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TWP追及スクープ第1弾
「金日成像」が倒される日
在日資金工作の責任者が「金正日の金集め」を全暴露
http://www.weeklypost.com/jp/030502jp/index/index1.html
(1) 金正日総書記「3月極秘訪中」情報
イラク戦争が事実上終結したのと前後して、北朝鮮は一段とヒステリックに対米批判のトーンを上げている。
平壌中央テレビを見ると、変化は一目瞭然だ。例によって≪将軍様≫を礼賛す
る番組の一方で、<アメリカは次はわが国を狙っている>
<第2次朝鮮戦争を起こそうとしている>――と、まるで明日にでも米軍が攻め込んでくるかのように、アナウンサーは絶叫に次ぐ絶叫である。
兵士や大人への士気の鼓舞にとどまらない。子供向けアニメからして、激烈な内容には思わず息をのんだ。
星条旗から無数のハエが飛び立つ。それに殺虫剤のタンクを背負った"金日成マン"たちが立ち向かい、機銃掃射のようにハエに殺虫剤を吹きあびせて退治する――というシーン。
≪ハエの大群≫は北朝鮮を空爆する米軍機を表現し、何十万、何百万押しかけようともあっという間に蹴散らすのだという戦争教育アニメは、もはや滑稽を通り越して何から何までが悲劇的なこの国の現実を象徴している。
北朝鮮がイラクよりやっかいなのは、金正日独裁体制を守ろうという過剰な防衛意識が≪核の狂気≫を生んでいることだ。 北朝鮮の国内は逆に完全な臨戦態勢に入った。
実は、米英連合軍がイラク攻撃を開始した直後の3月中旬、金正日総書記がひ
そかに北京を訪問し、胡錦濤・国家主席と極秘会談を持ったという有力な情報がある。その北京会談が金正日氏を決定的に追い詰めることになった。
北朝鮮と中国はかつてない緊張状態にある。北朝鮮側は今年2月、白南淳外相や政権ナンバー2の金永南・最高人民会議議長を相次いで訪中させ、中国政府に緊急武器援助を申し入れた。対米戦争を想定した軍事強化のためであることはいうまでもない。しかし、中国側に拒否されると、原子炉再稼働、地対艦ミサイル発射と威嚇行動をエスカレートさせた。
中国側も黙ってはいなかった。対抗措置として、朝鮮人民軍の生命線ともいえる北朝鮮向け石油パイプラインを一時閉鎖し、圧力を加えたのである。北朝鮮は前面のアメリカだけではなく、味方と思っていた背後の中国からも"兵糧"を断たれるという事態に陥った。
米AFP電(4月11日付)も金氏訪中の情報を掴み、その結果を次のように報じている。
<この訪問中に孤独な金は胡錦濤と協議し、胡は平壌とワシントンの関係が一層
深刻化するようであれば、黙視はしないと伝えた>
武器援助の交渉が決裂したことは間違いない。北京から戻った金氏は、ただちに『国防委員会命令0030号』を発令した。これは北朝鮮の治安組織である国家保衛部に対し、全国で24時間シフトの非常警戒態勢を敷くように命じたもので、事実上の≪戒厳令≫といっていい。
2) 在日工作機関は「偽装解散→再編成」で先鋭化の恐れ
朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)には、『学習組』と呼ばれる非公然組織があった。総連中央の数人の最高指導部を頂点に、各地の都道府県本部や商工会、朝銀(北朝鮮系信用組合)など傘下団体ごとに指導部があり、末端は職場単位に『細胞』という5〜10人ほどの活動部隊が置かれていた。
学習組の最終目的は、<日本での主体思想 革命偉業の遂行>とされる。つまりは、武力革命である。その目標遂行の名目で、メンバーは日本での資金づくりと軍事物資や技術を本国に送ることを主な任務にしていた。一部には、本国から潜入した工作員に協力して日本人拉致などテロ活動を行なう補助工作員がいたとされる。
ただし、学習組は小泉首相の訪朝をひかえた昨年8月、金正日総書記の命令によって突然、解散させられた。金総書記は日朝首脳会談で「拉致は情報機関の一部の暴走だった」と釈明したが、背後に日本国内の学習組の関与があったからこそ、日本の捜査当局の追及がおよばないうちに解散させたという見方が有力なのだ。
実際に学習組は首脳会談と前後して細胞ごとに内々の解散式を行ない、以後、表向き活動を完全に止めた。そのため、捜査当局も未だに全容をつかめていない。
本誌は学習組の首脳クラスの元幹部で、資金調達の責任者だった人物に接触することができた。現在も組織の一員であるその人物は、時折、離反すべきかどうか内心の動揺をのぞかせながら、重大な事実を告白した。
学習組のメンバーは、在日の子弟の中でとくに祖国への忠誠心が強いと評価された18歳前後の若者から選抜され、東京の朝鮮中央学院や本国に派遣されて徹底的に思想教育を施される。元幹部は、何度もそうした研修を受け、組織の中でトントン拍子に出世した。同じ教育を受けた在日組織の首脳部は、現在も主体思想に従って組織再建をはかっているのだという。
偽装解散だったというわけである。とはいえ、組織再編の過程で、総連の最高幹部クラスの"粛清"が起こり、排除された有力幹部の離反が相次いだ。そのことが一見、組織崩壊に見えるが、新機関の中核は、一層、活動を尖鋭化させようとしている。
(3) 5時間に及んだ平壌大宴会
学習組の中枢幹部たちが金総書記に≪血の忠誠≫を誓ったのは11年前、金日成国家主席から金正日氏への権力世襲が行なわれ、金正日氏が全権を掌握した92年4月のある儀式からだった。
その年、北朝鮮では2月に金正日氏の生誕50年慶祝祭、4月には金日成氏の誕生80周年慶祝祭(太陽節)など各国要人を招いた大イベントが続き、中国から楊尚昆・国家主席、日本は金丸信・元自民党副総裁、田辺誠・社会党委員長らが訪朝した。
在日組織も世襲を祝い、30億円の寄付を集めて現在の万景峰号を建造し、祖
国へ贈った。4月25日には、金正日氏は父とともに朝鮮人民軍創建60周年の
軍事パレードを閲見し、壇上から、「英雄的朝鮮人民軍将兵諸君に栄光あれ」
――と檄を飛ばし、平壌放送を通じて初めてその肉声が伝えられた。
軍事パレードの3日後の夜、平壌の政務院(内閣)庁舎に近い党の秘密ホールでは、北朝鮮と朝鮮総連の首脳部ざっと500人が一堂に会し、新指導者の披露を兼ねた大宴会が開かれた。朝鮮総連からは、韓徳銖・初代議長(故人)、許宗萬・責任副議長をはじめ、各県の本部長、商工会理事長、朝銀の理事長など傘下団体のトップと在日朝鮮芸術団メンバーの総勢200人あまりが出席した。
宴席には金日成主席は現われず、主役の金正日氏が韓議長と並んで入場し、全員が拍手で迎えた。挨拶も乾杯もなく、中央のメーンテーブルについた2人が飲み始めるのを全員が息をつめて待ち、それを合図に始まった。宴会はなんと5時間に及んだのである。
前出の学習組幹部もメーンテーブルに近い席に座った。
「韓議長や総連中央の幹部はもちろん、県本部や商工会、朝銀トップなど参加者の大半は各団体の学習組の指導部のメンバーたちで主体思想を叩き込まれている。それが新しい指導者に声をかけられたのだから、感激してその夜は眠れなかった。それまでの首領は金日成でしたが、その儀式によって、金正日に忠誠を誓ったのです」
ところが、翌日、在日組織の幹部たちは、青ざめることになる。早速、新指導者・金正日書記からの思いがけない指令が伝えられたからである。
4)緊急指令「5億円用意せよ」
在日組織の訪朝団の主だったメンバーは、統一戦線部に呼び出された。そこには姜副部長(現在は部長)と尹基福・総連指導課長(後に失脚)が待っていた。
彼らは総連の県本部委員長や商工会、朝銀の理事長たち1人ずつと個別に面談し、金正日同志からの指示を威圧的に通告した。
「あなたのところは至急、5億円用意してほしい」金額は団体の規模によって違い、3億や2億、数千万円の要求もあった。中には3億円の要求を2億円に値切った者もいたが、断わるのは難しかった。
その頃、金正日氏は権威を確立するために核開発を急いでおり、資金を全面的に在日組織に頼るようになる。総連が設立された55年に生まれた学習組も、それまでは在日組織拡大のためのオルグ活動が中心だったが、軍事関連技術を得る産業スパイ活動や資金調達を第一の目的とする工作機関へと変質していく。
朝銀や商工会はなりふりかまわぬカネ集めに走り出した。本誌は昨年末、朝銀幹部の証言をもとに、1セット22万5000円の『金日成金貨』の販売や架空融資、在日商工業者への融資のキックバックなど様々な手口で集めた資金を段ボール箱に詰め、万景峰号で本国に闇送金していた問題を連続追及したが、その指揮をとったのも学習組だった。
どの朝銀の組合長や商工会理事長がいくら出したかは総連中央を通じて統一戦線部に報告され、10億円以上寄付した幹部には、最高位の『金日成勲章』が与えられる報償制度まである。
そうして無理な資金づくりを重ねた結果、最盛期には全国に38組合あった朝銀のうち16組合が経営破綻し、残った組合も経営悪化によって整理・統合され、7組合に再編された。一連の朝銀の救済や破綻処理で投入された日本国民の税金は約1兆4000億円にものぼる。
学習組元幹部は、在日組織が新工作機関の編成に動いているのは、再建中の朝銀の資金を狙っているからだと警告する。
北朝鮮が中国からの石油供給まで絶たれた以上、軍費調達のために最後の資金源である在日組織の壊滅を覚悟で大がかりな経済犯罪を仕掛ける危険性もある。
(5)独裁者を揺さぶる健康不安説
今年の金正日氏の誕生日や金日成生誕祭は、かつての"栄華の影"を潜めていた。資金の涸渇と同時に、金政権が国民の動員力を失いつつあることを物語っている。金正日氏は最近、朝鮮戦争以来の『戦時国債』を発行して飢えに苦しむ国民からさらにカネを吸い上げようとしている。
一方で軍部の強硬派は、中国から武器援助を拒否され、軍事的後ろ楯を失った独裁者への不満を募らせ、米中との協議で金正日氏が一方的譲歩をすれば、次男の正哲氏を擁立して≪軍事クーデター≫を起こすという不穏なムードが高まっている。
加えて健康不安説も流れ出した。外務省幹部が語る。
「アメリカ国務省はここに来て金正日が急に姿を見せなくなったり、後継者問題が浮上しているのは、内臓の病気で執務に支障が出ているからではないかと分析している。確かに、昨年の日朝首脳会談の時も、顔色の悪さを隠すために3時間もメークしたという。敵を前にして全軍の指揮がとれないとなると、軍部が動揺するのは当然だろう。国家保衛部に非常警戒令を出したのも、アメリカの攻撃に備えるというより、国内の監視を強化してクーデターなどの動きを未然に食い止めたと考える方が自然だ」
金父子は以前から万が一、平壌が陥落した場合の亡命先として、中国北部に広大な別荘を所有しており、避難ルートまで決めている。ひょっとすると、極秘の北京行きも、武器支援だけではなく、中国の新政権が自分の亡命を受け入れるかどうかの感触を探る目的があったのではないか。
だとすれば、米中朝の3か国協議に応じた裏に、何らかの取引が行なわれた可能性も否定できない。
以上 週刊ポスト