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05/07 15:01 軍人支配に任せ米撤退も 英国際研のホリス部長 外信433
イラク戦争後の治安維持に対する米軍の準備不足に驚いた。挑発
もなかったのに武力でイラクの体制を変えるのは国際法違反だ。こ
のため米国は、大量破壊兵器の武装解除を大義名分に、戦争の正当
化と世論対策に精力を奪われた。中東情勢の複雑さを知る国務省は
国防総省と対立。パウエル国務長官が国連外交の失敗で影響力を失
ったことも影響している。
ブッシュ米政権は国際政治を白か黒かで見たがる米大衆を体現し
ている。米国が望む対イラク国連経済制裁の解除は戦争の正当化に
つながる。国連は簡単には応じられない。イラク国民の間には戦後
の混乱を嫌い、秩序回復を求めて米軍に反発し結束する動きもある
。
米軍にはイラクの支配政党バース党型の統治を復活する誘惑が生
じている。米国が意図する民主化には、イスラム教シーア派の聖地
カルバラやナジャフなどの政治、宗教勢力の自由を容認し、彼らの
競争の中から新秩序が形成されるのを辛抱強く待つ必要がある。だ
が米国には、パキスタンのムシャラフ大統領のような強力なイラク
の軍人指導者を任命して撤退する選択肢が浮上している。
米国は「陶器店の中で暴れる巨象」のようだ。中東の秩序は崩壊
した。アラブにとってイスラエル建国、第三次中東戦争に続く第三
の敗北だ。中東は米国とイスラエルのなすがままで経済もだめ。ア
ラブ諸国の政府は大衆の反米感情の高まりに戦々恐々としている。
米国は敬けんなイスラム教国のサウジアラビアに対し、世俗的な
政治、教育改革を求めるなど不可能なことを要求し始めた。シリア
も反米姿勢を放棄するよう迫られている。イランは表向き反米姿勢
を維持しながら裏で取引するのが巧みだが、シリアは下手。シリア
のアサド政権は崩壊する恐れがある。(ロンドン共同=船津靖)
× ×
ローズマリー・ホリス氏 1974年、ロンドン大卒。75年、
同大で修士号。米ジョージ・ワシントン大で政治学博士号を取得、
同大講師。90年、英国防省防衛研究所中東部長。95年から英王
立国際問題研究所中東部長。
(了) 030507 1500
[2003-05-07-15:01]
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