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【パリ前田浩智】29日夜の日仏首脳会談は、イラク復興に関し「国際協調体制の再構築」という大枠では一致したものの、米英と仏独の過去の確執をどう乗り越えるのかなど、詰めた議論は行われなかった。意見対立に発展しかねない状況を慎重に避け、友好ムードを優先させた印象は否めない。
「過去は過去、将来に向けた国際協調体制を作らなければならないという点では、米国もフランスも共通した立場を見出せるのではないか」。小泉純一郎首相は会談終了後、手応えを記者団に強調した。
未来志向型の対応を確認したことは、問題解決のスタートラインとして評価できなくはない。
フランスは米国中心の復興の動きには「正当性がない」と批判を続けている。親日家のシラク大統領が相手といえども、安易に関係修復を促せる状況にはまだなく、小泉首相が会談早々、「イラク問題で考え方に違いがあっても、日仏関係は変わらない」とことさらに協調ムードを演出したのも、うなずけないことではない。
しかし、小泉首相は国連関与のプロセスについては触れず、英国やスペインとの首脳会談では当然のように言及していたイラク復興に関する国連決議の内容にもこの日は一切踏み込まなかった。
シラク大統領は会談の中で、「国際的秩序の中核は国連の役割が大きい」と発言し、米主導の暫定統治機構設立にクギを刺し、意地をのぞかせる場面もあった。だが、首相は「できるだけ多くの国が参加するよう国際協調を図らなければならない」とあいまいに応じただけだった。
首相は5月の訪米で、「一日も早く国際協調体制を取るようにブッシュ大統領に言う」と明言したが、道のりは険しそうだ。
【パリ前田浩智】29日の日仏首脳会談の要旨は次の通り。
◆イラク問題
小泉純一郎首相 イラク問題は米仏の対立ではない。一時的な対立から、未来の協調体制を作るのが大事だ。
シラク大統領 戦争には反対だったが、現在は復興の局面に入っており、将来を見ないといけない。治安は連合国が責任を持つのは当然だが、復興、再建においては、国際的秩序の中核、国連の役割が大きい。
首相 連合国だけで復興はできない。できるだけ多くの国が参加するよう、国際協調を図らなければならない。
◆北朝鮮問題
首相 北朝鮮とイラクの対応は違う。拉致の問題も日本にとっては大きく、核、ミサイル問題と包括的に解決していく。北朝鮮(の核保有発言)は、表面的な言いぶりと腹の底の真意をよく分析しないといけない。米朝中の3カ国協議は、日本、韓国、ロシアも加え、6カ国協議になるのがいい。
大統領 日本と韓国の立場を支持する。日本にとって、拉致問題が重要と考えるのは当然だ。
[毎日新聞4月30日] ( 2003-04-30-15:27 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20030430k0000e010079000c.html