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イラク戦争の陰で、アフガニスタンにおけるタリバン残党によるゲリラ戦が活発化している。アフガンのカルザイ政権は、背景に、パキスタン政府がイスラム原理主義政党や軍情報機関によるタリバン支援を黙認していることがある、と見て反発を強めている。(アフガン南部カンダハルで 新居 益)
タリバンを生み育てたパキスタンは米同時テロ(2001年9月)後、タリバンとの関係を絶ち、米国と歩調を合わせて、タリバン最高指導者オマル師やウサマ・ビンラーディンらの行方を追っている。しかし、パキスタンの一部勢力が水面下で、依然としてタリバン残党に手を貸しているとの見方は根強い。
アフガン・カンダハル州のパシュトゥン報道官は本紙に、「パキスタンがアフガンの内政に再び干渉を始めた」と断言。22日にパキスタンを訪問したカルザイ大統領は、パキスタン国内に潜伏しているタリバン幹部のリストをパキスタン側に近く提出する方針を明らかにし、パキスタンの対応への不満を示唆した。
米軍は、反政府勢力がアフガン領内で活動後、国境を越えてパキスタン側に逃亡するという行動パターンを把握している。
タリバンに関与していると見られるパキスタンの組織は、1990年代初めにタリバンを生み出す上で“両輪”の役割を果たしたイスラム原理主義政党「ウラマー・イスラム協会(JUI)」と軍統合情報部(ISI)だ。
JUIは昨年10月の選挙で躍進し、アフガンと国境を接するバルチスタン州では州政権入りした。この結果、同州都クエッタには多数の元タリバン幹部が潜伏、活動しているとされる。パキスタンではタリバン支持の感情は反米感情と深く結びついているだけに、「ムシャラフ大統領は、JUIにタリバン問題を持ち出し、反米感情を刺激することは避けたい」(地元紙記者)のが本音だ。
ISIはCIA(米中央情報局)と対テロ戦で協力したが、タリバンに関する著作があるパキスタンの著名ジャーナリストのアハメド・ラシッド氏は「ISIは、一部の幹部が米国と協力する一方、別の幹部がタリバンを保護している」と指摘、ISIが米国とタリバンの二またをかけているとの見方を示す。
アフガン全土で8500人の米軍は、地元勢力とも手を組み、数千人のタリバン残党に対し圧倒的優勢を保っており、タリバンは局地的な占拠や攻撃を繰り返すにとどまっている。
しかし、アフガンでは、イラク戦争後の国際情勢の変化を受け、米軍の駐留がいつまで続くのか不安視する声も出始めた。
ポパル・カンダハル市長は「米軍はアフガン国軍と警察が完備するまでは駐留してほしい」と語った。
(2003/4/29/00:57 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030428id29.htm