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ニューカナーン(米コネティカット州) 4月27日(ブルームバーグ):先週行われた米国、中国との3カ国核協議を、北朝鮮はぶち壊した。米国との対立の平和的解決を目指すどころか、核兵器を保有していると誇ってみせた。さらに、核実験の実施を検討しているうえに、核兵器の輸出も開始するかもしれないと宣言した。
この発言で、北京で開催された3カ国協議は事実上決裂した。米ブッシュ政権の泣き所を突くための、ちょっとした演出だった。なかでも一番の泣き所は、核兵器輸出の脅威だろう。ブッシュ大統領は「昔ながらのどう喝ゲーム」、フライシャー大統領報道官は、「こけおどしは北朝鮮の手口」と応酬した。
致命的な一撃
実際、こけおどしの恐喝だ。北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)はさらに、「米帝国主義者とその手先が、わが国の真剣な警告を無視し、侵さざるべきわが国の陸・海・空を1ミリたりとも侵犯すれば、わが人民軍は侵略者に対し情け容赦なく致命的な一撃を加え、米国との対立に最終勝利を収めるであろう」とぶち上げた。
事態がこんなに深刻でなければ、笑ってしまうところだ。KCNAの論評を書いた筆者は、イラクのサハフ情報相と同じ学校で学んだに違いない。
一堂に会した当事者の間で、物の見方が全く異なっているのが面白い。会談の終了後に中国外務省の報道官は、「すべての当事者が、問題の平和的解決を望む意思を示した」と述べた。
誤算
もちろん、これは外交辞令だ。中国も米国同様に、北朝鮮の金正日総書記と核開発計画にどう対応したものかと頭を抱えているに違いない。
中国の対応は、金総書記にとって最大の誤算かもしれない。米国ののどに刺さった小骨としての北朝鮮が、中国にとって有用だった時期もあっただろう。しかしそれは遠い昔のこと。今の中国は米国を刺激することを望んでいない。ロシアも同じだ。中国もロシアも、朝鮮半島が核兵器の実験場となることを望まない。両国は、金総書記は利益になることよりも弊害を生む方が大きいとの結論に達するかもしれない。
この場合、金正日問題の解決策は「待ち」ということになる。同総書記が死亡するか同政権が崩壊するまで、核兵器の拡散防止に全力を尽くしながらじっと待つのだ。
韓国の一人負け
この間、韓国の金融市場は「ならず者」の隣国のおかげで被害を被る。投資家が警戒して、韓国の株、債券、通貨を敬遠するのは無理からぬことだ。
問題は、米国とのこのような対立から、北朝鮮が何を得ようとしているかだ。物質的、金銭的な援助に加え、米国側に何らかの譲歩を強いることで、勝利を宣言したがっているように見受けられる。
その目的を達するためならば北朝鮮は、戦争も含めいかなる行動も辞さない覚悟だ。金総書記は国民に対し、米国との戦争がいつ始まってもおかしくないと吹き込んでいる。果たして、北朝鮮にはこれを信じている人がいるのだろうか。(デービッド・デローザ)
(デローザ氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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Last Updated: April 30, 2003 01:56 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=af7r_pvzbC_Y&refer=top_kaigai