のイスラム教徒の集団なのである。この情報に現れた宗教的な用語は、決定的な重要性を持つ。
以上の内から、さらに、以下の重要な字句だけを抜き出し、英語の原文を付す。
「聖戦士指導部とイラク軍指導部との協議」
our consultation between the leadership of the Mujahideen and the leadership of the Iraqi forces.
「イラクの指導部も、我々のシューラ(会議での決定)を受け入れた」
Iraqi leadership thank Allah accepted our Shura
「体制に忠実な15万人の戦士」
150,000 fighters who are extremely loyal to the regime
「彼等はバース党政権を非難し、タウヒード(神の唯一性)を受け入れ、アッラーの道のために死ぬことを誓った」
they have denounced the Baath Party regime, they have denounced their views on Arab nationalism and declared the Shahadah accepting the Tawheed (Islamic monotheism) and declared to die for the sake of Allah and all this especially when they have been trained to be martyrs.
以上のごとく、「指導部」には、軍とイラクの双方がある。「聖戦士指導部とイラク軍指導部との協議」の方が先行し、その協議に基づく「我々のシューラ(会議での決定)」を「イラクの指導部」も「受け入れた」という順序のようである。
「体制に忠実な15万人の戦士」の中の「体制」は、当時のイラクの体制、具体的にはバース党支配のサダム・フセイン政権のことであろうが、この時点で、政権は、軍に見放されたか、分離したと考えられる。軍人は、国民を守る教育を受けているので、政治家、または政治屋とは違うところがある。「イラクの防衛のための体制」に忠実な軍人たち、とも言える状況であろう。
もしも、この軍人たちの協議に、サダムが同意せず、独裁を貫こうとした場合には、ヒトラーの親衛隊に相当するフェダイーン・サダムが、すでに「バース党政権を非難」し、「フェダイーン・イスラムとなった」のであるから、サダムは、牙を抜かれた猪、豚並の粗大ゴミでしかない。逆らえば、弊履のごとくに捨て去れれたであろう。
対する米英軍が、イラク支配に右往左往し、失敗続きなのは、基本的な戦略の誤りに加うるに、上記の「地下」抵抗のしぶとさによるもので、この「地下」抵抗の規模と効果は、パレスチナやアフガニスタンとは桁違いの大きさなのである。
パレスチナの人口は数百万、イラクは2千4百万である。対するイスラエルは数百万、アメリカは2億5千万だが、地続きどころか、遙かに遠いのである。この巨大な落差を見込まないと、何も分からない。
サダムら元首脳部の所在と動向は、以上の地下の土台を知った上での「しぶとい」、または「がめつい」生き残りの暗躍として理解して置くのが、賢明であろう。
副首相のタリク・アジズは、「降伏ではなく交渉」の様相で出現した。彼はサダムより2歳年長で、ネストリウス派のキリスト教徒のアッシリア人であり、英語も堪能な国際人である。
以上の概略の序説に基づいて、私は、今後、さらに精密な観測を続ける予定である。
以上。
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