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東亜日報 by 金正眼 (credo@donga.com)
MAY 04, 2003 22:08
ブッシュ米大統領が対潜哨戒機で空母エイブラハム・リンカーンに着艦する。操縦士姿の大統領が、激しい戦闘を終えて帰ってきたばかりの勝者のように親指を上にあげると、軍関係者らの歓呼する声が広がる。そして、大統領のイラク戦の終戦宣言と続く。
共和党のある政治広告担当者は、ブッシュ大統領が演出した2日の終戦宣言の光景を「同氏の在任期間中の最高の一場面になるだろう」と評した。
イラク戦を強行したブッシュ政権に対する非難の声を高めてきた米ニューヨークタイムズ紙さえ、「どの大統領も夢見ることができなかったことだ」とし、この日のイベントがもたらす途方もなく大きい広報効果を認めた。
しかし、地元マスコミはこうした華麗な「演出」が成功するまで、数多くの関係者が苦しい思いをしながら緊迫した瞬間を過ごさなければならなかったとし、イベントと関連した様々な話題を競争して伝えた。
最も大きな苦労は、ブッシュ大統領が副操縦士席に搭乗した、対潜哨戒機のS−3Bバイキングが、鉄で作られた甲板ケーブルに、連結ホックを無事つなぎ、着艦に成功しなければならなかった点だ。しかし、大統領が乗っていたバイキングは、四つのケーブルのうち、最後のケーブルを辛うじて引っ掛けることができた。
もし、四つ目のケーブルにも引っ掛けることができなかったならば、哨戒機は再上昇しなければならなかった。ことを誤って、海へ墜落することもありえた。このハラハラする着艦の過程を見守る警護担当者と海軍関係者は、極度に緊張しながら同過程を見ていた。
ホワイトハウス関係者らが、内心懸念していたもう一つの理由は、ブッシュ大統領の操縦実力。ブッシュ大統領は、テキサス州空軍防衛軍出身と言う経歴をそれとなく自慢していたが、周囲では同氏の操縦実力を全的に信頼してはいなかった。
一例に、ホワイトハウスのフライシャー報道官は1日のブリーフィングで、記者がブッシュ大統領が実際に哨戒機を操縦することについて尋ねると「まっすぐで飛んでくる飛行機なら海軍の操縦士が操縦する飛行機であり、そうでないならば想像に任せたい」とジョークをとばし、本音を示したりもした。
ホワイトハウスの公報チームは、ブッシュ大統領の父親であるジョージ・ブッシュ元大統領が12年前、湾岸戦争の勝利にもかかわらず再選に失敗したジンクスを繰り返さないため、綿密な計画のもと動いてきた。これまで、ブッシュ大統領の一挙手一投足は、他ではなく、これら公報チームの頭から出てきた戦略によるものだ。ロイター通信によると、今回の演出も、こうした公報チームのち密な計算の末出てきた「ドラマ」だったという。